魔法での戦い方
今度は無事エリスとの契約も終わり僕は今、百人の精霊と契約をした。
(で、これから僕は、どうすればいいの?)
(そ~ですね~、まずは王都に行けばいいのですよねフィー先生‼)
(王都には冒険者学院がありますからね。あそこには十二の内、七つのアイテムがあるはずです。とりあえずは、姫様の言う通り王都に向かうべきでしょう。王都までは、ナステル平原を通って行きます。あそこのモンスターは比較的ザコですから。)
まだ、自分の心の中で話すのは不思議な気分だ。
当分の目標は決まった。王都まで行き冒険者学園にあるアイテムを探すことだ。
そして荷物をまとめ王都に向けて歩き出す。
十分もすると辺りに霧がでてきた。この霧が出たと言いうことは、森の端に来たという意味だ。
でも、案外あっさり外に出ることが出来た。どうやら中から外へは、何もないみたいだこの霧は。
森の外に出るとそこは、テレビとかで見たことのあるようなアフリカの大地に似ていた。違うところと言えばこの僕の目の前にいる全身が真っ赤なサイが僕を睨んでいることだろうか?
「うわーー⁉」
回れ右をして一目散に森の中へ逃げ込んだが、霧のせいで気が付いたらさっきの場所に戻って来てしまった。
そして再び睨まれている。
フンッ‼フンッ‼
赤いサイが今にも襲い掛かろうと大きく鼻を鳴らす。
(ユウ様このモンスターは、ドンホーンというBランクモンスターです。まあユウ様なら簡単に倒せるでしょう。)
(ムリだから‼アルデリア何を勘違いしているか知らないけどムリだから‼ていうかこんなのがいるなんて聞いてないよ‼フィー先生がザコしかいないって言っていったからてっきり虫しかいないと思ったらいきなりピンチだよ‼ホントどうするのこれ)
(ユウ殿冷静に、すみませんまさか姫様を助けたと報告を受けたのでてっきりかなり強いのかと、ただユウ殿それは精霊と契約した者が言う言葉ではありませんぞ、エリス少しユウ殿にドンホーンが相手ではないことを見せてあげてください)
すると突然僕の体が動き出す。この感覚には覚えがある。これは精霊が僕の体を動かす時に起こる感覚だ。
「ユウここは、私に任せて下さい。」
僕の声でそう言うと戦いの構えを取る。
(いくらエリスが強くても僕の体じゃ無理だと思うんだけど)
「ユウは確か魔法がない世界から来たと言っていましたねこの世界は魔法で戦うことが一般的です、今からそれをお見せしましょう。」
なるほど確かにこの世界には魔法があったんだった。てっきりエリスが構えを取るから殴ったり蹴ったりするのかと思った。
割と長く待ってくれたドンホーンが突進して来た。
「30倍」
エリスが呟くと向かって来たドンホーンの角を正面から殴り飛ばした。
ドン‼
と大きな音が鳴りドンホーンが後ろに吹っ飛んだ。よく見ると角は折れ白目をむいてピクリとも動かない。
「ふーう、これがこの世界での戦い方ですユウ」
(えー‼魔法は使わないの⁉)
「使いましたよ最初に、魔法を」
(エリスに代わってユウ殿に説明すると今使ったのは、身体強化の魔法ですね。多分ユウ殿が思い浮かべたのはこういうのではないですか?)
「ファイヤボール」
(あと詰めがあまいですよエリス、まだ魔石化していません。)
先ほどドンホーンが倒れていた場所には、僕が出した……あ、正確には僕の体を操ったフィー先生が(ここでユウ様提案です‼もう面倒などなのでこれからは、乗り移った精霊のことを○○ユウと呼びましょう。例えば、今の場面はフィーユウ。私ならばアルデリアユウ、エリスならばエリスユウ、ユウ様ならユウユウとしましょう‼)(最後のは意味不明だから止めてほしいけど、それはいいかもね。)改めてフィーユウが出した炎がドンホーンを焼く。
しばらくして炎が消えるとそこには赤色の石が落ちていた。
(ユウ殿この石こそ魔石です。モンスターが死ぬと今のように魔石化します。この魔石は人間の社会で売れるみたいなのでアイテム袋に入れておきましょう)
このアイテム袋はいろいろな物が詰め込めるド○えもんが持っているポケットとほぼ同じというのがフィー先生から説明を受けた時の感想だ。
魔石を回収して立ち止まる。
(……えっと、どっちに行けばいいんだっけ?)
いや仕方がないと思う。始めて来た土地だし王都がどこにあるか何て分かるはずもない。
(ここまま、まっすぐ進めば王都につきますよ)
気を取り直して歩いて進む。
(所で王都まで300㎞あるとかないとか…)
(ありますよ正確には311㎞、それがどうかしましたか?)
(…歩いて行くの?)
(ああ、そのことですか取りあえずユウ様が戦闘に慣れるまではここでモンスターを倒しましょう、それが終われば王都に魔法で飛んで行こうと思います)
(良かった!飛んで行くんだね、でも僕が別に戦うことないんじゃないさっきみたいにエリスに任せたら)
(実はユウ様の体で戦うことは一日一時間程度しか出来ないのです)