40話 我が家に女神が降臨した【終幕編】
たこパが終了し、お母さんと玲奈が洗い物をやってくれるというのでお言葉に甘える事にした私と竜胆さんは、現在、居間でくつろいでいた。
ソファーに隣合って座り、楽しくお喋り中だ。
「たこ焼き美味しかったね〜」
「えぇ、特にデザートたこ焼きは予想以上の味だったわ」
好評のようで良かった。きっと、私の愛がたっぷり詰まってたからだね!
「でも私、ちょっと食べ過ぎちゃったかも……」
この前少し太ってからあんまり食べ過ぎないようにしてたのに、今日は竜胆さんとのたこパということでリミッターを解除してしまった。
このままでは私の体重は増加の一途を辿り、ぽっちゃり華奈ちゃんに大変身してしまうかも……!
急に危機感。しかし、もう食べてしまったのだから食べ過ぎた事実は消せない……。
まるで彫刻刀で彫ったみたいに、しっかりと私の罪リストに刻み込まれている。
今日ほど人生にリセットボタンが無いことを悔やんだ日はないよ……。
「そうね、私も少し食べ過ぎたかも……散歩がてら、少し歩きに行く?」
外を歩く……すなわち、ウォーキング!?
そんなの絶対効果あるじゃん、痩せるの確定じゃん。行くしかなくない?
全脂肪を道中にポイっとしてしまおう……!
「是非とも行かせて頂きます!」
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「外、涼しいわね」
「風が気持ちいい〜!」
時刻は七時を過ぎているが、まだ割と明るい。もう六月だしな……日の入りが段々と遅くなってきている。
微かに吹く風が、たこパをして熱せられた空間にいた私たちには凄くありがたい。
竜胆さんはヒールのある靴で遊びに来ていたので、ひとまず竜胆さんの部屋に寄ってスニーカーに履き替えてから一緒にマンションを出る。
「どこ歩く?」
「私は偶にウォーキングをする時はあっちの公園の方に行ってるわよ」
竜胆さんが指差すのは総合公園がある方向だ。確かに、あそこら辺なら道が広くて歩きやすいし、おまけに景色もいい感じだからぴったりかも!
日中は多くの子供たちが元気いっぱい遊んでいて、それを親御さん方がベンチに座りながら見守る、そんな平和な光景が広がる場所だ。
まぁ、もうこの時間は人は少ないだろうけど。
「じゃあ、そのコースで行こう!」
「了解よ、では行きましょうか」
こうして、私と竜胆さんの冒険が始まったのだった……。
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ウォーキングを開始してから約三十分が経過した。
今、私たちは公園にある大きな池の畔にあるベンチに座って休憩している。
まぁ、そんなに疲れてはいないんだけど、眺めがいいからゆっくりしていくことにしたのだ。
静かな夜に池を見てるのってなんか味わい深いよね。しかも今は隣に竜胆さんが居るし……凄く素敵な時間だ。
「ここ、良い場所だね」
「自然を感じられて落ち着くわね」
うんうん。やっぱり自然って素晴らしいよね。人の心を豊かにしてくれる。
「小森さん、今日はありがとう。とても楽しかったわ」
そして竜胆さんもいつも私の心を豊かにしてくれる。ぽわぽわした気分になるよ……。浄化されてるみたいだ。
「こちらこそありがとうだよ、私もすっごく楽しかった! またうちに遊びに来てね!」
「もちろんよ。よろしくね」
竜胆さんの笑顔はまだまだ慣れず、未だにドキドキしてしまう。
帰り道、鼓動が高まったままなのはウォーキングのせいなのか、竜胆さんへの想いが原因なのか……。
うん、きっと後者が正解だね。疑う余地は無い。
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