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戦闘訓練1

「前方で民間船が所属不明船に攻撃を受けています」


 航行、通信オペレーター席のマークスの報告により、戦闘訓練が始まった。


「了解ですわ。訓練、救難活動信号を発信、最大戦速で目標に接近しますわ」

「了解しました。火器管制システム起動・・・確認、システムに異常なし。武装のロックを解除します」


 今回の訓練ではシンノスケは監督と指導に徹し、マークスは航行・通信担当、その他の全てをミリーナとセイラが行うことになっている。

 訓練ではミサイルは実際に発射するのはもったいないので、ロックオンから射撃動作までの模擬射撃だが、その他主砲等のビーム砲は全て実際に射撃して標的機を破壊する予定だ。


「目標に接近。民間船オメガ、識別信号を発信していない所属不明船2隻を確認しました」

「了解ですわ。警告を発信します」

「了解。該船にレーザー通信を強制接続します・・・どうぞ」


 ミリーナは警告を開始する。


「こちらはアクネリア銀河連邦サリウス恒星州所属の護衛艦フブキ。民間船オメガは本艦に状況を報告しなさい。所属不明の艦船は直ちに航行識別波を発信すると共に民間船オメガから離れなさい!」

「所属不明船2隻、識別信号を発信しないままこちらに向かってきます。これより所属不明船を敵船A、Bと呼称します」

「了解。本艦も戦闘速度に落とします」


 ミリーナはフブキの速度を落として戦闘機動に備えた。


「敵船に警告信号射撃を行います。セラ、頼みますわよ」

「敵船への通信をセイラさんに回します」

「りょ、了解しました」


 セイラはガトリング砲を操作すると、敵船に命中しない方向に向けた。


「あの、接近中の所属不明船に通告します。貴船の行動は国際法に違反しています。こちらの指示に従ってください。これより信号射撃を実施します」


 警告にしては優し過ぎ、下手に出過ぎだが、必要は満たしているので及第点だ。

 セイラはトリガーを引いた。

 きっちり2秒間、ビームガトリング砲が火を吹く。

 セイラの初めての砲撃だ。


「敵船変わらずに接近中。敵船A、Bが発砲!回避行動を!」

「了解ですわ!」


 マークスの報告と同時にミリーナは回避機動に入る。

 フブキの左舷を光学レーザーが掠めた。


「敵船の攻撃を確認。正当防衛が成立しました」

「了解ですわ。訓練、戦闘信号を発信。セラ、ここからは遠慮は無用ですわよ!やっておしまいなさい!」

「りょ、了解」


 セイラは敵船との距離と、その速度から判断して使用する武装を選択する。


「敵船Aを主砲で攻撃します」


 セイラは主砲に切り替え、照準器で敵船Aをロックするとトリガーを引いた。

 フブキの主砲が先行する敵船Aを撃ち抜いた。


「敵船Aを撃沈。続けて、敵船Bを・・・えっと、対艦ミサイルで攻撃します」


 敵船Bをロックオン、安全装置を入れたままミサイル発射ボタンに指を掛ける。


「1番対艦ミサイル発射!」


 実際にミサイルは発射されないが、火器管制システムの演算により命中判定が表示された。


「敵船Bを撃沈と判断」


 監督者のシンノスケが敵船Bの撃沈判定をする。


 これで敵船2隻を撃沈。

 第1想定が終了した。

 敵船Aとされた標的機はフブキの主砲による砲撃で破壊されたが、民間船オメガと敵船Bの標的機はまだ使える。

 次の想定に備え、1機はフブキの付近に留まり、もう1機は飛び去っていった。


 第1想定が終わったところでシンノスケが講評をする予定だったが、結果は良好。

 特に指摘する点も無いのでこのまま訓練を続けることにする。


 

 第2想定は民間船護衛で、民間船オメガを護衛して守り抜くことが目標だ。


「訓練を開始します」


 マークスの報告と共に民間船オメガ役の標的機が動き始めた。


「護衛任務開始。フブキは民間船オメガの方位6+5(6時の方向、上方5度)の位置で警戒に当たります」

 

 ミリーナはフブキを護衛対象の後方、上方に位置取りをする。

 あらゆる方向からの攻撃に対応出来る基本的な位置取りだ。


 これは訓練なので、直ぐに状況が動く。


「方位10から8の範囲、所属不明船4隻急速接近!民間船オメガを狙っていると推定!」

「了解ですわ!フブキを所属不明船と民間船オメガの間に割り込ませます。セラ、所属不明船に警告を」


 セイラは火器管制システムを起動する。


「了解です。・・接近中の所属不明船に警告・・・」

「所属不明船発砲!正当防衛、緊急避難が成立。所属不明船を敵船AからDと呼称します」

「了解ですわ!訓練、戦闘信号を発信。セラ、行きますわよ!」

「了解しました。戦闘準備」


 武装のロックを解除したセイラは敵船の動きに気を配りながら反撃に備えた。

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― 新着の感想 ―
ふむ。 シンノスケの実体験をトレースする感じですかね。 再現が容易で、これまでに自己採点もしているでしょうから。
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