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落下物にはご注意を

前話で「クレーン車から滑り落ちる鉄板」を選んだ方は、こちらのお話から。


「突っ込んでくるダンプカー」を選んだ方は、「交通事故にはご注意を」に戻ってください。


では、どうぞ。

「あ、危ない!」


 視界のはしにクレーン車の先にのせられた鉄板がずれ落ちてくるのが見えて、慌てて上坂さんの服を引っ張る。


 転がるようにして二人で倒れこんだ。

 さっきまで上坂さんのいたところに鉄板が落ちてきてものすごい音を立てた。


「ギリギリセーフ……」


 ふぅ、と一息つこうとしたができなかった。


 今度は、ブレーキ音がしたとおもったら、何かの衝突音がした。


 慌てて振りかえると、横断歩道の所で事故がおこっていた。


 さっきまで元気そうだった女の子は、撥ね飛ばされることはなく、ダンプカーの前部分に左足が捲き込まれて、まるでマネキンがぐにゃぐにゃとなっているような変な格好になっていた。


「そ、そんな」


 小さな声で花平さんが呟く。


 そばにいた人たちが悲鳴をあげたり、救急車を呼べ!などと騒ぎだす。


 慌てて駆け寄ろうとするがあまりの出来事にその場から動く事ができなかった。


 鉄板の下では、ひしゃげたヒトガタが挟まっていた。



 警察や救急車が来るまで、ここにいると言い張る花平さんを引きずるようにして、俺たちはその場から離れた。


 薄情とか悪魔かとかいろいろ言われるかも知れないが、このまま行けば絶対次の事件が起こるのだ。


 その前に何とかしないと。

 俺まで被害がでてしまう前に。



「ただいま!!」


 玄関から転がるようにして家に入り、リビングに駆け込む。


「水澄!」

「なんだ、騒がしいな」

「それどころじゃないんだって!!」


 とにかく今あった出来事を説明する。

 つれてきた二人は、下を向いてずっと黙っていた。


「と、いうわけで、マジでやばいと思う!」

「だろうな」

「だろうなって……」


 いつものごとく冷静に返され、思考が停止する。


「最初に足探せって言われて、探さないから」

「え?」


 今まで下を向いていた二人も顔を上げて、水澄をまじまじとみていた。


 確かに。

 探せって言われたんだっけ?


「いやいや、そうにしたって襲われるのが早すぎん?もうちょい猶予とかないの?」

「そりゃ、怪異にも個人差とか個性とかがあるだろ」


 まさかの個性!


「個性は、大事にした方がいいとは思うけど、さすがに性格が」


 悪くない?と言おうとしたが、ここで、「悪口言ったからターゲットかえるね」とか言われたら嫌なので口を閉じる。


「じゃ、じゃあ、何とか出来るんですね?」


 上坂さんが身を乗り出すようにして、水澄に尋ねる。


「その公衆電話のある場所までいくぞ」


 その一声で四人で始まりの場所まで行くこととなった。


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