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異世界にやってきました

 朝、普通に起きて普通に登校する

そんな日常がずっと続くと思っていたのが、今日の朝まででした。

誰が思うだろうか。

 朝、普通に起きて

「ん?」

普通に起きて

「あれ?」

いつからだろうか自分の寝相が悪くなったのは

「いやいやいや、いくら僕の寝相が悪く成ってもここまで悪くならないだろ、そっ、そうかこれは僕が見ている夢か。」

そう、この今も目に映っている世界は、夢としか考えられない。て言うか夢であっつてほしい。夢でなかったら僕は、発狂するかもしれない。


 どうしよう自分の頬をつねようかとも思ったが、怖くて出来ない。

「よ、よし、とりあえず落ち着こう僕。朝起きたら自然あふれる森の中とかあり得ないよね。」

とうとう言ってしまった。


 そう、朝起きたら森の中で寝ていたのだ。昨日は部活で疲れていたため着替えてすぐにベッドで寝たが、起きたら森の中とか意味が分からない。

「とりあえず、どうしてこんな場所にいるかは、おいといて、今はほかに重要なことがある。」

グ~

そう、腹が減った。こんな時にとは、僕も思う。だが昨日の夜は、何も口にしなかったので、こんな状況でもお腹は空くようだ。

「何か食べ物を探さないと」

そう言いながらベッドから降りた。

「イテ!」

当たり前といえば当たり前である。ここは、森の中、素足で歩こうとしたら痛いのは、当然である。しかも痛かったので夢じゃないことは、確かになってしまった。涙目になりながら布団のシーツを裂いて両足に巻いた。

「これで、少しはましになったかな?」

一応これで歩けるようにはなったので辺りを探索してみることにした。





1時間後

僕は、もと居た場所すら分からなくなっていた。

「あーお腹すいたーご飯食べたい味噌汁が飲みたい」

いくら歩いても同じところを歩いるような感じみたいで体力的にも精神的にも追い詰められていた。


そんな時、遠くの方で声が聞こえた。何を言っているのかは、分からないが確かに人の声が聞こえた。

今度は、よく耳を澄まして聞いてみた。

「助けてー誰かー」

正直、こっちが助けてほしいと思った。でもここに来てやっと人の声が聞こえたのだ。多少不安もあるが、僕は疲れも忘れて声がする方に走った。

 声がする大体の場所に来てみると、そこは森の中にある少し開けた見通しの良い所だった。


でもおかしい?

確かに、この辺りで悲鳴が聞こえてきたはずなのに、

「きゃー」

やっぱりこの辺り、って言うか目の前から声がきこえたのに、全く姿が見えない。 

「おーいどこですかー」

と一歩踏み込んだとき

プチ

何かを潰した音がしたが、そんなことはどうでも良かった。なるほど、声が聞こえていたのに見えなかったわけだ。

だって、考えもしないだろう。手の平サイズの人間がいるなんて。

僕の名前は、物部(ものべ) (ゆう)16才 高校2年生になったばかりで、学校での成績は中の上ぐらい、部活は水泳部今年から

「ちょっと、人の話を聞いているのですか?」

「え、ちゃんと聞いているよ。」

「そ、そうですか。」

「確か今年から水泳部が・・・・」

「全然聞いてないではありませんか!もう最初から話ますね」

この話を聞くのは3回目だった。精霊とは、結構おしゃべりみたいだ。

 この子の話を聞いてみて分かったことは、ここはどうやら日本、いや地球じゃない場所。いわゆる異世界と言うやつだ。よくある剣と魔法を使ってモンスターを倒すそんなマンガやアニメのような世界に僕は何故か朝起きたら来ていた。

 そして今も僕の右肩に座って喋っているこの子は精霊族のお姫様で

「えーとなんて名前だったっけ?」

「なぜ、私の名前を忘れるのですか!いいですか、私はアルデリア・ハークムオヂラヴィーオス・テクトカブラテパです。何度も話しているではないですか。」

「そうそう、アルデリア・・・だったね。」

「言ったそばから忘れないで下さい。はぁ~もういいですよ、アルデリアと呼んでください勇者様。」

正直、忘れる忘れない以前にアルデリアは何故か名前を言う時だけすごく早口なのだ。まず聞き取れない。

「ありがとう、アルデリア。でもその勇者様は止めてくれないか。僕はそんな勇者って呼ばれるほどのことは、やってないよ」

「いえ、勇者様は私をモンスターの魔の手から守ってくれましたから。」

(あれを助けたと言っていいのだろうか?)

1時間前、僕は偶然にもアルデリアを襲っているクモを踏み潰した。それをアルデリアは、勘違いして僕のこと自分を助けに来た勇者だと思っている。

「あのクモは私たち精霊族にとって天敵とも呼ばれるモンスターなのですよ」

(まあ、確かに自分と同じくらいのクモは脅威かもしれない)

「でも勇者様は止めてくれないかな、そ、その恥ずかしいからさ、だから夕って呼んでよ。みんな僕のことそうそう呼んでいるから」

と僕が言うとアルデリアは、少し考える素振りをし

「分かりました。では、ユウ様とお呼びしますね。あ!そろそろ、目的地が見えてきましたよ。」

アルデリアが指した方向には、今までどうして気づかったのか分からない程の大きさのお城が夕たちの目の前に、建っていた。

「おおー」

(精霊族のお城だと聞いていたので、おもちゃのお城を想像していたけど、これは)

「ここは、特殊な結界で守られているので、近くまで来ないと視覚できないと、フィー先生がおっしゃっていました」

「もはや、何でもありだね。それで、ここからどうやって中に入るの?」

「ここで待っていれば、すぐに入れますよ。ほら門が開いてきました」

門が開いて、中から20人?くらいの精霊が出てきた。

 すると、突然

「姫様―」

一人の精霊が叫びながら飛び出て来た。そしてそのまま夕の近くに来るといきなり夕を殴り飛ばした。

「グッへ」

「ユウ様!」

夕は、そのまま2メートル位飛ばされ後ろの木にぶつかった。

 夕を殴った本人は、アルデリアに近づくと

「姫様‼ご無事でしたか。あれ程、森に入っては、いけないと言ったでは無いですか‼姫様が、城を抜け出したと知った時は、心臓が止まりかけました。しかも、帰って来たと思ったら人間に捕まえられているなんて、何かあったらどうするのですか、それに」

「ユウ様‼」

アルデリアは話を聞かずに夕へと駆け寄った。

「し、死んでる。」

「いや、死んでなんかないよ‼」

 夕は、痛みを堪えながら叫んだ。

「ほう。まだそんな元気があったか人間、さっさと姫様から離れろ、次は、加減はせぬぞ」

そう言うと夕を殴った精霊から黒いいオーラが漂い出した。

「止めなさい!この人は私をレッドスパイダーから守ってくれた命の恩人なのですよ、これ以上の無礼は許しませんよ。」

「な⁉ですが姫様、こやつは人間ですよ‼人間と言えば醜く最も愚かな種族でイタ‼何をするのですか姫様いきなり非常識ですよ。」

アルデリアはため息を吐くと、

「非常識なのはあなたの方ですエリス。この人間ユウ様は、私を助けてくれた命の恩人。そんな人をただ人間だと言う理由でいきなり攻撃するなど精霊族の恥ですよ。ユウ様すみませんでした私の家臣がユウに無礼なこと働いて、こらエリスも謝罪しなさい。」

 エリスと呼ばれた精霊は仕方なくという感じで僕に謝罪した。

ただ僕は、その謝罪を最後まで聞くことはなかった。





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