34話 我が家に女神が降臨した【歓迎編】
六月最初の週、その土曜日のこと。
今日の天気は雨模様。しかし、それに反して私の心は晴れ渡っていた。
午後二時頃、メッセージが届いて携帯が鳴る。
確認すると、メッセージの差出人は竜胆さんだった。
『もう行っても大丈夫かしら?』
そう、本日は竜胆さんが我が家に訪れるのだ!
昨日の下校時に遊ぶ約束をしておいたのである。
私は逸る気持ちを抑え、正座と深呼吸の合わせ技を使った。一旦落ち着かないとね。
すぅー……はぁー。すぅー……はぁー。
……よし、精神の落ち着きを手に入れたぞ。
冷静になれたので、返信をしよう。
『いつでもどうぞ! 三光年前から準備は出来てるよ!』
あれ、まだ冷静になりきれてなかったみたい……?
……まぁ何はともあれ、竜胆さんが来る前に最終チェックを行ってしまおう。
掃除よし、身嗜みよし、飲み物よし、お菓子よし……うん、完璧だ。
チェックを終え、最後の仕上げに芳香スプレーをぷしゅーっとしたところでインターホンが鳴った。
きっと竜胆さんだ……!
「はーい!」
返事をしながら急いで玄関に向かい、ドアをガチャっと開けると、そこには我が愛しの女神、竜胆さんがいた。
今日は休日。なので勿論、竜胆さんは制服ではなく私服で身を包んでいる。
竜胆さんの私服は、少しだけフリルの入った五分袖の白シャツに黒のロングスカートというシンプルな組み合わせだった。しかし、それが最適解だと思う程に、竜胆さんの美しさをさらに引き出している。
制服姿よりもずっと大人っぽく感じる。好き……。
「こんにちは、小森さん」
「あ、うん。こんにちは! どうぞ入って入って」
手を家の中に向けながら入室を促す。
「えぇ、お邪魔します」
竜胆さんが我が家に……これはもう結婚したと言っても過言ではないな(凄まじく過言)
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さて、それではさっそく私の部屋へと案内する。
このマンションは3LDK。うちの家族は母、妹、私の三人家族なので、私の部屋、妹の部屋、そして居間という部屋割りだ。居間は母の部屋と兼用されている。
というか今気づいたけど竜胆さんって3LDKで一人暮らししてるのか……どんなお部屋なのだろうか、気になってきた。
……よし、今度遊ぶ時は竜胆さんのお部屋で遊ぶことを提案してみよう!
そんな事を考えながら竜胆さんを自室へと通す。
「適当に座って〜」
そう言うと、竜胆さんはベッドの横の床に腰を下ろした。
ビーズクッションもあるけど……そうだよね、ビーズクッションって人の部屋に来た時、何となく座りにくいよね。一人用だし。
「竜胆さん、何飲む? 紅茶か珈琲か、オレンジジュースか」
一応聞いたが、竜胆さんは恐らく紅茶を選ぶだろう。そう思って事前に少しお高い茶葉を用意しておいた。これぞ、華奈流 お・も・て・な・し !
「じゃあ紅茶でお願い。よろしくね」
やっぱりね。私って天才すぎ?
「うん! じゃあ少し待っててね」
自分の部屋を出て、沸かしておいたお湯をティーポットに入れ、紅茶の茶葉を浸してから蓋を閉めて蒸らす。
そしてマグカップを二つと角砂糖が入った瓶を乗せたお盆を持って自室へと戻った。
「お待たせ、竜胆さん」
「ありがとう」
持ってきたお盆をテーブルに置いて竜胆さんの近くに座る。
さて、では『あれ』を始めるか……!
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