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38:貴族の爵位授与式

 貴族の爵位授与式が執り行われるまでの4日間、私達はそれぞれ王都で有意義に過ごした。


 私は魔術学園に向かい、特別施設にある料理科を訪ねた。

 その目的はもちろん、ホワイトチョコレートの開発の進行具合を見るためだ。


 パーシアちゃんによると、すでにホワイトチョコレートは完成しており、いつでも販売可能な状態のようだ。



「先日王宮でホワイトチョコレートの試食会を開催したのよ!」


 

 王宮で多くの貴族を集め、すでに試食会を開き、幅広く宣伝もしているようだ。


 次にリリちゃんの研究所を訪ねると、珍しく留守のようだった。

 どうやらリリちゃんは最近体を鍛えるために、赤薔薇騎士団の方に顔を出すようになっているようなのだ。


 赤薔薇騎士団といえば、確かアイリンが見学に向かった場所だ。

 憧れの赤薔薇騎士団の様子を見たいとアリスちゃんに相談したところ、二つ返事で許可が下りたのだ。


 アリスちゃんにしてみれば、将来有望なアイリンに赤薔薇騎士団を見せておくのは、やぶさかではないのだろう。


 赤薔薇騎士団を訪ねると、さっそくアイリンが団員に混ざり、訓練を体験している様子が見えた。


 そのアイリンの指導をしているのは、どうやらリリちゃんのようだ。



「お久しぶりですリンネ様! 団長のソレンヌ・イーテ・ドゥプラです!」


「副団長のスー・イーテ・ガダンヌですわ!」



 ソレンヌ団長は、男爵位を賜りあのオーバン家を出て、ドゥプラ家を立ち上げたそうだ。

 今では2人の子持ちなのだそうだが、子育ては使用人に任せ、国のために戦うことを選んだようだ。

 魔力のせいか、それとも魔拳流のせいか、ソレンヌ団長も年齢のわりには若く見える。


 スーちゃんはすっかり言葉使いも変わり、大人の女性そのものに見える。

 子供は5人いるそうだが、獣人の集落の方で面倒を見てもらっているようだ。

 獣人は皆で寄り添い、子育てをしていくそうだ。

 そんなスーちゃんも騎士爵位を賜り、今ではその集落の代表でもあるのだ。


 そんな2人には、昇爵祝いとこれからのイーテルニル王国を任せるために、闘魂ブローチを贈ったよ。


 実は闘魂ブローチは、アリスちゃんとエマちゃんと、マルスリーヌ夫人にしか贈っていない。

 全員見た目だけの赤薔薇ブローチは付けているようだが、闘魂紅葉の機能を備えたものは、闘魂ブローチだけなのだ。



「やっと私達も・・・」



 2人とも目にうっすらと涙を浮かべて、喜んでいたが、それほど嬉しい贈り物だろうか?



「ちょっとリンネお姉ちゃん! あんな贈り物人にポンポンあげちゃだめよ!」



 リリちゃんにはそんな風に注意を受けてしまった。

 リリちゃんの見た目は1ヶ月前と同じ、10歳くらいの姿のままだ。

 リリちゃんは自分の方が背も高く、お姉ちゃんの見た目なのに、相変わらず私のことをお姉ちゃんとよぶ。



「ちょっとリンネ! リリお姉さまと知り合いだったの!?」



 そう言ってやってきたのはアイリンだ。

 私は呼び捨てなのにリリちゃんはお姉さまよびとか、いったいどういうことだろう?

