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だぁれが みつかった? #1

「どんなに上手に隠れても」の続きになります。

 真宙くんの指差した窓を見上げると、チラリと誰かが追いかけている様な影が見えたような気がする。


「ちっ、行くぞっ」


 水澄の舌打ちと共に俺たちは校舎に向かって走り出した。

 走っていくあっくんの様子が普通ではなかったというのと、追いかけているものがナニかはわからないが、どっちにしても急いだ方がいいだろう。


 校舎につき、玄関でもたもたと靴をぬいでくつ下で校舎に入る。


「こっちです!!」


 真宙くんが一番に飛び出す。

 真宙くんの案内で外から見えた階段をかけ上る。

 どうやら、一階は一年生、二階は二年生、三階は三年生、四階は六年生の教室があるようだ。

 あと、職員室、保健室は一階、図書室は二階みたいに各階に特別教室があるみたいだった。

 四年生、五年生の教室は、渡り廊下で繋がれた隣の棟にあるようだ。


 よ、四階までノンストップで駆け上がるとか、どこぞの部活動なんだよ……

 インドア派の帰宅部にはなかなかキツイ運動量なのでは?


 途中足がもつれて階段落ちを披露するんじゃないかと思いながらもなんとか四階までたどり着いた。


「ぜぇ、はぁ、つ、ついた……」

「お前は、おじいちゃんか」

「は、はえーよ。なんで2人はそんなに余裕な顔してんだよ」


 真宙くんはわかる。

 最近の子どもとか言ったけど、やはり、子どもは子ども。

 日頃の運動不足なんぞ無いようで、息がちょっときれる程度で特に疲労は感じられない。


 おかしいのはこの2人だ。

 なんで俺よりも歳上で普段運動していませんって雰囲気を醸し出しているのに、息きれてないし、余裕なんだ?

 あれか?内緒でジムに通ってるとか?

 インナーマッスル鍛えてますとか、細マッチョってやつか?


 涼しい顔に悪態をつきながら、ぜぇはぁと肩で息をしているとどこかの部屋から、ガタンと物音が聞こえてきた。


「あ、あっくん?!」


 廊下からどこかにいるであろうあっくんにむかって真宙くんが呼び掛ける。


「……」


 耳を澄ませるが、シン、と物音一つしない。


「教室を一つずつ確認してみる?」

「とりあえず、それしかないだろ」


 奏さんの意見に水澄が同意する。

 手近な教室の扉に水澄が手を掛ける。

 扉は、木製の引き戸で上半分に縦に長細い磨りガラスが三枚はまっている造りだった。

 廊下側の窓は、同じように三枚の硝子がはまっているが、こちらは横向きの長方形。

 下の二枚は磨りガラス、一番上は普通の硝子になっている。

 たぶん、廊下を誰かが通っても廊下側の子どもの気が散らないような造りになっているのだろう。

 一番上が磨りガラスでないのは、明かり取りか教師が教室内を確認しやすいようにだと思われる。


 扉の上のプレートには「6-1」とかかれている。


「開けるぞ」


 水澄の掛け声に俺は唾をごくりと飲み込んだ。

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