04 オムライス好きの舞は容赦ない
「じゃあ出かけるのは昼飯食べてからな」
「なんでーー? 今すぐ行こうよぉ!」
遥香が新に反論をする。
「今日はオムライスをつくろうと思ってたんだけどな、しょうがない外で食べるか」
「お兄ちゃんのつくるオムライス食べたい! 遥香、お昼ご飯食べてからにしようよ」
舞が言ってくれた、お兄ちゃんは嬉しいよぉ。しかし、これはいつもの展開だ。まずい、喧嘩になる、と早めに気づいたら新は美優にも意見を聞いた。
「美優は先に大須に行くかか昼飯を食べてから行くか、どっちがいい?」
「早く行こうよ、別に帰ってきてからあらたがオムライス作ればいいじゃない」
美優は公平になるように応えたくれた。でも、
「妹達、1度大須に行くと、お店で夢中になっていつまで経っても帰ろうとしないだろ?」
新は今までの経験を知っているため、最初から2つに分けて言っていたのだ。美優達はそんな事これっぽっちも自覚が無いようだ。すると、舞が
「今日は買ったらすぐに帰るから、 ね? お願いお兄ちゃん」
ここはそうしたい所だが、美優と遥香は必ずゲームセンターにも行き、音ゲーやガンシューティングゲームをやりだしたら止まらないのだ。新は一応聞いてみる。
「今日はゲームセンターに行かないって約束するなら大須から帰ってきた後にオムライスつくってあげるけど」
「えぇーー、どうして? どうして? 30分だけならいいでしょ?」
「とゆうか、あたしと遥香は大須に残るから、あらたと舞は先帰っててよ」
やはりそう来たか。新は返事を貰う前から何となくどんな返事が来るかわかっていた。仕方ないそうするか。
「わかったよ、でも美優と遥香の分は作らないからな、どこかで昼飯済ませとけよ」
勿論だ。いつ帰ってくるかわからないからだ。作り置きしてもいいのだが、夕方に帰って来たりでもしたら、夕飯の量を困ってしまう。
「「はーーい」」
2人は元気よく返事した。どうせ行き付けのラーメン屋で食べてくるに違いない。新は思った。
「30分後にみんなで行くから、早く服着替えろよ」
新は本当に妹達の世話に慣れているのだ。
(25分後……)
「舞は準備出来たぞ! そろそろ降りてこいーー」
新は階段の下から叫んだ。
舞はリビングのソファでスマホゲームをして待っていた。
一方、美優と遥香は返事が無かったので、新は階段を、上がり2人を呼びに行った。先に美優の部屋を開けたすると、
「おい、美優……ってまだ着替えてなかったのか!お前ずっとゲームしてたのかよ! って聞こえてる!?」
美優はヘッドフォンをしながらFPSのゲームに夢中になっていた、制服のままで。
新は無理やりヘッドフォンを取り上げた。
「早く着替えろ!!!!」
「わっ! わかったわかった、着替えるからここだけクリアさせて 」
新は小さい頃に、親に途中でゲームの電源を切られた事があるので、仕方なくキリがつくまで待つことにした。その間に遥香も呼びに行った。
「遥香!準備出来たか?……!!」
新はドアを開けながら言い、部屋の中を見て流石にこれには驚いた。
「寝てるーーーー!?」
遥香はベッドですやすや寝ていたのであった。