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理科室

前回「やられる前に逃げる」で、「理科室」を選んだ方はこちらの話へどうぞ。



それ以外の選択肢を選んだ方は、「理科室」を飛ばして前話「やられる前に逃げる」の後書きにて指定されたタイトルの話に進んでください。



では、どうぞ。

 とにかく、無我夢中で教室を飛び出して、近くにいる人の腕をつかんで走る。


 どこをどう走ったかがわからないぐらい必死に走っていると、急に一緒に走っていた人から声をかけられる。


「そこの教室に入るぞ!」


 指示の通りに近くの教室に飛び込む。


 バン、と勢いよく扉を閉めて、その場にへたりこみ、息を整える。


「はぁ、はぁ、はぁ」


 荒く息をしながら周りを見渡せば、人体模型やいくつもの作業台が並んでいた。


 どうやらここは理科室のようだった。


「理科室だな」


 冷静な呟きを聞いてそちらを向けば、どうやら一緒に逃げ込んだのは、水澄だった。


「早速、役にたちそうなもんを探すぞ」

「あるかな?そんな都合よく……」

「塩ぐらいあるだろ」

「理科室に?」

「小学生なら実験に塩を使うだろ?」


 それもそうかと手分けして棚や作業台を調べる。


 正面の棚を調べることにした俺は、業務用のような茶色い袋に入った塩を見つけた。


「塩発見!大量にあるぞ」


 よっこいしょと持ち上げて、テーブルに塩をあげたところに水澄が戻ってきた。


「どう?こっちは塩が手に入ったぞ」

「アルコールランプとマッチならあった」


 よく見る形のアルコールランプを二つとこちらも業務用のでかい箱マッチを机にだす。


「よし、まずは塩水をつくろう」


 掃除用のバケツがあったのでそれに塩を流しこむ。


 次にバケツに水を張って、水澄がどこからか持ってきた温度計でかき混ぜる。


「出来た!」


 それと同時に扉が開き、ぬいぐるみが登場した。


「ダめだヨ。かクれんボ、みツかっテから、にゲルなんて」


 ぬいぐるみは、激おこだった。


「うぉい!!ここにはあの二人はいないよ!!」


 どうにか気をそらそうとするがうまく行かない。


「どっちデもいイ。つかマえル」


 ぬいぐるみがこちらに向かってダッシュしてきた。


 え、これ。俺がねらわれてんじゃん。


 慌て俺は逃げる。


「アハハハハハハハハハハ。にゲチゃダめだっテば!きゃははハハハハハハハハ!」


 ぬいぐるみは、楽しそうに奇声をあげながら追いかける。


 俺は、作業台をうまく使いながらチェイスする。


「伊織!こっちだ!!」


 水澄に指示を出され、すかさず反応する。


 俺は水澄に向かって走り、横を通りすぎたタイミングで、水澄がバケツの塩水をぶちまける。


「イやあああアアアア!!!!」


 断末魔の叫びと共にしゅぅぅぅ、と煙をあげるぬいぐるみ。


 床には塩水の水溜まりの真ん中に手のひらサイズのぬいぐるみが転がっていた。


 ひょい、とぬいぐるみを取り上げた水澄は、何を思ったのか、ぎゅっと握り混み流しにぽいっと投げる。


「なにしてんの?」

「燃やすんだよ。なんかの拍子に復活されても困るからな。ようはお焚き上げだ」


 宣言通り、水澄はマッチに火をつけてぬいぐるみに向かって投げる。

 もちろん、アルコールランプの中身をかけたあとに。


 きれいな炎の中でもう一度、ぬいぐるみが叫ぶ声が聞こえたような気がした。


 そのあとは、他のメンバーを呼んで、ばれる前に後片付けをしてトンズラした。


 こんなデンジャラスなかくれんぼは二度とごめんである。



 HAPPY END 「お焚き上げは効果抜群」

「職員室」を飛ばして、次の話に進んでください。


活動報告にて、章管理とエンディングについて書いてありますので、確認をお願いします。

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