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もう、春は来ない

「このまま怨霊にでも成られたら厄介だし、死体も記憶も──まとめて焼いておこうか。」




時計の針が、4時44分を指していた。

真っ赤に滲んだ夕闇の校舎と舞い狂う桜の花びらが、彼女の死際を綺麗に縁取っている。



目の前の光景に、彼はうっとりと目を細め、陶酔するように呟いた。



「いいね、ぴったりだよ……!君はこれからこの学校の”七不思議”になるんだ。」



勝ったぁ……!あいつに勝った、俺が勝った、ちゃんと首の折れる音がした……っ!

嗚呼、自分の才能が素晴らし過ぎて絶頂してしまいそうだ。



線の細い少年は、風に揺れる少女を見上げ、右手の指を一本ずつゆっくりと撫でながら、歪んだ笑みを浮かべていた。



「……ねぇ。桜の木に吊るされる気分って、どう?」




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