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一人はさみしい

 斯々然々(かくかくしかじか)


「なるほど!はぐれた感じですね!」

「なんで若干嬉しそうなんです?」

「だって、はぐれて一人とかさみしいじゃないですか!絶対やですよ。よかったー。俺、一人の方じゃなくて」

「そうでした!!早く先生をお迎えにいかなくては」

「……ちょっと」


 静かに俺たちの話を聞いていた花田さんが入りずらそうに割って入ってくる。


「なんでしょう?」

「……ちょっと録画をみてみませんか?」

「なんでです?」

「あっ!ここまで来てなにも映ってなければ、望み薄で撤退。映っていればそれはそれでオッケーってことですね!」


 なんとナイスな発案!

 これなら、なんとか早めに帰れそうだ。


 ここで?とか、この格好のままあえて?とか突っ込みどころがたくさんあったが、早く帰れるかもしれないと言う点に軍配があがる。


「えー……まぁ、取り敢えずみてみます?」


 渋々だが小鳥遊さんも同意してくれたので、3人で小さなモニターを覗き込んだ。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


『そんなことより、早く入りましょう!!』


 画面なのなかで小鳥遊さんがせっつき、全員でぞろぞろと玄関に入る。



『これってくつ脱いだ方がいいのかしら?』

『靴でいいだろ』

『ホントに大丈夫?あとで怒られない?』

『そう思うなら脱げば?』

『うー』


 記憶に新しい会話をしながら、録画は進んでいく。

 今のところは特になにも映ってないなーなんてのんきに考えていたそのときだった。


『……すみません。お邪魔しまーす』

『かこしえっねれち』


 俺のせりふのあとにノイズのようなものが入っていた。


「え、ちょっと戻してください!」

「今の、なに?」

「あの時、誰も話してなかったですよね?」


 花田さんが巻き戻しして、もう一度同じ場面が流れる。

 音量も先程よりもあげる。



 玄関から入って、靴の話。

 それから。


『……すみません。お邪魔しまーす』

『かこしえっねれち』



「なんて?」


 花田さんが素早く一時停止してくれる。


「なんか言ってますよね!これやばいやつですよ!」

「あんたの言葉に返事されてるでしょ?呪われるならあんただわ」

「そんなこと言わないで~」


 ワチャワチャと話しているとすっと冷静な花田さんが一言。


「……複数人、いますね」

「え?」

「声の感じが違います」


 言われて、返事をもう一度よくよく聞いてみる。


「しね」

「かえれ」

「こっち」


 同時に三人の人がしゃべってる……

 まじか……


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