徘徊する幽霊 #2
前回の「友達からの誘い」で「遊びに行かない」を選んだ方は、一話前の「徘徊する幽霊」へどうぞ。
「遊びに行く」を選んだ方は、「偽りの幽霊」に戻ってください。
では、どうぞ。
むすっとする俺を高柳さんは、無視することにしたらしい。
「で、用件は?」
「それがですね。えーっとどこから話せば?」
「簡潔に要点だけ伝えてくれりゃいい」
「幽霊がでるんです。この店」
「どんな?どこら辺って決まってんのか?時間は?見たのはお前だけか?」
「あーっと。うーん……最初から話していいですか?」
話は長くなりそうだ。
腹が減って仕方がない俺には拷問の時間が始まるのか思っていたが、意外にも高柳さんは、水澄には、烏龍茶を、俺にはオレンジジュースを出してくれた。
そして、タイミング良く俺の腹が鳴く。
「ふふっ。高校生なんて腹が減ってはんぼなとこあるよな」
腹の音を笑われてしまって、顔を赤くする俺に冷蔵庫からサンドイッチの並んだら皿を出してきてくれた。
「遠慮せず、食べてくれ。店で軽食でも出そうかと作った試作品で悪いが」
「ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えて……」
サンドイッチは、ハムときゅうり、ハムとチーズの二種類だ。
パンも白い食パン的なやつではなく、茶色のおしゃれなやつだった。
「あっ、美味しい」
「パンにもうちょいバターを塗った方がいいな」
「なるほど。参考にします」
サンドイッチを食べながら、高柳さんの話を聞く。
要約するとこうだ。
元はホストをしていた高柳さん。一番人気ではなかったものの、そこそこの人気でお金をためて、昔からの夢だった自分の店を出すことにした。
そのために色々と勉強をしたり、資格もとっていたらしい。
見た目チャラいのにしっかりしている。
その話を聞いた同じように飲食店の経営に転職した先輩がこの店舗を見つけてきてくれた。
居抜きだったこともあり、ちょっと内装をいじっただけで、開店までこぎ着けた。
開店後は、初めはホスト時代の常連客ばかりだったが、SNSを活用したり、ここら辺には居酒屋やおじさん向けのバーが多かったりしたこともあり、若い人が多く来るようになった。
軌道にのり、新メニューを開発したり、常連さんができたりと充実した日々を送っていた時だった。
続きます。




