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第06話 ♨ 学校生活の始まり、新しい友達 ♨

ブックマーク、ポイント評価してくださった方本当にありがとうございます!

さきほど、夏鈴に変な所を見られてしまったために朝食のときはぎこちない空気が漂っていた。

勇は何も言い訳ができない。



夏鈴は勇のことを警戒してしまい、勇の呼び名は『お前』に変わってしまった。

そんな出来事を起こしたという自覚がない玲奈はいつもと変わらず朝食を食べている。



ちなみに朝食は、ごはんや味噌汁、焼いた鮭という朝の定番メニューであった。

だが、味は格別。ミナが早起きをして作っただけある。



夏鈴は朝食を済ませると自分の部屋に戻ってしまった。勇はひなの、ミナ、玲奈の三人と朝食を食べている。



「勇にぃごめんね。私には自覚ないけど、また念力が暴走しちゃったみたい。」

「玲奈、お前考えたことあるか? 朝起きたら女子トイレの前で、隣には妹がくっついて寝てるという状況……」

「考えたことないよ~、あとで夏鈴さんに誤っておくから。というかそんなにのんびり食べてていいの、今日から学校なんでしょ?」



そうだった。勇は今日から学校だ。というか玲奈を除く入居者全員が学校である。

そう考えると少しだけ気持ちはへこむが、退屈だけはしなさそうだ。



「そういえば、玲奈ちゃんはどうするの? みゃー達に憑いてく?」

「いえ、私は中学生の年齢なので、中学校を見学したいです!」



それに勇にぃに迷惑をかけたくないので、と勇の方向を見る。それにミナも反応する。



「なら玲奈さん、私と一緒に中学校に行ってみますか?」

「え?いいの?あ、でも迷惑かけちゃうかも……」

「大丈夫ですよ。全く問題ありません。」



ミナは笑顔を見せると同時に朝食を終わらせ、支度をするために自分の部屋に行った。



「「ごちそうさま」」



勇、ひなのもそう言うと席をたった。


一度、部屋に戻りクローゼットの扉を開ける。

そこには、ハンガーにかかった制服。



これが神ヶ崎高校の制服だ。

これから三年間お世話になる制服。なんとなく懐かしい思いがあった。



早く学校に行きたいという思いもあったので、着替えを早く、歯磨きも丁寧に素早く終わらせた。

今日は始業式なので特に持ち物はいらない。軽いバックを肩にかけ、玄関に出る。



「あ、ちょっとまって勇! みゃーも、もう出るから一緒に行こ!」



ひなのは慌てて勇を玄関で引き留める。勇もその言葉を聞いて玄関で立ち止まる。

また玄関にはミナ、玲奈が見送りに来てくれた。夏鈴はもう出発してしまったようだ。



「行ってらっしゃい!勇にぃ、ひなのさん! 初めての高校生活楽しんできてね!」

「行ってらっしゃいませ。気を付けてくださいね。」


「行ってきます」


玲奈とミナの声を背中で聞いて、玄関を出る。すると同時に春の風が舞い込んできたような気がした。

ひなのは制服の上からフード付きのパーカーを着ていた。校則には引っかからないのだろう。



玄関を出て少し歩いても、まだ朝の独特な空気が残っていた。

それに、徐々に神ヶ崎高校の制服を着た生徒が増えてくる。旅館と学校は近いので学校の生徒に遭遇する確率は高い。



「なあ、宮日は高校生活始まるけど、困っていることとかない?」

「え? まあ、特にはないかな。しいて言えば口癖のこと。」



勇は気にしなかったが、みゃーという呼び方は大体の人は気にしてしまうと思う。ひなのと初めてあったときはちょっとだけ気にしていた。



「でも、みゃーは気にしてない。自己紹介のときに言えばいいんだし。じゃ、逆に勇は?」

「俺? 新しい友達ができるかどうか。それと女子とは仲良くしたいものだな。」



ぷっ、とひなのが吹出す。



「いやいや、もうなってんじゃん。だって神田旅館の入居者勇以外全員女子だよ。」

