表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/52

21話 試験勉強と糖分と、幸せそうな竜胆さん


 試験三日前の放課後。

 私と竜胆さんは、入学式の日にも訪れたファミレスで勉強会を開催していた。

 ワークノートなどの提出物は既に終わらせたので、まだ理解しきれていない内容をひたすらに復習している。

 暗記科目の社会や英語(英単語)などは家でやれば良いので、今は数学を勉強しているところだ。

 数学、基礎はほぼ完璧なんだけど応用が少し心配なんだよね〜。

 でも、応用問題を多めに出題するって言ってたし頑張らないと……!


 黙々と問題を解いていると、全然分からない計算課題で詰まった。なんか、xとかyとかzとかの文字が多すぎて混乱してしまう。何これ、意味分からん。


「分からない所があるの?」


 私がうんうん(うな)っていると、竜胆さんが声をかけてきた。

 ああ、女神さま、迷える子羊()をお導き下さい……。


「うん、この問題がちょっと分からなくて……」


「あぁ、これね。最初に式を簡単に直してから解くと分かりやすいわよ。各文字を計算式で表す感じね」


「なるほど?」


 あまりピンと来なかったが、取り敢えず教えて貰った通りにやってみる。


「こんな感じ?」


「そうそう。それから文字の部分にその計算式をそれぞれ代入して……」


「ふむふむ」


 代入して計算……。


「あ、解けたかも! これで合ってる?」


「えぇ、合ってるわ」


「凄い! ありがとう竜胆さん!」


「ふふ、どういたしまして」


「めちゃくちゃ分かり易かったよ!」


「それなら良かったわ」


 そう言いながら、竜胆さんは微笑みを浮かべている。まじ可愛い。

 でも、教えて貰った上に微笑みまで頂いちゃって良いんですか? 明らかに貰い過ぎ案件ですけど…。



 それにしても、勉強してたらお腹空いてきた。

 そろそろ少し疲れてきたし、お茶にしようかな?

 そう思ってメニュー表を手に取りながら聞いてみる。


「そろそろ一旦休憩しようかな。私なんか甘いもの頼むけど、竜胆さんはどうする?」 


「そうね……私も適当に頼もうかしら」



━━━━━━━━━━━━━━━



 という訳で糖分摂取のお時間である。

 注文したイタリアンプリンが二つ、テーブルに置かれた。私の分と、竜胆さんの分だ。


「美味しそ〜!」


 お月様のように輝くような卵色で、とても濃厚そうである。カラメルも綺麗な琥珀色をしていて、まるで宝石のようだ。


「じゃあ早速、いただきまーす」


「いただきます」


 ひとくち分、煌めくそれをスプーンで掬って口の中へと運ぶ。口に入れた途端にしっとりとした感覚を舌が受け取った。そして、疲れ果てた脳に染み渡る膨大な甘味を感じる。

 普通のプリンと比べて少し固めで、溶けづらいのでゆっくりと口内を蹂躙してゆく。


「「美味しい……!」」


 思わずハモってしまった。

 いや、これまじで美味しい……。無限に食べられる!

 チラッと竜胆さんの方を見ると、幸せそうな顔で味わってた。可愛い(語彙力)

 その尊顔を、しっかりと脳内カメラで撮影しておく。お気に入り登録して竜胆さんフォルダに追加しよう。


 私はそんな事を考えながらイタリアンプリンを食べ続けた。

 糖分を摂取したからか、竜胆さんの幸せそうなお顔を見たからか分からないが、この後の勉強はとても捗った。


良かったら、下の☆☆☆☆☆から評価お願いします。

また、ブックマーク等も頂けたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