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君といた世界  作者: アキラ
7/13

第6話

年末年始 2作目は君のいた世界 最新話です!!

なんとか31日までに投稿できて本当に良かったです♪

そして気が付けば、リオカとアイリの予想外の相性の良さのおかげで、

なんと最初のボス部屋までやってきていた。

ドアを開けるか少々悩んだものの、

最終的には必ず倒さなければいけない敵であったため、

様子見の意味も兼ねて、ドアをあけ放った。


「あれ?何もいないじゃない」

最初に言葉を発したのは先頭にいたリオカだった。

いつもであれば、ボス部屋の中央に鎮座しているボスがなぜかいない。

(もしかしてこのフロアは天空ステージ最初のフィールドだから、

ボスがいないということなのか・・・)

そう考えた6人が中央付近まで歩を進めていった時だった。

「ルイ!!よけろぉぉぉ!!」

突如、いつもはクールで大声なんて上げないケンがそんな叫びをあげていたのだ。


瞬間、俺はゲームオーバーになってしまった。



「結局、さっき何が起こったんだ?」

俺がゲームオーバーになってからわずか数秒の後、

他のメンバーもゲームオーバーになったのか、

最初の町リムソールへと戻されていた。

こんなことはこのゲームを始めた最初の時以来、初めてのことだった。

最初の時はそりゃボスの攻撃力やHPなども知るわけがなく、

瞬殺されることも多かった。

その頃ならいざ知らず、今の俺たちは一番レベルの低いアイリでさえ

Lv50と中堅クラスで、俺やケンに限って言えばLv120もあり、

HPも有り余るほどある。

そんな俺たちが為す術もなく、一撃で殺された。

この衝撃は大きく、リオカとアイリは早くも戦意消失している。

「さっきのあれは、はっきりは見えなかったが大剣だった。

それも俺たちが使うような大剣ではなく、巨人が扱うようなサイズのだったな。

それが頭上から一斉に降ってきていた。」

俺たちがうつむいていると、一人だけ楽しげにしていたケンが語りだした。

そう言えば、こいつはこういう奴だった。

ケンとは最初からの仲間でかなり長い関係を築いていたが、

いまだリアルで会った事はなく、年齢や本名など一切知らない。

もちろん性別すらも分からない。


もしかしたら愛莉のような女性であるかもしれないし、

中年のおっさんかもしれない。

現実の姿を知らないということは怖い。

けれども、これだけ長い事ケンと関係を続けていられるのは、

こいつがこういう性格であったことが大きいのかもしれない。

ケンは最初に出会った時もこんな感じで、

強い敵が出てきたらますます燃える質だったようで、

俺たち初期組がボス戦に何度立ち向かっても倒され、

挫折感を味わっていた時だって、ケンだけは何度も立ち上がり、挑み続けていた。

その行動に俺やゲームを辞めかけていた人も元気をもらった。

もしも、あの時ケンがこのゲームにいなかったとしたら、

俺はこんなにもはまらなかっただろうし、

こんなにも多くの仲間に恵まれることもなかっただろう。


最近、戦いに出るたびに心の奥底で知らず知らずに募っていたであろう

どうせ勝てるだろうという感情を、今回の天空ステージの実装によって覆された。


だけど、さっきのケンの言葉のおかげで俺は勝てない相手に

挑むことの楽しさを思い出すことが出来た。


(いつもありがとう。お前はいつだって俺の先にいてくれて)


そんな想いを抱えているとはいざ知らず、ケンは俺の方を見ていた。

「どうした?ルイ。まさかお前も戦意喪失した。とかじゃないよな?」

「はは、そんなわけないだろ?考えていただけさ」

俺は少しだけ感じていた想いを改めて否定するように声に出した。


「ま、お前はそんな男じゃないと思っていたけどな!!

それじゃあ、さっきの敵の特徴をみんな思いつく限り、あげていってくれ。」

ケンのその言葉が合図となった俺たちは、

さっきのことをよく思い出すことにした。


数分かけて思い出した俺たちの中のボスの特徴をあげていくと、

こんな感じだった。

 HPが3分の2くらいしかなかった場合、最初の一撃で即死になること

 巨人級の大剣を複数所持しているということ。

 部屋の中央にたどり着いた瞬間に攻撃を仕掛けてくるということ。

 そしてこれが一番厄介なことだが、ボスの姿が見えなかったということ。

おそらく、天空ステージ特有の敵と同じく上空にいたか、

それとも見えない敵なのかのどっちかだろう。

ただ大剣は頭上から落ちてきたということを考えると、

前者の可能性の方が大きかった。


ここまで考えてくると、ケン同様燃えてきていた自分がいた。

どうしたらあの見えなかったボスを倒すことが

出来るのかを考えるだけでも楽しかった。

それは俺とケンだけではなく、アイリやリン、リオカにまで想いが伝播したのか、

先ほどまでの俯きはいつの間にかなくなり、みんなが前向きになっていた。


そして迎えたボス戦2回目、

今回は慎重を期すことにした俺たちは扉の前で全回復をできる魔法を

リンからかけてもらい、全員の装備に即死無効の装備を施すことにした。

「よし、それじゃあ開けるとしようか」


俺の掛け声と同時にみんなは手を合わせると、そのままドアを開いていった。


2017年も残すところ、あとわずかです!!

年末年始、3作目は1月1日中に投稿しますので、

そちらもお読みいただければ、嬉しいです!!

それでは、皆様!!いいお年を~

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