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神州太鼓(そのⅠ)

 さて困った。朝のローティンのローソンでのコーヒータイム。俺は考える。今日は何処に飯食いに行こうかいな?

 以心伝心、嫁も、「今日は昼ご飯どこに行く?サイゼリヤは昨日行ったし、王将は二日前行ったし、丸純のうとどん?いつもやったらおでんの若松屋に行くんやろうけど廃業してしまったし。もういっそのこと鳥栖のみのやのうどんにでも行く?でも雨は降ってないけど曇っとるしねぇ。鳥栖まで行くなら動画撮りたいやろ」

 俺は、「う〜ん、下関の旬香に行ってみゅうか?」

 嫁、「うん行こう行こうって言っても歩かんやったら車どこに止めるん?」

「下関警察署でええんやないか?」と俺。

「警察署に用がないのに止めてもいいん?でも、昼ご飯食べる間だけやけんね」とは嫁。

 俺は考え直して、「やっぱ見咎められたらまずいな。止めとこう」

 嫁、「旬香に行くんは康ちゃんのバスに乗りに行くときだけでええやない」

 閃いた俺は、「もう一つ行くとこあったわ。チャチャタウンや」

 嫁、「そうやんチャチャタウンがあったやん。久し振りやし行こう行こう」


 チャチャタウンは廃線になった西鉄路面電車の砂津車庫跡に出来た複合商業施設だ。駐車場ビルは入居施設で何か買い物すれば三時間無料だ。このチャチャタウン、ステージがあって毎日イベントをやっている。特に土日の出し物は平日より質が高い。イベントの開始時間は確か11時からだったと思う。あまり早く行くと、12時前に3時間の無料時間が終わってしまう。


 寺迫口スタンドでガソリンを500円分入れて、駐車枠で暫し時間調整。9時前に寺迫口スタンドを出た。

 気になっていたのはユーチューブ、もうネタがない。だからといって、そう天気もよくないのに、90キロ先の鳥栖の果てまでは行きたくはない。登録者、減りに減って、今ちょうど1000人。1000人を切れば諦めもつくだろう。だったら、動画アップのペースは一週間に一本でいいんではないか。


 俺が糞会社を辞めて今年で6年目だ。チャチャタウン、ほんと久しぶりだ。1年以上来てないのではないか。一階イベント広場沿いにあった、たこ焼きの銀だこ、無くなっていた。まだ家計簿で一日の収支に厳しく目を付けてなかったリタイヤ1・2年目は、買い物と昼飯は、チャチャタウンとサンリブを交互に訪れていた。

 俺ももう7月30日で禁煙丸2年になる。あの頃は一日10本スモーカーで、喫う時間は2時間毎だったが、施設の横を流れる砂津川の畔で一人、大事な一本と、ゆっくり味わって喫っていたなぁなんて、懐かしむ。


 駐車場ビルの二階に停めて、ステージのある広場に、今日のイベントを確かめに行った。和太鼓桜舞?

 直ぐ頭に浮かんだのが、4月1日の小倉城桜祭りで見た和太鼓。あまり大したパフォーマンスではなかった。そのあと、小倉城おもてなし武将隊が控えていたので我慢して見たが。無料駐車時間は12時半までだ。余裕でイベント観覧出来るが、果たして見る価値はあるか?


 フードコートには四店出店できるスペースがあるが、一店は入居待ち状態だ。ラーメン屋がある。ランチAというのがあって、何と、半チャーハンとラーメンで748円とのこと。嫁と二つ頼んでも予算内の1500円に収まる。俺は迷うことなく、このランチAを頼んだが、嫁は、フードコートの外にあるマクドナルドでベーコンエッグマックサンドを買ってきた。


 食い終わって、嫁、「もう帰ろうか?」

「無料時間が12時半まであるけんちょっとだけイベント見て帰ろうや」と、イベント広場ど真ん中の3列目に夫婦二人、腰を据えた。


 11時開演。おっと何とまぁ上品な顔立ちの先生なこと。年の頃は、四十代か?若いときはさぞ美人だったんだろうなと思わされる。自己紹介では主人と二人で、もう21年やっているとのこと。ご主人は五十代か。

 嫁、「あのお団子ヘアーの子かわいいね」

「そうやな」


 最初の演奏は就学前の小さな子供さんだった。終わったら帰ろうと思っていたのだが、途中から加わった十代と思われるお姉ちゃんたちのかわいらしさと華奢な手で持つ割には力強いバチのパフォーマンスに魅いられ、席を立つのが憚られる。

 30分で計四度の演奏だったが、物足らなく感じさせられるほどの素晴らしさだった。前列で動画を撮っている観客がいたが、こんなん撮って何するの?って思っていた俺だったが、しまったぁ!スマホ構えとけばよかったと後悔してしまった。

 最後、先生が先頭に立ってのパフォーマンスだけ、動画に修めた。たったの5分だけだったが。

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