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第6話 「救済計画、発動」

第六話です。


ここから主人公の「滅ぼす」が少しずつ形になります。

でもこの物語は、ただの復讐譚ではありません。


優しさは、時に一番残酷な武器になります。


王都から遠く離れた廃都グランディア。


瓦礫と化したはずのその街に、今は明かりが灯っている。


「……本当に、ここが拠点なの?」


ルミナが辺りを見回す。


「表向きはな」


アルクは瓦礫の壁に触れた。


瞬間、景色が歪む。


廃墟は消え、そこには巨大な地下都市が広がっていた。


魔法陣が天井に浮かび、空気は浄化され、水路が走る。


「伏線その二。廃都は俺がわざと滅ぼした」


「は?」


「正確には“滅んだように見せた”。王都が支配しに来ないように」


セラがくすくす笑う。


「アル様、昔からこういうの好きですよね。“世界規模のドッキリ”」


「言い方」


アルクは歩きながら続ける。


「王国は腐っている。勇者は操られている。魔王は利用されている。

全部、同じ連中が裏で糸を引いてる」


「……黒幕がいるってこと?」


「いる。俺を追放した張本人だ」


王国宰相――ヴァルディス。


勇者召喚の儀式を司り、魔王討伐を操る男。


「奴の目的は“永遠の戦争”。

勇者と魔王を何度も転生させ、世界から魔力を搾取する」


ルミナの顔が青ざめる。


「そんな……」


「だから滅ぼす」


アルクは静かに言った。


「この循環ごと」


その言葉に、セラが目を細める。


「それって……世界の仕組みを壊すってことですよね?」


「そうだ」


一瞬、空気が凍る。


「でもな」


アルクは振り向いた。


「その先に“戦争のない世界”があるなら、俺は壊す」


ルミナが拳を握る。


「……私は勇者だよ?」


「知ってる」


「私も消えるかもしれないよ?」


「その前に救う」


即答だった。


セラが微笑む。


「アル様、やっぱり優しい」


「違う。合理的だ」


そう言いながら、アルクは中央の巨大魔法陣の前に立つ。


「救済計画を発動する」


魔法陣が光り出す。


空間が震える。


王都の上空に、巨大な結界が展開された。


同時に、王国全土の民に幻視が流れ込む。


それは“真実”。


勇者召喚の裏側。

魔王転生の儀式。

戦争が仕組まれていた証拠。


王都は混乱に包まれる。


「な、なにこれ!?」


「宰相が黒幕!?」


「勇者は操られてた!?」


アルクは淡々と呟く。


「滅ぼす前に、目を覚まさせる」


それが彼のやり方。


力で壊すのではなく、構造ごと崩す。


セラが笑う。


「これ、もう王国終わりですね」


「いや」


アルクは空を見上げる。


「ここからが本番だ」


王都の中心。


宰相ヴァルディスが、ゆっくりと立ち上がる。


「……面白い」


彼の背後に、黒い魔法陣が展開する。


「やはり貴様は、失敗作ではなかったな」


その瞳は、人間のものではなかった。


世界が、きしむ。


伏線は、まだ回収されていない。


第六話でした。


ついに黒幕登場です。

でもこの物語は「倒して終わり」ではありません。


アルクの“滅ぼす”は、救済か、それとも破壊か。


そしてルミナはどうなるのか。


次回、宰相との対峙。

伏線がさらに一段階、回収されます。

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