43話 お揃いレインコート
そんなこんなで決まったコンビニでの食料補給作戦は無事に終わり、先程、ついに本日の目的地であるショッピングモールへと到着した。
ただいまショッピングモール。私の第二の実家。
「じゃあ早速レインコートを買いに行こー!」
「おぉー!」
いつも通りハイテンションな有咲ちゃんの案内に従ってエスカレーターに乗り、二階へ。
そこから本屋や靴屋、服屋を通り過ぎた末に私たちが入店したのはディスカウントストア。
色々なものを安く買える最強のお店である。
「ここで買ったんだ!」
「そうだよー!」
「よく見つけたねぇ」
「ま、あたしの審美眼にかかれば楽勝よ!」
そんな会話を繰り広げながら歩いて、衣料品コーナーへと向かうと、そこには念願の可愛い猫耳フード付きレインコートが……!
「あったー!」
有咲ちゃん達から送られてきた動画を見ただけじゃ分からなかったけど、猫耳フード付きレインコートは生地もしっかりしていているし、ポケットも付いているしで機能性も抜群っぽい!
「やっぱ可愛いね!」
そう言いながら茶色と白のものを制服の上から軽く羽織ってみる。
「どう? 似合ってる?」
「可愛いー! ね、あかねん、めちゃ似合ってるよね!」
「えぇ、似合ってて可愛いわ」
「あ、ありがと……」
竜胆さんが私のこと可愛いって! もしかしてこれが告白ってやつ!? ……違うか? 違うな、うん。
「あかねんも着てみてよ!」
「朱音ちゃんは黒色だっけ〜?」
「そうね。黒猫の方、着てみるわね」
私が竜胆さんからの可愛い発言に混乱している間に、有咲ちゃんと奈緒ちゃんが竜胆さんを更なる美へと誘っていた。
黒猫竜胆さん……絶対可愛いじゃん。
ドキドキしながら待つこと数秒、目の前には可愛さの化身がいた。
「……どう?」
「可愛い可愛すぎるまじ可愛い!」
私はつい脊髄反射で答えてしまった。まじ可愛い。
「朱音ちゃん、綺麗な黒猫さんになったねぇ、似合ってるよ〜」
「ね! ちょー似合ってる!」
他の二人もべた褒めだ。そうだろうそうだろう。私の竜胆さん、可愛いだろう!
こうして買い物カゴの中には二着の猫耳フード付きのレインコートが入った。
レジに通す前にカゴにお菓子が追加されたのは、もちろん奈緒ちゃんが犯人だ。
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