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19話 プチプラコスメ


(スマホで動画でも見てようかな……)


 数学の自習プリントを終わらせ、残りの授業時間が暇になってしまった私はそんな事を考えていた。

 数学のプリントを解いて疲れてしまったので気分転換したいのだ。

 ……まぁ勉強をしたくないだけなのだが。

 しかし、勉強から逃げるのは学生の特性の一つである。私にもその傾向があってしかるべきなのだ。

 ちなみに、竜胆さんはお隣で難しそうな本を読んでいる。とても集中している様子なので、邪魔しないようにしなければ! 


 動画再生アプリを開くと、ホーム画面には再生履歴の傾向から判断したオススメ動画が表示される。

 私の場合は、美容・メイク系にミュージック系、バラエティ系にアニマル系などの動画がオススメされている。

 その中から気になったコスメの紹介動画をセレクトした。字幕付きで音声無しでも問題ないやつだ。

 この人はめちゃくちゃメイクが上手いから、コスメの評価も信頼出来る。

 大変お世話になっております……!


 いつも通り、賑やかなオープニング映像から動画がスタートする。

 どうやら今回は『プチプラアイシャドウの新作を使ってみた。』という動画みたいだ。

 プチプラのコスメって魅力的なの多いんだよね。値段も安めだし、ついつい揃えてしまうので、気づいたら直ぐに置き場が無くなっている。

 でも捨てられないんだよな〜。全部可愛いんだもん。

 今回の新作もとっても素敵だ。赤系統のリッチな色味で、大人っぽく、デパコス並のクオリティである。

 う~ん、うんうん……買いかな!


 そんな事を考えながら動画を見ていると、気になったらしい竜胆さんが本を読む手を止めて、声をかけてきた。


「何を見ているの?」


「新商品のアイシャドウを使ったメイク動画だよ〜」


 そう言って、竜胆さんにスマホを渡す。


「見てみて、このアイシャドウ可愛くない?」


 そう聞いてみるが、思ったよりも反応が良くない。え、可愛くないかな?


「……私、メイクした事ないから分からないわ」


 な、なんだって……!?


「化粧水と乳液は使っているけれど」


「それだけ!?」


 ナチュラルメイクくらいはしてると思ってた!

 何もせず、素っぴんでこんなに美人なのか……まぁ確かに、元の素材が神だと化粧など逆にノイズになるのかもしれない。


「でも少し興味はあるわ。良かった色々と教えてくれる?」


「もちろん良いよ!」


 もう手取り足取り教えちゃうよ!


「てか、余ってるコスメあげるよ〜。家にいっぱいあるけど置き場所が無いし、正直邪魔なんだよね」


「そうなの? ……ならお言葉に甘えさせて貰おうかしら」


 我ながら素晴らしいアイデアである。


「じゃあ今度うち来てね!」


「えぇ、お邪魔させていただくわね」


 はい、お家デート決まり〜! GG(グッドゲーム)


「あら、そろそろ授業が終わる時間ね。小森さんは席に戻っておいた方がいいんじゃない?」


 時間を確認すると、授業終了時刻の五分前だった。

 動画を見る前はまだ三十分近くも残っていたのに、一瞬で過ぎ去ってしまったようだ。


「分かった。じゃあ自分の席に戻るね!」


 そう言って、私は竜胆さんと別れた。寂しい。

 まぁ、授業が終わったら一緒にお昼を食べるんだけどね。


 自分の席に着いた私は、お家デートのことを考えて胸躍らせていた。凄く楽しみである。

 ……でも、竜胆さんを呼ぶ前に部屋を片付けないと。


(……厳しいミッションになりそうだ)


 荷物が散らかった自室の様子を思い浮かべ、私はそう推測した。


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