私がやってみます
前話で「小鳥遊」を選んだ方は、こちらのお話から。
「伊織」を選んだ方は、一話前に戻ってください。
では、どうぞ。
「もう!意気地無し!!わたしがやるわ。どきなさい!!」
小鳥遊さんは俺を押し退けて、勢いに任せてレバーをひく。
その後、一拍遅れて大きな音がする。
ガコン、となにかが外れる音と何かが地面に落ちる音。
そして、床が揺れた。
全員で顔を見合わせ、音のした方へ急いで移動する。
「ここから音がしたわよね!」
目の前に現れた扉をあわてて開ける。
部屋には、大きなギロチンが床にめり込んでいた。
俺たちが入ると同時に奥の扉から水澄も登場した。
そして……
「せん、せ……?」
小鳥遊さんの呟きにギロチンの下に目を凝らす。
そこには仰向けに倒れて、真っ二つになった先生がいた。
「ぃやぁぁぁぁああぁあーーー」
半狂乱になる小鳥遊さんを花田さんが羽交い締めにして押し止めた。
その後半狂乱の小鳥遊さんを引きずって屋敷からでた。
外で待機していた香水さんにあとをまかせ、そのまま解散をした。
小鳥遊さんは、ずっと先生の名前を叫び続けながら泣いていた。
その後、あの屋敷が、先生が、どうなったのかを水澄は教えてくれなかった。
俺から聞くこともできなかった。
だって、レバーをひいていたのは俺だったかもしれないから。
それから数日後。
香水さんから水澄に連絡が入った。
水澄が通話が終わり、スマホを持った手をおろしたタイミングで話しかける。
「どうしたの?」
「あの小娘がいなくなったらしい」
「どの小娘だよ!」
「あの時、ぴーちくぱーちくうるさい小娘がいただろう?」
「小鳥遊さんのこと?」
「それだ」
「で?どうして?」
「あのあと、だいぶ情緒不安定だったらしい。目を離さないようにしていたが、いなくなったそうだ。で、こっちに来てないかって」
それはヤバくない?
探すのを手伝った方がよくないか?
「でも、心当たりがないよなぁ」
「あの小娘は、“先生”を盲信してただろ」
「うん」
ということは
「あの屋敷?」
思い当たることは、そこしかなかった。
急いであの屋敷へ向かう。
なんだか嫌な予感しかしない。
あれだけ先生を慕っていて、取り乱して監視までされていたのなら、悪い想像しか湧いてこない。
屋敷につくと、花田さんがいた。
「花田さん!!小鳥遊さんは?」
「わからない。俺もいま着いたところだ」
花田さんと一緒に事件のあった部屋まで三人で走る。
例の部屋の扉は開け放たれていた。
「小鳥遊さん!います?」
花田さんが大声で呼び掛けながら部屋に飛び込む。
続いて飛び込んだ俺の目の前には、あの日と同じ光景が広がっていた。
「ぅぇっ」
さすがに2連続はキツい。
嘔吐く俺とは違い冷静な水澄が床に落ちていたメッセージカードを拾い上げる。
「 先生が呼んでる 私を置いて行かないで 今 会いに行きます 」
読み上げられたメッセージは、支離滅裂で理解してあげられなかったけれど、小鳥遊さんは満足そうな顔で横たわっていた。
HAPPY END 「私の人生は貴女と共に」




