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15話 能ある鷹なので爪を隠してみた

 身体計測の翌日の朝。


「おはよー」


「えぇ、おはよう小森さん」


 本日も竜胆さんと一緒に登校する。


「今日から普通に授業あるね〜」


 そう、今日から通常授業が始まる。めんどくさいが、まぁ初回なので授業説明とか中学の学習内容を軽くおさらいするとかだろう。


「竜胆さんって、文系と理系どっち?」


「どちらも殆ど変わらないけれど、強いて言えば文系ね」


 なるほど、文系か。凄くイメージ通りである。私の想像の中の竜胆さんは、夜、椅子に座って(くつろ)ぎながら小説を読んでいる文学少女だ。


「小森さんは?」


「私も同じような感じかな。どちらかと言えば文系」


 理系も苦手という訳では無い。むしろ、解けなかった問題を理解したら、まるでパズルを完成させたかのような達成感を得られるので結構好きだ。

 それに理系女子(通称リケジョ)って格好良いし憧れちゃうよね!


「そう言えば、この学校に通っているということは小森さんも頭良いのよね。……少し意外だわ」


「うん? ……え? 私、今バカにされてる?」


「いいえ、全然。馬鹿にした訳では無いわ。感想を口にしただけで」


 竜胆さんはそう言っているが、顔には悪戯(いたずら)っぽい笑みが浮かんでいる。どうやら、案外お茶目な部分もあるらしい。

 いやいや、まじでこういうのはやめて欲しい。普段の真面目でクールなイメージとのギャップで軽く死ぬんだが? 危ないから私以外には禁止の方針で。


「まぁよく言われるんだけどね。でも、ちゃんと頭良いんだよ〜!」


 そもそも見た目とは違って、私は勉強が好きな人間なのだ。外見で損をするタイプなのである。

 優等生の私は、果たして高校の授業はどんな感じなのかと、今から心が弾みまくっている。何なら、昨夜は今日の初授業が楽しみ過ぎて眠れなかったくらいである(それは嘘)


 そんな雑談をしていると、もう学校が見えてきた。


(よっしゃー、勉強頑張るぞ!)


 私は気合いを入れ直して、教室へと向かった。


 聡明(そうめい)な私の実力を皆に見せつけてやる!!!



━━━━━━━━━━━━━━━



「Zzzzz……」


「小森さん、起きて。もう休み時間よ」


「んむ? 竜胆さん……?」


 スマホで時間を確認する。どうやら、一限が終わったところらしい。


「あれ? 私、もしかして寝てた……?」


「もしかしなくても完全に寝ていたわ」


 や、やってしまった……。

 勉強は好きだけど授業中は眠くなってしまうのだ。

 ……まぁ、授業中に寝るのは私の習性なのでしょうがないだろう(反省の色なし)

 能ある鷹は爪を隠すって言うしね。後々、私の賢さに気づいて、みんな驚愕するのだ。

「え!? いつも寝ているのにこんなに頭良いの……?」ってな感じでね。

 そんな妄想をしていると、竜胆さんが家庭科の教科書を見せてくる。


「次の授業は移動教室よ。家庭科室で行うみたい」


「そうなの!? 教室に取り残されて悲しい事になるところだった……。起こしてくれて助かりました、ありがとう!」


 私は急いで教科書とノート、筆記用具を準備する。


「おまたせ! これで全部だよね!?」


 そういって手に持った物を見せる。


「えぇ、それで大丈夫よ。では行きましょうか」


「はーい!」


 それにしても授業中に寝てしまうとは。今更ながらに(かえり)みて、少し自責の念を覚える。


 いや〜、昨夜あんまり寝れなかったことが響いたな。……遠足前の小学生みたいだ、私。


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