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第8話 俺冒険者になる

冒険者編スタート。

 人間の姿になれるようになり森を出ようと奮闘したが中々抜けられない。

 道に迷ったというか、どちらに向かえばいいのか分からない。

 少し考えたところで魔物狩りを行い短時間でパグコのレベリングをした。

 【才貨使用】で【超嗅覚】をパグコ習得!

 そのままあのクソ冒険者の匂いを辿らせて街まで到着!

 街の入口に兵士が配置されていたが身分証とかは必要なく普通に街へ入れた。

 身分証が必要なのは馬車等で荷物を多く運んで入るときだけだそうだ。

 ついでに冒険者ギルドがあるかを確認して場所を教えてもらう。

 チップに銀貨を渡したら上機嫌で色々と教えてくれた。


 この街の名は『ラバーネ』と言い、ここらで一番大きな街らしい。

 パグコのことも聞いてみたが獣人への差別は存在するがそこまでひどいものではなく、この街では他種族も普通に住んでいるとのこと。

獣人だからといって買い物できない、宿に泊まれないということはないらしい。

ただ奴隷には亜人が多いのも否定できないらしいが。


 街に入ると市場や店が多く並んでいて人の活気に溢れていた。

 治安はまあまあ良さそうだ。

 しばらく歩いていると門番に教えてもらった通りの大きな建物が見えた。

 看板に『冒険者ギルド』と大きく書かれていた。

 中に入ると受付嬢が座っている場所へ進む。


「冒険者の登録をしたいのですが」

「はい。冒険者登録ですね。

 登録料は銀貨5枚になります」


 初受付嬢は真面目そうなクールビューティーで青髪のストレートヘアだ。

 少し笑顔が足りない気がするがそこがいい。


「分かりました。二人分お願いします」

「はい。それではこちらの用紙へ名前と種族、職業もしくはスキルの記入をお願いします」


 受付嬢に渡された紙に名前を書こうと思ったがよく考えれば字が書けない。

 スキル【言語翻訳】で会話はできるが文字は無理だ。

 受付嬢に代筆を頼むと銅貨5枚、二人で銅貨10枚を払ってお願いした。

 俺の種族はデュラハンなのだが人間と言っておいた。

 その際に兜を外す必要があり俺は【実体化】して顔を見せる。

 問題なく人間と記入されていた。


 職業は今から冒険者になるのだからないのが普通ではないかと尋ねたところ、冒険者には雑務の依頼も多く扱うため技術がないか元の職業を聞いておくらしい。

スキルについては自己申告だそうで強制はしないとのこと。

 ただ職業もスキルも報告しておいたほうが依頼を有利に受けられるそうだ。

 ちなみにスキルの調べ方とかあるのか尋ねたところ、自分で『ステータス』と念じて確認するか特殊な魔道具で調べる事ができると言われた。

 魔道具での確認は余程のことがないと行わないので気にしなくていいみたいだ。

 スキルでステータスを見られることはあるのか聞いてみたが、そんなスキルの確認はないらしく「疑り深いのですね」と苦笑された。

 俺の【鑑定眼】は相当レアなようだ。


「それではこちらがギルドカードとなります。

 冒険者ランクはFで同ランクか一つ上のランクまでの依頼を受けることが可能です。

 依頼を20件連続達成でランクアップとなります。

 ランクはF、E、D、C、B、A、AA、AAA、Sがあり、Cランクで一人前の冒険者と言われています。

 またAランクになりますと貴族の地位が与えられますので頑張って下さいね」


 受付嬢はそう言って銀色のカードを二枚渡してくれた。

 カードにはおそらく名前とランクが書かれてある。

 文字が読めないけどそれしかないだろ。

 俺は貴族になれると聞いてランクに興味を持った。


「Aランク以上の冒険者ってどれぐらいいるんですか?」

「Aランクですと結構いますよ。

 ただAAになると数える程しかいませんね。

 Sランクの冒険者はこの国には3人しかいません」


