第4話 ザイカのハーレム
進化が無くなっている!?
俺はもうこれ以上の進化はできないのか!?
「なんてこった…」
Orz俺オワタ。
「素敵!」
「…え?」
「とっても凛々しいお姿だわ。ゴブリンキング様~♡」
「ノンもメロメロ~♡」
「べ、別に私はアンタが格好よくなったなんて思ってないんだからね!
勘違いしないでよね! (ポッ♡)」
ミランダたちが俺に擦り寄ってくる。
嬉しくないがミランダたちにとって今の俺は魅力的な容姿のようだ。
くそ~! これでこいつらがゴブリンじゃなければ!
ん? ゴブリンじゃなければ…。
そういえばミランダたちも進化できるんじゃないか?
俺はミランダを見て【才貨使用】を発動してみる。
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一撃必殺 10z
進化1000z
残:1136z
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できた! どうやら俺は自分以外の相手の才貨も使用することができるようだ。
俺はミランダの意見も聞かずに進化を選択する。
進化の項目にはホブゴブリン一択だったので即決した。
「あら? 急に体が熱く…」
ミランダの体が光に包まれる。
ノンとリサはそれを見て驚く。
「んっ、これは一体?」
光が消えるとホブゴブリンへ進化したミランダがいた。
「うそだろ…」
ノンとリサ同様に俺もいい意味で驚ろかされた。
そこには7歳ぐらいの少女がいたのだ。
肌の色は緑のままだが紫髪のショートヘアに額には小さな角が二本、瞳は黄色く爬虫類のように縦に黒い線があり白目は黒く染まっている。
睫毛は太く目力があり口は小さくはなったが歯は牙のように尖っている。
とても人間とまでは言えないが俺から見れば十分に美人というか、あのゴブリン時の姿に比べれば幼いとは言えストライクゾーンだ。
ゴブリンを擬人化させたのがホブゴブリンという種族のようだ。
「すごい…私、古のホブゴブリンに進化したの?」
ミランダは自分でも信じられないのか両手を見つめながら体を震わせている。
そして瞳から涙を流した。
「ありがとうございますザイカ様。
このミランダ、ザイカ様へ永久の忠誠をお誓いいたします」
「う、うむ」
ミランダが俺に膝をつき深く頭を下げる。
どうやらとても感謝されたらしい。
お色気お姉さん口調なのにロリだけど。
ノンとリサも羨ましそうにミランダを見ているので二人も進化させた。
ノンの進化派生にはバトルゴブリンというのもあったが俺みたいになられても困るのでホブゴブリンを選択した。
「ザイカ様~ありがと~」
ノンが感謝の言葉とともに俺に抱きついてくる。
ノンは身長170cmぐらいの女性になり俺よりも背が高くなった。
黒髪のロングでタレ目、和風美人な感じだ。
ホブゴブリンは身長の低いのかと思ったが、どうもミランダがロリ体型なだけらしい。
そしてリサは…。
「ふ、ふん! 何よ、ジロジロ見て!」
リサは贔屓目なしで超美人になった。
ミランダやノンも顔は整っていて美人の部類に入るのだがリサは二人と決定的に違うところがあった。
それはリサの肌が緑色ではなく人間と同じ肌色だったのだ。
リサの進化はホブゴブリンヒロインと少し特殊だった。
そのせいかリサは大体の特徴はミランダやノンと変わりないのだが肌色だけで大分人間に近い気がする。
いや、これはエルフの特徴に似ているのかも。
ゴブリン特有の尖った耳はそのままに金色の長髪に薄い胸。
身長はノンよりは低いが俺よりは高く160cmあるかないかぐらいだ。
きつめの目に桃色の唇はつい見惚れてしまう。
「いや、綺麗になったと思ってな」
「ば、馬鹿じゃないの!
そんなこと言われても全然嬉しくないんだからね!
で、でも感謝してあげても…(ごにょごにょ)」
素直にお礼が言えず、頬を赤く染めながら指いじりをしている。
相変わらずのツンデレ。
今なら優しくできるお。
俺はリサを抱きしめてやる。
「ちょっ! 何を!?」
リサは顔を真っ赤にしているが抵抗しようとはしない。
俺はリサの背中に回した腕の力を少し強める。
うう、ついに俺も勝ち組に!
ゴブリンに転生して苦節1日! 俺は勝ち組になれたと高らかに叫びたい!
神様ありがとう!
「よしっ! 早く巣を作ろう!」
俺は自分の愛の巣を作るべく森の探索を進める。
そして最高の立地条件の小さな洞窟を発見。
水場からも近く洞窟の入口はあまり大きくもないので大型の魔物に襲われることもない。
中には他の生き物がいる気配はなかったので遠慮なく使わせてもらう事にした。
洞窟の中は奥行4mとたいして深くはなかったが広さは申し分ない。
後は水を組むための入れ物や地面に敷く布などがあると嬉しいのだが。
俺は【才貨使用】で財宝収集を発動してみる。
これも【一撃必殺】と同じ毎回Zを払う必要があり、効果は宝箱を召喚するというものだった。
宝箱の中身は金貨や銀貨、銀の杯、短剣、物が無限に入るアイテムポーチ等、結構貴重なものが詰まっていて面白かったので俺は続けて5回も【財宝収集】を使った。
毎回中身は違っておりアイテムポーチのようなレアアイテムは手に入らなかった。
その夜にミランダとノンからお誘いがあったのだがお断りした。
森の探索で疲労もあったし何より体を洗わないと魔物の返り血で汚れている上に臭いが強烈だ。
流石にこの状況でミランダたちを抱こうとは思わなかった。
明日は魔物の毛皮を集めて川で体を洗おう。
そして俺の夢のハーレムライフが始まるんだ!
こうしてとても長く感じた俺の一日は終わったのであった。