まあるいてのひらの上
てのひらでまあるく囲って
こぼさないようにぴったり指を閉じて
それでも溢れてしまうの
小さな私は細く鳴きながら水の泡
どんどん天井が迫ってくるから
逃げ出したくて押しくらまんじゅう
てのひらでつるりと滑って転んだ
水面が果てになる頃に
わかってるけどわかってない
ぷちんと潰れてあっぷと溺れて
留まることしかできないのに
まだ影がふらふら迷ってる
小さな私はてのひらの上で
まあるく並んで膝を抱えて
行くあてなどどこにもないのだから
せめて見えないふりをして