次の依頼は…… #3
「ふぃ~。ごちそうさまでした!」
「お粗末さまでした」
満足げに手を合わせる奏さん。
やっとのことで本題に入ることができる。
「じゃあ朝から突撃してきた説明をしてもらおうか?」
水澄が面倒臭そうに頭をかきながら聞く。
水澄の顔色など一向に気にしない奏さんは、にぱっと笑うと陽気に口を開いた。
「そうだね!えーっと事の始まりはぁ……あ、その前にこの子の紹介するね。甥っ子の佐山 真宙って言うの」
そういえば小学生の名前を聞いていなかった。
ご丁寧にペコリとお辞儀をして、自己紹介をする。
「真宙です。小学三年生です。よろしくお願いします」
「俺は伊織。こっちは水澄」
水澄が自己紹介する気がなさそうだったので、俺が纏めてやっておく。
「実は真宙に相談されたんだけど、俺には無理そうだったから、水澄に相談にきたの。真宙、説明できる?」
「……うん」
奏さんは、心配そうに真宙くんの顔を覗き込んでいる。
しかし、自分で説明をしなくてはと思っているもしくは、事前に自分で説明をすると話し合っていたようで、真宙くんは、深呼吸を一度する。
「えっと……かくれんぼってしってます?」
「かくれんぼ?かくれんぼって鬼がいて、それ以外の子が隠れて探しに行くゲームのやつのこと?見つかったら負けのやつ?」
俺の知っているかくれんぼはそれしかない。
ってか、それ以外にあるのだろうか。
「あの、それを人形でやるやつ……」
「ひとりかくれんぼのことか?」
「それみたいなものです。実は、それをやってみようって言い出した友達がいて……」
キョロキョロっと廻りを確認して、声を潜めてまるでないしょ話をするかのように真宙くんが話し始める。