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美貌の令嬢は素顔を隠す

作者: ひゅうが

ギャグよりの婚約破棄です!

ほぼ初心者なので機能がよく分かってないのですが頑張って書きました!もし良ければ評価お願いします!

「あら、見てエルマー子爵のところのレティシアさんよ。」


クスクスと私を笑う声が聞こえる。

ほんと貴族は嫌味なやつが多くて疲れるわ。

なぜ私が笑われているかというと、ひとつに束ねただけの淡い金髪の髪に一昔の前の眼鏡、その長い前髪でよく前が見えるねと言われる目を隠すような前髪。おまけに学園の規定通りの長いスカート。地味の一言に尽きる格好だからだ。


■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪


「あらレティまだその格好続けているの?」

「ビアンカ。久しぶり。」


声をかけてきたのは隣の領地のルイス伯爵家の令嬢ビアンカだ。


「まぁあなたの顔は隠さないと大変なことになるものね〜」


そうなのだ。なぜ私の顔を隠さなければならないのかというと私の顔はとても美しいからだ。美しい者の多い貴族の中でもダントツで美しいのだ。冗談ではなく領地以外の街を歩こうものなら人々が道をあけ、女神だとか聖女だとか聞こえるほどだ。


「ほんと、その顔何なのかしらね。そのサファイアのような瞳も高すぎない鼻も桜色の唇も。どれをとっても1級品よね〜」


「羨ましいなら顔交換しない?私学園に入ってから1度も家の外を素顔で出たことないのよ?もう呪いだとしか思えないわ。」


「見る分にはいいけれど私はなりたくないわ。」


そんなこと言うビアンカだが彼女は学園でミスコンの1位を取るほどの美貌の持ち主だ。黒髪に黒目、一見地味に聞こえる配色だが、彼女を見たあとの人はみな口を揃えて黒髪黒目こそ最高だというほどの妖艶な美しさを持っている。


「婚約者にもその顔を見せられないなんてほんと大変よね。」


そうなのだ。幼い頃1度素顔を見せたことがあるが彼は真っ赤になってしまいに倒れてしまった。それ以来婚約者にも素顔を見せられないのだ。


「そうえば彼、最近あの噂の令嬢と仲つむまじそうにしているわよ。」


「そうなの?そういえば最近手紙もなくなったわね。私の婚約破棄もいよいよかしらね〜」


「何呑気にしてるのよ。婚約破棄よ?あの令嬢かなりの令息を手玉にとって婚約破棄させてるようだけど破棄された方たちはとても肩身の狭い思いをしてるのよ。」


噂の令嬢とは学園の中でも見目麗しい令息を連れて歩いているメリル嬢のことだ。庇護欲をそそるような可愛さが良いらしくビアンカに僅差でミスコンに負けていたことを覚えている。


「私はいいのよ。この前神殿からオファーが来て、神殿にいるだけでいいから来てくれないかって」


「あなたそれ絶対その見目を利用して女神として神殿に置かれるわよ」


「まぁそれでもいいんじゃないかしら。ある意味有効活用よ。」


「ほんとは今日あなたのところに来たのは今度の学園のパーティーでメリル令嬢とあなたの婚約者のレオンハルト殿下のあなたへの断罪があるという噂を聞いてきたのよ。」


そうなのだ。なぜか子爵である私の婚約者はこの国の第2王子のレオンハルト殿下なのだ。予定では私は彼と結婚して1代のみの公爵家となる予定だがどうやらその予定は白紙になりそうだ。


「それでそのパーティーでなにか企んでるんでしょ?」


「さすがレティ。あのね…」


■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪


パーティー当日。

案の定レオンハルト殿下は迎えに来るはずもなく私は1人で会場へ向かった。

少し遅れてしまったがまぁいいだろう


会場へ入ると

「エルマー子爵令嬢のレティシア嬢!私はそなたとの婚約を破棄する!」

あぁギリギリ間に合ったかしら。王子とその隣のメリル嬢に注目が集まる中私はゆっくり彼らの方に近づいた。

彼らは私を探しているようだがなかなか見当たらないようだ。

私を見た人々が驚きの顔を見てはけていく。王子とメリル嬢の間に誰も人がいなくなったとき王子が私に気づいたようだ。


「レオンハルト殿下お呼びでしょうか?」


「…え?いや私はレティシアを探しているのだが、そ、そなたは?」


全く顔を真っ赤にして昔と変わらない人だ。だから嫌だったのに。


「何を言ってるんですか殿下?彼女は私の親友でありあなたの婚約者のレティシアですよ?」


「あらビアンカ。ごきげんよう」


「そ、そんなはずは」


「レオンハルト殿下、レティシアと婚約破棄なさるんでしょう?」


その瞬間会場がまたざわついた。

「てことは、俺らにもわんちゃんあるんじゃ…」


「「「レティシア嬢!!」」」


あぁもうこうなってしまったか。素顔を見せた途端たくさんの男が群がってくる。


「ちょ、ちょっと待て!婚約破棄などするわけがないだろう!」


「レオンハルト殿下!?わ、私をお嫁さんにするって言ってたじゃ、」


「うるさい、レティシアは私のものだ!誰にも手出しはさせん!」


会場はもう混乱の極みだった。


「だから素顔は隠していたのに」


「あはははっ楽しいわね、レティシア。見たあのメリルの顔?ざまぁみろ、私の可愛い後輩を傷つけやがって」


「ビアンカ、あなた性格悪すぎよ」


どうやら私はビアンカに利用されたようだ。まぁでも今まで婚約破棄されたご令嬢たちの為だと思えばまぁいいかな。さてこれどう収集つけるのかなー


■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪


その後、大慌てで会場に来た宰相によりその場は静まりパーティーは中止となり、婚約破棄の件は保留。そして、学園では私はなぜだか男女から羨望の眼差しを集めているようだ。


「これみて!あなたのファンクラブよ!女子の会員はメリル嬢に煮え湯を飲まされた方たちで、男子の会員は純粋にあなたの美貌にやられたんでしょうね。」


「はぁ、ほんとこれからどうしようかしら」


「ほんとあなたの美貌は凄いわね。」


「来世は普通の顔に生まれたいと心の底から思うわ」



END




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