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タッチの差

前話「着信音あり」で、「電話に出るようう促す」を選んだ方はこちらの話へどうぞ。



それ以外の選択肢を選んだ方は、「タッチの差」を飛ばして前話「着信音あり」の後書きにて指定されたタイトルの話に進んでください。



では、どうぞ。

 ピリリリリリリリ……


 けたたましくなる着信音にハッと我にかえり、二人に声をかける。


「は、早くでないと」


 切れちゃう、と言おうとしたが、その言葉を告げるより早く着信音は途切れてしまった。


「あっ」


 全員で沈黙したスマホを見つめる。


 切れちゃった。

 大丈夫なのだろうか。出れなかったことでなにか道を間違えた感がなきにしもあらずである。


 上坂さんが恐る恐るスマホを手に取り、着歴を確認する。


「公衆電話からだ」

「私も」


 二人がスマホを見つめたまま答える。


 しばらく沈黙が流れた。


「水澄。どうすんの?」

「そうだなぁ。とりあえず次電話かかってきたらお前が出ろ」

「なんでそうなるのさ!!」

「それより、他の二人にも着信はあったのか?」

「あっ!」


 水澄に言われて気がついた二人は、Lime(ライム)のアプリを開いてメッセージを打ち込んでいく。


 打つのはや!あれって、なんだっけ?フリック入力ってやつだ。


 なんて思っていると、花平さんが画面を見ながら口を開く。


「既読が1個つきました……あ、なみちゃんだ。やっぱり電話がかかってきたみたいです!」

「なみちゃんってのは?」

「ホラー好きの子です」

「もう一人の子は?」

「まだ、既読がつかない……授業中かな?」

「どうだろ?」


 しばらく待ってみようか。情報がほしいよね?なんて話していると、また電話がかかってきた。


 ビクン、と肩がはねあがる。


 着信を告げたのは、上坂さんのスマホだった。

 画面上には、「ふぅちゃん」て表示されている。


「もう一人の子です。もしもし?」


 話ながら流れるように電話に出る上坂さん。

 しかし、だんだんと顔色が悪くなっていく。


「はい、はい。え?いえ……はい…はい。わかりました。失礼します」

「ふぅちゃんなんて?」

「…んだって」

「なに?」

「死んじゃったって……今朝…電車に退かれて。バラバラだって。警察が」

「「えっ」」


 電車にひかれてバラバラ……ちょっと想像してしまって、気分が悪くなる。


 しん、と静まり返った空気を切り裂くように、また着信音が鳴り響いた。

「ただいま電話に出ることが出来ません」

「俺に任せろ」

を飛ばして次の話へ進んでください。

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