02 妹達の朝は容赦ない
んん?
目覚ましのアラームが鳴る前に目が覚めてしまった。普段ならありえない、どうして起きてしまったかなんて他でもない。
妹達が朝から騒がしいのだからな!
俺は目覚めてすぐに腹を立たせていた。あぁ、体に悪い……
新は朝から不機嫌ながら部屋を出て、少し冷えた廊下を裸足で歩き階段を降りて、洗面所に向かった。
妹達の怒鳴り声は洗面所から聞こえてくる。洗面所には、遥香が鏡を見ながら制服の身だしなみを整えていて、それが長いらしく、美優は「早くして! 遅い!」などと叫んでいたのである。
後ろから眺める新は顔を洗う事を後回しにしてリビングに向かおうとしたが、何かが引っかかった。
「制服?」
「え…… え? 今日って……入学式!?」
新は今日も春休みで休日だと思っていたのである。アラームは9時に設定していたが、妹達が騒いでいたおかげで遅刻しなくて済みそうだ。
新は一瞬驚いたがすぐに冷静を取り戻した。
それから新は、また階段を上り部屋に戻り制服に着替え、ダイニングに向かった。
ダイニングで美優と遥香がスーパーで買っておいたメロンパンを食べていた。美優は何やら不機嫌で遥香に文句を言っている。
「遥香のせいでスカートに水がかかったんだけど! あぁーー! 最悪ぅ!!!」
新はもう慣れているせいか、無反応だ。
「別に水が濡れたくらいで怒らなくてもいいでしょ! 乾かせばいいじゃない! そんな事で朝から叫ばないでよ!」遥香も言い返すが、美優が黙ってるはずがない。
新はそれを瞬時に察して美優が遥香に言い返そうとする瞬間に「おい!!」と言い放った、
すると、2人が「何よ」とハモりながらも新を睨む
新はビクってしながらも。
「入学式の日ぐらい仲良くしろよな」と応えた
2人は反論したいが、お互い嫌いでは無いためここは珍しく大人しかった。
これには新も内心驚いていた。朝から驚いたり不機嫌になったり大変だ。
朝食が食べ終わりトイレを済まそうと思ったその時、何かを忘れていた事に気づいた。
新の妹は3人いる。もう1人は部屋でまだ寝ていたのだ。新はトイレを通り過ぎ階段を駆け上がり部屋を思い切り開けた。
「舞! 起きろ! 今日から学校だぞ!」新は布団を取り上げた。
「ん~、お兄ちゃんおはよ」
舞は可愛らしいかった。
いや、今はそんな場合じゃない!!
新が通う真柏高校までは徒歩10分だ。現在8時15分だ。8時40分までに登校が学校の決まりである。それ以降は遅刻扱いになる。
入学式、ドしょっぱつから遅刻は避けたい!
そう思う兄である。急いで着替えさせ、ご飯は食べさせなくてもいいかと新は考える。しかし
舞はまずトイレに向かった。対して時間はかからなかったが急いでる様子が全く見られない。新は急がせるも舞はマイペースな性格なのだ。
「美優!遥香!お前達は先に学校に行ってろ!」
新は美優と遥香だけでも遅刻させないために先に学校に行かせた。新は妹達の面倒にとても慣れている。
8時30分に舞の制服の支度ができた。15分で支度ができたことには新も驚きだ。朝起きて1時間も経っていないのに、異常に驚く回数が多い今日の運勢は大凶なのかな?なんて思ってたりしていた。
舞の髪はそこまでボサボサになっておらず。
学校で少しクシでとけば問題ない程だった。
走ればギリギリ間に合うと思いながら玄関を出る時カレンダーを見ていた。重大なミスを犯したことに気づいてしまった。
「今日…………日曜日だ……」
美優と遥香は高校生活を楽しんでいて家で興奮しすぎていたせいか、入学式の日を1日間違えてしまったのである。
「……………」
新はしばらくフリーズしていた。