18話 数学の自習時間
「今日の授業は担当の先生がお休みのため、プリントで自習をして貰います。他の人と協力しても良いのでしっかりと終わらせるようにして下さい。授業終了後に提出があります」
四限の始めのこと。
初めて見る先生からそう告げられ、プリントが配られた。見た感じ、前回の授業でやった指数法則の内容みたいだ。
「それでは、授業終わりにまた来ますので出来るだけ静かにお願いします」
そう言うと先生は去っていった。
先生の目という束縛から放たれた私は、早速竜胆さんの席へと歩み寄る。
ちなみに、竜胆さんの席は廊下側から二列目の最前列で、私の席は窓側から三列目の最後列である。
正反対だが……まぁテスト後に席替えをするって話だし、もう少しの辛抱である。
「竜胆さん、一緒にやろ〜?」
プリントとペンを持って、竜胆さんを誘う。
「席って移動して良いのかしら……」
「他の人と協力しても良いって言ってたし、大丈夫でしょ!」
「それもそうね。では二人でやりましょうか」
「うん!」
了承が得られたので、教卓と一緒に置いてある椅子を持ってきて竜胆さんの隣へと座る。
「じゃあ、取り敢えずプリントやっちゃおうか!」
「そうね、分からない箇所があったらお互いに質問する形式で進めましょう」
「はーい!」
プリントに手を付けてからは集中して問題を解いていく。
かりかりかり……
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二十分後。
「終わった〜!」
「こっちも丁度終わったところよ」
特に苦戦する問題もなく、全問解き終わってしまった。
「特に相談とかしなかったね……」
「簡単な問題しか無かったものね」
まだ入学からそんなに経ってないしね。基礎中の基礎って感じの内容だったので、全然余裕である。
「答え合わせだけしましょうか」
「そうだね〜」
こんな簡単な問題で間違ってるところなんて無いと思うけどね。一応の確認だ。
それにしても、集中してたから疲れたな〜。
てか、お腹空いたと思ったらもう四限か……。この授業終わったらお昼じゃん!
今日のお昼は、竜胆さんと彩り野菜カレーを食しに行くのだ。あぁ、授業終了のチャイムが待ち遠しい……。
「小森さん、ここ誤ってるわ」
「え!? どこ?」
完全に気を抜いて、お昼のことを考えていた……。
どうやら間違いがあったみたいだ。自信あったのに。
……ま、まぁ誰にでも失敗はあるよね、うんうん!
「多分計算ミスね。式は合ってるもの」
「計算ミス了解、ありがとう!」
「えぇ。そこ以外は私と同じ解答だったわ」
竜胆さんと同じなら正解と同義だ。安心である。
私は、ミスってた部分をぱぱっと直した。
スマホを見ると、まだ授業が終わるまで三十分近くもある。
手持ち無沙汰になってしまった。
うーん、何しよっかなー。
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