「ま、なんというか高校でできる友達というか…… 旅館の入居者はうーん……」



あまりうまく説明できない。とにかく勇は旅館の人とは別のという意味で言ったらしい。

それに勇の性格で友達ができないわけがないとひなのは笑っていた。



「あ、もう着いたよ。これが神ヶ崎高校。って知ってるよね受験したから。」



勇はここが高校かと感心する。中学校よりかなり広く、グラウンド、体育館、プール塔までもが広い。

グラウンドでは1年生だろうか、女子3人組が先輩のテニスの練習を見ている。

もうどの部活に入るのか決めているようであった。



学校の中は、受験の時とは違い、活気があった。指定された下駄箱に靴を入れ、新品の上履きを履く。



「勇はどの教室なのかわかってないんだよね。」

「あ、そういえばそうだった、宮日と行かなかったら今頃迷子になってたな。で、クラスどこだっけ?」


昨日、ひなのと学校の話題についてはふれたが、夏鈴の話にすぐ戻ってしまったためクラスのことなどはお互い忘れていた。



「あれ? 言ってなかったっけ。そういえば席のことしか言ってなかったね。クラスは1年B組。」



そのまま、ひなのに付いていき、教室へ入った。座席は一番後ろの一番窓側の席。ひなのはその右隣。

教室に着いたのは8時ちょっと前であったが、まだ数人しか来ていなかった。



「そういえば、赤月はどこのクラスなんだ?」

「確かA組とか言ってたような気がしたけど。」


クラスは全部で4つ。学年全員で100人くらいだそう。夏鈴もそのうちの1人だ。

そのようなことを考えると、背筋が凍るような思いがしてしまう。



「夏鈴のこと気になってるの?」



ひなのが怪しげな目で見てくる。夏鈴と仲良くしたいという思いがあるのでなんとなく意識はしてしまう。

口が無意識に反応して、気になってはいないと答える。



「そんなに気になるんだったら、みゃーと一緒に見てくる?」

「いや、そんなに気になってはない。」



そんな勇の意思は関係無しにひなのが勇の手を引っ張る。勇も変な目で見ていると誤解はされたくないので、逆方向に手を引っ張る。

数秒後、二人の争いに決着がつく。もちろん勇が勝ったが、引っ張る力は強くひなのが前に倒れようとしていた。



「あぶね!」



勇がひなのをギリギリのところで支えたが、長くはこの状態を保っていられず、結局は倒れてしまった。

勇が下敷きになり、ひなのがその上に乗っかるような体勢。勇の体にはひなのの膨らみかけの胸があたる。

さらにはひなのの顔が近い。あと少しで唇と唇が重なりそうであった。



ひなのにしては珍しく、顔を赤くしてさっと離れる。



「えーと……とりあえず隣の教室行こうか。」

「う、うん……」


二人は恥ずかしくまともに会話ができないまま、教室を出ていった。



A組を除くと夏鈴が静かに座っていた。

教室にいる人は少なかったが、その来ている大半は夏鈴があの赤月夏鈴だとびっくりしている様子だった。



すぐに教室に戻ってきた二人だったが、やることがない。ただ机に座って喋るだけ。

勇は登校したときに、グラウンドで1年生と思われる3人組の女子が、部活を見学していたことをひなのに伝えた。



「あーそういえばみゃーも部活決めるの忘れてた。帰宅部はちょっとやだね。」

「だけど、運動部も帰るのが遅くなりそうだな。眠木に迷惑かけるといけないし。」

「たしかに、旅館には卓球もできるし水泳もできるから運動には困らなそうだね。」



二人はまずこの学校にどんな部活が存在するのかがわかってない。

そのような中で会話を進めたからうやむやに話が終わってしまうのは仕方がない。



結局は、後で探そうということになり終わってしまった。

するとひなののスマホが振動する。



「あれ? ミナちゃんから。」

「もしかして玲奈がなんかしたか?」



今、ミナは玲奈といるはず、だから玲奈がなんかして困っていると連絡してきてもおかしくはない。

