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第1話 なんかゴブリンに転生した

久しぶりに投稿してみました。

一応最後まで構想は練っていますが十話ぐらいの短い連載にしようと思っています。

 見渡す限り木しかない森の中に俺はいた。

 どうして森にいるのかなんて俺にもわからない。

 最後の記憶はコンビニで雑誌の立ち読みをしていて帰りにアイス買って…それで…???

 ダメだ。自分の詳細が思い出せない。

 ただこれだけは覚えている。

 俺は日本の高校に通う普通の人間(・・)だった。


 だが今はどうだ?

 視界がとても低く幼児体型、肌色は緑で頭には髪が生えておらず小さな角が二本生えている。

口は簡単に両拳が入るほどの大口で指は四本しかなく爪は真っ黒だ。


(これ…どう考えても人間じゃないよな?)


 何度も頭や顔を触ってみるが明らかに人間の骨格ではない。

 これではまるで化物ではないか。

 緑色の小人の化物。


「俺、ゴブリン?」


 いつの間にか森にいてゴブリンになった。

 誰か説明求む。


===================================

 ゴブリン ♂ Lv.1

スキル

 【才貨使用】

===================================


 急に頭の中に自分のステータスが浮かんだ。

 わおっ、ゲームの世界かよ。

 俺ゴブリンだけど。

 確実に雑魚モンスター決定です。

 スキルが一つだけあるが何だろう?

 俺がそう考えるとスキルの詳細が頭の中に浮かぶ。


===================================

 【才貨使用ざいかしよう】=才貨を使用できる。

===================================


 才貨ざいかの使用? 才貨って何だよ?


「ん?」


 俺が自分のスキルについて調べていると背後から物音がした。

 振り向いてみるとそこには黒毛の巨大な熊がいた。


「ガルルルッ!!」

「……」


 顔から汗が噴き出る。

 頭の中でアラームが鳴り響いている。

 危険だ! 逃げろ! 逃げろ!

 そう頭で思っても体は石のように動かない。

 熊が右手を振り上げる。


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 そこで俺はようやく叫び声を上げた。

 情けないほどに怯えた俺は目を瞑り、熊が振り下ろそうとしている腕から身を守ろうとひ弱な腕を顔の前に構える。

 脳内で何度もタスケテと叫びながら。


「ガルル」

「「「ギャァァッ!!!」」」


 すると突然複数の鳴き声が聞こえた。

 俺は恐る恐る目を開くと七匹のゴブリンが熊を攻撃していた。


「へ? な、なんで?」


 突如現れたゴブリン集団に違和感を覚えずにはいられない。

もしかして俺を仲間だと思って助けに来てくれたのか?

 ゴブリンってそんなに仲間想いの生き物だっけ?

 俺が想像していたゴブリンは臆病でずる賢い卑怯な魔物だけど。

 いくらなんでも仲間一匹のためにあの熊と戦うとは思えない。

 現に熊の攻撃でゴブリンの半分は死んでいる。

 残りは四匹…あっ、また一匹減った。

 熊の一振りでゴブリンはあっけなく死んでいく。


「ガルルッ!」

「「「ギャアァァ!!!」」」


 それでも生き残っているゴブリンの戦意は全く衰えない。

 ゴブリン達は手に持った錆びたナイフや棍棒で熊を攻撃し続ける。

 ナイフが折れたゴブリンなんかは熊の喉に噛み付いている。

 その死に物狂いの攻撃に熊は次第に弱っていき力尽きた。


「…か、勝った?」


 俺は信じられなかった。

 まさかゴブリンVS熊でゴブリンが勝つなんて誰が予想できるよ?


「ギャッ!」

「ん?」


 ゴブリン三匹が俺に近づいてくる。

 熊に勝利しただけに警戒してしまう。


「ギャーゲ」

「ギャァ」

「ギャギャ」


 それぞれが話しかけてくる。

 同じゴブリンの俺だが何を言っているのかさっぱりだ。

 ゴブリンたちは続けて何か言っているがしばらくして俺を無視して倒した熊の肉を食べ始めた。

 ぐっちゃ、ぐっちゃ…。

 うげぇ、グロイ!


 ゴブリンさんの食事風景は見ていて吐きそうだったので俺は少しその場から離れることにした。


「あのゴブリンは敵じゃないみたいだな」


 安心した俺だがまだ油断はできない。

 今回は運良く助かったがまた先程の熊レベルの生物に襲われたら確実に殺される。

 それにあのゴブリンたちもどこまで信用できるか…。

 俺は唯一自分に使えるスキルを調べてみることにした。

 【才貨使用】と念じてみる。

 すると頭の中に文字が浮かんでくる。


===================================

 一撃必殺 10z

同族召喚 50z

 言語翻訳 150z

 鑑定眼 200z

 進化 1000z

                  残:3820z

===================================


「なんか色々あるな…」


 Zはおそらく才貨ってことだろう。

 これって才貨を使用して習得できるスキルなのか?

 言語翻訳と鑑定眼は必要だな。

 購入(という表現でいいのか?)しておこう。

 同族召喚…もしかして熊に襲われた時急に助けが来たのはこれが発動したのか? 言語翻訳であのゴブリンに聞けばわかるかも。

 進化は気になるがまだやめておこう。

 一撃必殺も購入する。

 ブンッ!

 俺の拳が赤く光る。

 あれ? 勝手にスキルが発動した?

 適当に木の一本を殴ってみる。

 ドンッ!!

 木は殴った箇所から折れた。


「わお」


 超すげぇ!!

 これを使っていればあの熊も一撃だよ!

 どうやら俺はチートのようだ。

 自分のステータスを確認してみる。


===================================

 ゴブリン ♂ Lv.3

スキル

 【才貨使用】【言語翻訳】【鑑定眼】

===================================


 あれ? レベルが3に上がっているけどスキルに【一撃必殺】がない?

 俺はもう一度【才貨使用】を発動する。




ゴブリンって異世界に必須ですよね。

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