 そこんとこ小一時間ほど問い詰めたい気分だ。


 リリちゃんとアイリンは、どこか雰囲気が似ているせいか、ずいぶんと意気投合しているようだ。


 そんな感じでその日は、集団での模擬戦にも参加させられたよ。

 リリちゃんは相変わらず強く、土剣をボロボロ破壊されるので、感情を乗せて丈夫にした土剣で対抗したよ。


 アイリンは途中で脱落していたが、闘魂ブローチを渡した2人が、かなり善戦していた。

 まあリリちゃんと私の戦闘には、ついてこれなかったようだがね。





「ひえ~~! 地獄だ!」



 リンデルの悲鳴が王宮中にこだまする。


 リンデルはその4日間、礼儀作法を勉強するために、缶詰状態だったようだ。

 まあリンデルの礼儀作法は王子として、とても及第点とは言えなかったから仕方がないね。

 後で気晴らしに、孤児達の集合住宅にでも連れ出してあげよう。



「少し知り合いの貴族にな・・・」



 クマさんは知り合いの貴族への、挨拶回りをしていたそうだが、その辺りのことは詳しくわからなかったよ。

 クマさんの貴族の知り合いが、多いことだけはなんとなくわかるがね、





「それではイーテルニル王国貴族への、爵位授与式を開始します!」



 爵位授与式では多くの貴族がよばれ、謁見の間が全て貴族で埋め尽くされているほどだ。


 下の階位から順番に、貴族がよび出されていく。

 よび出された貴族は、宰相であるチャールズのおじさんの前に行き、爵位を賜るのだ。

 その後ろの壇上の上では、玉座に腰かけたアリスちゃんが、その様子を見ている。

 リンデルはその右後ろの方に、緊張の面持ちで立っている。

 リンデルの隣にいるのが、例のマルちゃんの子供だろうか?


 アイリンは赤薔薇騎士団のメンバーとともに、貴族達に混ざり、式の様子を見ているようだ。

 もっともアイリンは、エテール家の代表としての参加という、扱いにはなっているようだがね。


 私とクマさんは、壇上にある右の扉に隠れ、出番を今か今かと待ちうけている。


 ちなみに私の目の前の壁には、透けて見える工夫がほどこされ、式の様子が見えるようになっているのだ。



「クリフォード・イーテ・エインズワース!」


「はい!」



 ついにクリフォードくんの名前も呼ばれ、宰相閣下であるチャールズのおじさんの前に傅く。


 クリフォードくんもこれで、侯爵閣下だね。

 これからはクリフォード侯爵とおよびしないとだめかな?



「今宵は皆集まってくれてご苦労です! 実はわたくしから皆に紹介したい御仁がいるのです!」



 全ての貴族への爵位の授与が終わると、アリスちゃんが王座から立ち上がり、大きな声でそう貴族達に告げた。



「それがわたくしの夫であり、リンデルの父にあたる・・・リンネ・イーテ・ドラゴンスレイヤー殿です!!」



 アリスちゃんのその掛け声とともに、私は右扉から天使モードでふよふよと壇上の中央へと、クマさんを伴って出ていくのだ。



「「おおおおお!!」」


「なんだあの御仁は!?」


「あれではまるで神ではないか!?」



 私の姿を見た貴族達が、驚愕の声を上げる。


 そしてなぜか私は皆の前で、鼻歌でたまたま歌っていたアニソンを、アレンジした歌詞で歌わされたよ。

 風魔法を巧みに使い、神気をのせたその声は、まるでオペラ歌手のような美声に聞こえたことだろう。


 その歌声に貴族達がうっとりと耳を傾ける様子が見て取れた。


 そのあとは社交会が催され、怒涛の質問タイムが始まった。


 すると当然のように私の前に長蛇の列が出来上がったよ。



「最近息子が腕に包帯を巻いたり、右の眼がうずくなどといって・・・」


「それは厨二病です。時期をおけば改善するでしょう・・・」


「子供が勉強をしなくて困っております・・・」


「無理に勉強をさせようとせず、自分からやる気を出すように・・・」



 そしてなぜか、次々と私に悩みを相談する貴族達。


 貴族同士の挨拶というより、もはやお悩み相談所みたくなっていたよ。


 なんだこれ?

 

【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


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