勇に直接連絡してこないのはなぜかというと単純にメール交換をしてないからであった。


しかし、ミナの要件は、『昼は食べてきてください~』という内容のものであった。その下には謝っている可愛いキャラのスタンプが押してあった。



「昼食べてきてだって。近くの喫茶店でも行く?」

「任せるよ。この近くまだまだ知らないから散歩的な感じで行こ。」



気付くと時間は8時20分であった。徐々に人が増えていくが、緊張していてそのまま座るだけ。

すると華やかなオーラを放っている女子が入ってきた。男子はそれにくぎ付けであった。


さきほどグラウンドにいた女子の一人だ。確かに顔は整っていて可愛らしかった。

その女子は勇の前の席に座った。

男子はそれとひなのにも目線がいっていた。ひなのも人気のようだ。



でも、勇はそんなことは普通のことだと思って気にしてはいなかったが、A組の廊下が騒がしいことには気にしていた。

その理由はすぐにわかった。夏鈴のことだ。やはり間近でみる有名人にはみんな興味を示すらしい。



「夏鈴大変だねー。みゃーはあんなの無理。」

「赤月は極度の男嫌いなんだろ? ならこの学校の男子から握手してとか、友達になってとか言われたらどうすんだ?」



勇が思っていた素朴な疑問である。男嫌いならどう接するのか。



「まあ、それはアイドル魂で作り笑顔くらいはすると思うよ。」

「なるほど、学校ではアイドルとしての自分を作るってわけか、大変だな。」



すると教室に担任が入ってくる。廊下にいた生徒も先生の気配を感じてか、各教室へと戻っていった。


朝のHR(ホームルーム)は今日全校朝礼があるということ、明日に全員の自己紹介があることを伝えていた。

みんな暇そうであった。朝のHRが終わると着席して静かにしていた。


微妙にこの空気を読まなければいけないような雰囲気になってしまっている。しかしそんなのはお構いなしにひなのは勇に話しかける。



「明日、自己紹介だって、勇は何やる? 住んでる所とかいろいろと誤解を生みそうだけどそこはいいとして。」

「たぶんその誤解は相当ヤバいような気がするんだが…… でも気になっている部活は話さなければいけないな。」

「でも、みゃーたち部活全くわからないんだよねー」



クラスのほとんどが勇たちの会話を聞いていた。始業式にもう喋っている人がいるので驚きを隠せないのだろう。

すると前の女子が後ろを向く。あの注目されていた可愛い女子。



「部活私が何があるか教えてあげようか? おっと自己紹介忘れたね、私は兎本碧(うさもとあおい)。よろしくね。」



よろしくと勇とひなのに挨拶する。勇たちも軽く自己紹介をする。

高く、優しい声。笑顔が絶えない彼女は優しそうだ。周りの男子からの視線は冷たいが。



「よろしく。この高校にはちょっと面白い部活があるんだ。」

「運動系?さっきグラウンドで見かけたから。」

「グラウンドにいるの見てたの?あれは中学時代からの友達の付き添い。で、その部活は文化部に入るかな。」



最初はひなのは興味を示さなかったが、徐々に興味を示してきた。



「それって俺たちも入れる?」

「もちろん!その部活の名前は心霊研究部っていうんだけど、この地域には昔から神と幽霊にまつわる伝説が多いんだ。」



勇とひなのは思わず、顔を合わせてしまう。なぜなら研究する必要がないからだ。幽霊なら旅館にいる。

しかし、ちょっと面白い部活だとは思ってしまう。もしかしたら碧と玲奈を合わせることができるかもしれない。



「放課後に見学してみない?」

「わかった。」



こうして勇たちは友達も増えて、部活を見学しに行くことが決まったのであった。


今回は、朝の1時間くらいを1話にしてみましたので、文字数は少なめです。

学校生活が始まりましたが、騒がしい所も用意して、面白く描写していけたらなと思います。

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