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第5話 ザイカのペット

読んでもらえると嬉しいです。

次の日、昨夜決めていた予定通りに森で魔物の毛皮集めを行った。

【財宝収集】で手に入れた耐毒のベルトにアイテムポーチをつけて魔物を見つけては狩っていく。

 ゴブリンキングに進化したことにより昨日の狼や猪のような下位の魔物に襲われることはなくなった。

 そのため自分から攻撃を仕掛ける必要があるので面倒だ。

 【一撃必殺】を使わずとも魔物を倒せる力を得たのは嬉しいが。


「おっ! また獲物発見」


 鹿の魔物を見つけた。

 俺は気配を隠すのが苦手なので足に力を込め走って距離を詰める。

そして獲物の首を一閃、一撃で仕留めた。

 ゴブリンキングになって脚力も上がり簡単に獲物まで接近できた。

 俺の今使っている武器は【財宝収集】で手に入れた不壊の斧。

 切れ味が良く魔法効果もあり、錆びることがないという耐久性に優れたレア武器でとても気に入っている。


「さて、獲物も多く捕れたし、また家に戻るか」


 狩りは俺が一人で行なっていた。

 それというのもミランダたちには川に行って俺が既に渡しておいた他の魔物の解体作業を頼んでいるからだ。

 毛皮は干しておく必要があるので作業を分担して行うことにした。

 俺は早く毛皮を敷いて眠りたいのだ。


「ん?」


 魔物の気配を感じる。

 複数匹いるかんじだな。

 もう十分に魔物は狩ったのでこれ以上必要はないが様子だけ確認しておく。

 木に隠れながら覗いてみる。

 そこには魔物の死骸を漁っている二足歩行の犬達がいた。


「コボルトか」


 対象の確認が出来て俺は安心する。

 コボルトは魔物の中でも弱く、俺のような上位種が相手だと一目散に逃げていくため戦闘にもならない。

 見た目は柴犬と狼を足して割った格好良い顔なのにとんだチキンだぜ。


「ん? なんか一匹変なのがいるな…」


コボルトの中に黒い変種が紛れている。

そいつは他よりも小型で普通のコボルトの半分ほどの大きさしかない。

コボルトの背丈は俺よりも少し低いので、そいつはゴブリンよりも小さいかもしれない。

子供かと思ったがどう見ても違う。

だって見た目がパグだもん。


「あっ、蹴られた」


 ちょっと気になってそいつを観察してみた。

 パグコボルトは魔物の肉にありつこうと必死だが仲間のコボルトに邪魔されて食べられずにいる。

 それでもめげずに食べようとしているが体が小さいので普通のコボルトに蹴られれば簡単に転がっていく。

 愛嬌のある顔で舌からヨダレを垂らしてまたチャレンジしている。


「何アレ、可愛い」


 一生懸命なパグコボルトを見てつい応援したくなった。

 でも、ずっと見ているわけにもいかない。

 俺は迂回していくのも面倒なので堂々とそこを通る。


「わうっ!?」


 コボルトたちは俺に気づくと一目散に逃げ出していった。

 あのパグも逃げていった。

 ちょっと残念。

 俺はコボルトたちが食べていた魔物の死骸に目を向ける。

 大分食い散らかされているが猪の魔物で頭はない。

あっ、俺が昨日倒した魔物じゃん。


「そういや魔物には魔石があるんだったな」


 俺は猪の死骸を斧で斬り魔石を取り出す。

 魔石は魔物が体内に蓄えている魔力が結晶化したものだと俺は思っているが使い道がわからない。

 この世界の人なら知っていると思うが今のところ俺にとってはただの綺麗な石でしかない。


「おっ」


 俺が猪から魔石を取り出している間に近くの草むらが揺れる。

 見ればあのパグコボルトが戻ってきていた。

 その視線は猪の死骸に釘付けで俺が立ち去るのを待っているのだろう。

 それにしても、もう少し上手く隠れろよ。

 別にいいけどさ。


「ほれほれ」


 猪から肉を切り取りパグの魔物へ見せびらかす。

 パグはヨダレを滝のように流している。


「ほらよっ」


 俺は肉をパグの目の前に投げてやる。

 パグはそれに驚いて身を潜めたがすぐに肉の誘惑に耐え切れずに飛び出した。

 両手で肉を抑えながら口で食いちぎっていく。

 その食事風景を笑顔で鑑賞する俺。

 肉を食べ終えると物欲しそうな目で俺を見つめてくる。


「ん? まだ食べたいのか?」


 俺が尋ねると頭をコクコクと縦に二回振った。

 どうやら俺の言っている事がわかるらしい。

 それならとパグに交渉してみる。


「俺のペットになるなら肉をやるぞ」


 俺はもうひと切れの肉を猪から切り取りパグに見せる。


「オレ、ペット、ナル。ニク、タベル」

「おっ! カタコトだけど喋れるのか。

 それならお手!」

「ワン!」


 俺が手を出すとパグコボルトはお手をした。

 

「反省!」

「ワン」


 パグコボルトは俺の片足に手をかけて頭を下げる。

 お利口さんだな~。

 うん、自分で言っておいてなんだが何故知っている?


「まあいいや。今日からお前は俺のペットだ!」

「オレ、ペット!」

「ちゃんと俺の言う事を聞くんだぞ」

「オレ、イウコト、キク」

「よしっ!」


 肉を渡してやるとパグコボルトは嬉しそうに短いしっぽを振る。

 可愛いので肉を食べている間、頭を撫でてやる。

 それからパグコボルトが満足するまで肉を食べさせてやり、それから巣へと帰った。

 

 それからはパグコボルトと一緒に川で体を洗った。

 石鹸なんてものはないのであまり汚れは落とせなかったが幾分かはマシになる。

 パグコボルトの体を洗っていて気づいたのだが、こいつメスだった。


 そしてその夜、ついに俺は大人の階段を上った。

 初めにノンで次にミランダ…は身体的にまずくないかと最初は断ったが、それはミランダに押し切られた。

 見た目が幼いのはミランダの年齢のせいではなく成長限界だとのこと。

 ゴブリンは成長が早いので一年もすれば成体になるらしく、外見ロリを言い訳に断ればミランダとは一生交わることはできないため俺は仕方なく受け入れた。

 うん。ミランダは大人だし魔物だから問題ない!


 そして最後はリサ。

 うん。ごちそうさまでした。

 つか、ゴブリンの精力凄すぎて朝方までやっちまったぜ。

 初めてだからってハッスルしすぎたな。

 でも三人も満足そうだからいいか。

 俺も満足して眠りについた。


 ゴブリンも悪くないな。



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