 Aランクが結構いるということで貴族の地位について聞いてみたが実際には大した特典はないらしく、年に僅かばかり国から金をもらえ、ほとんど名誉みたいなものだそうだ。

 ただAAになると土地を貰え、その土地の領主になることも可能だそうだ。

 凄いことのような気もするが国から貰えるのは未開地と決まっており魔物が多く開拓困難な場所で貴族の地位は本当に肩書きだけと考えたほうがいいらしい。


「おいおい兄ちゃん! そんなにAランクのこと聞いて既に貴族気取りかい?」

「がははっ! Fランクのくせに馬鹿じゃねぇの!」


 他の冒険者が絡んできた。周囲も笑い声を上げている。

 何この人たち? 冒険してろよ。


「そんないかつい鎧を着てどんな奴かと思えば女みたいなヒョロ男じゃねぇか」

「がはははっ!」


 なる程、鎧を外して中身が怖くないと分かったので絡んできたと。

 完全に小物ですな。


「わははははっ!」

「パグコお前が笑うところじゃないから」

「わかった」


 パグコは獣人に進化して発音がカタコトじゃなくなった。

 けれど馬鹿なのは相変わらずだ。


「それじゃあ俺達はこれで…」


 面倒事はごめんなので即座にギルドから脱出を試みる。


「おい! 待てよ!」

「パグコ! 走るぞ!」

「わん!」


 にげる。ザイカ達は上手く逃げ出せた。

 ふぅ、回り込まれなかったか。

 にげるに即決したのが功を奏したな。

 受付嬢の唖然とする顔と後ろから聞こえてくる冒険者たちの笑い声が俺の心のライフを削ってくるが一番平和的な選択をしたはずだ。

 ただ数日はギルドにいけないな。


「ごしゅじんさま! はしるの、たのしいね!」

「ああ、そうだろ!」

「もっと、はしろ!」

「よーし! それじゃあ服屋まで競争だ!」


 はははっ、そうさ。俺はパグコとかけっこしただけさ!

 決してギルドから逃げ出したわけじゃない。

 パグコが、走るの、好きだから…。

 涙が出そうだったので【実体化】を解いておいた。


 【財宝収集】でお金は持っているので日常品や服を買い、武器はあるので防具屋だけによって適当にパグコの装備を揃える。

 パグコのサイズに合う装備を見繕うのには苦労した。防具屋を3件も回ったぞ。


 『春風の兎亭』という宿で泊まることにした。

 街にある宿屋の中で外装が綺麗だったし値段も手頃だったから。

 部屋の中も綺麗で安心した。

 ただトイレが壺ってどういうことやねん。

 俺は幽体になればノープロブレムだからいいけど、やっぱ異世界の文明は低かった。

 記憶が曖昧といえ現代日本での生活を知っている俺にはきつすぎるぜ。

 水道ないから手も洗えないんだぜ。

 どうしても洗いたい時は井戸までGO! お尻を拭く紙は持参らしい。


「って! パグコ外してるぅー!!」

「むふー」

「小も大もずれずれだよ! やめて! それ以上は、あっー!」


 パグコにトイレの場所を教えたらすぐに使いはじめたので目をそらしたのが失敗だった。

 壺の周りには汚いあれやこれが…。


「魔法でなんとかできないかな?」


 今の俺に使える魔法は【闇魔法Lv.1】のみ。

 【闇魔法Lv.1】で使用できる魔法は黒い靄を出すダークネスガスだけ。

 俺は自分の両手を見る。


「今の俺は幽体、実態は無い。なのでノータッチ、ノーダメージ。

 鎧は洗えば問題ない。これは俺の手じゃない、塵取り。

 大丈夫、俺は触らない。鉄の塊が勝手に掃除してくれる」


 うおぉぉぉっ! 見せてやるよ! 保護者のSEKININってやつを!!

 ぐわしっ!

 あっ、柔らかい。


「…パグコ、次から気を付けような」

「わかったー!」

「絶対だからな! 二度目はないからな!」


 部屋を綺麗に掃除したあと井戸で手を洗いました。

 途中宿屋のおばちゃんに同情された。

 俺は部屋に戻ったあともう数回パグコに注意しておきました。







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