次の電話
「また、電話……」
ゴクリと唾を飲み込んで、着信を告げるスマホを見つめる。
早くでないと切れちゃう!
しかし、俺が行動するより先に、水澄が通話ボタンをおし、スピーカーモードに切り替えた。
なるほど。スピーカーモードならば、この場の全員が同じものを聞くことができるな!
……え、ちょっと待って。別に自ら怖い思いをしに行かなくてもよくない?
気づいた時にはもう遅かった。
今度は、ノイズのなかで誰かが話している。
「み…て…さ………て……お……い……ひ……し……」
ずっと同じ言葉を繰り返していて、よくよく聞いてみると、
「み ぎ て を さ が し て お ね が い」
だった。
一文字ずつ区切って聞けば、直ぐに解決!
あと、「ひとり さみしい」も言っているのかな?
雑音がひどくてなかなか聞き取れないが、前回のパターンからするとそうなるだろうと結論付けた。
「次は右手だってさ」
軽い感じで水澄が告げる。
「どうする?」
「と、とにかく、明日もう一人の子を連れてきます!」
「……それまでのお守り的なものありませんか?」
そりゃ、渦中の人からすれば不安だよな。
ここはひとつ、同級生のよしみで口添えしてあげよう。
「水澄、なんかないの?」
「うーん。そうだなぁ……」
「あっ!ほら!縁切り神社のとき、キーホルダーを身代わりにしてたじゃん!あれは?」
「あー、あれな……あいつは、はじめからそれで撃退できるものだったからな。今回のものにも使えるかどうかはわからんぞ」
「それでも何もないよりは……」
頭をバリバリっと掻いて、仕方がなさそうに立ち上がると、部屋のすみにある小さなテーブルの引き出しからなにかを取り出した。
「ほい」
二人に渡したのは、小さな紙切れだった。
その紙切れは、人の形に切り抜いてあった。
「?」
「ヒトガタ。とりあえず、それ持っとけ」
「あ、ありがとうございます」
二人に紙を渡すと、水澄は「調べといてやる」と二人を家に帰した。
二人が帰ったあと、水澄は誰かに電話をしていた。
どうやら、今回の件について尋ねているみたいだった。
それを横目に見ながら、なんとかなりますように、と祈るばかりだった。




