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46:龍王学園との交流試合5


 ガガキン! ガキン!


「なるほど。貴方はやはり、常時龍の力を発動できるようですね?」


「ほう? 魔力視で我が魔力の動きを見破ったか? だが某のその攻撃にも、全くひるむ様子がないとは、さすが魔王と噂されるほどの姫だ」



 アリスちゃんとサイ生徒会長の激しい攻防が、繰り広げられる。


 現在私達は、交流試合を行うために、龍王学園に来ている。

 その交流試合は大将戦を迎えており、始まってから今まで、休むことのない攻防が繰り広げられているのだ。



「其方は回復魔法も使えるようであるな? この激しい攻防の合間に回復魔法を使い、疲労をせぬようにしておるのだろう? その膨大な魔力ゆえに、それが全く尽きる気配が見えぬのは少々厄介よな・・・」



 現在のアリスちゃんとサイ生徒会長の力は互角に思える。

 だが回復魔法で疲労しないアリスちゃんは、サイ生徒会長よりも有利と言える。


 徐々に疲労の色が見え始めたサイ生徒会長は、この激しい攻防の中、押され始めているのだ。



「ふん!」


「!!」



 サイ生徒会長はいったん舞台隅に飛び、この不利な状態からの離脱を図るようだ。



「其方にはもう1段階力を上げねば、勝てぬようであるな・・・」


「もう1段階力が上がるのですか? それは楽しみですね!」


 

 そのサイ生徒会長の言葉に、アリスちゃんのバトルジャンキー気質が顔を出す。



「ふん!」


 メキメキ!!



 サイ生徒会長が舞台隅で何かの魔力を開放する。


 するとサイ生徒会長の頭からは龍のような角が生えてきて、牙が生え、爪も鋭くなる。

 肌には鱗のような刺青が現れ、龍の尻尾と翼まで生えてきた。


 

「それはリンネお姉さまの龍人化!? やはり貴方は・・・・」


「ほう? ドラゴンスレイヤー殿もこのスキルを・・・? まあ詳しいことは、貴女を倒してから聞くことにしましょう!!」



 そういうとサイ生徒会長は、アリスちゃんに向けて走り出した。



 ババキン!! バババキ~ン!!


「くっ!!」


「ハハハ!! この動きにもついてくるのか!?」



 先ほどとは打って変わり、今度はアリスちゃんが徐々に押され始める。

 サイ生徒会長の速さと力は、先ほどとは比べ物にならないほどに上昇しているのだ。


 アリスちゃんも身体強化にかける魔力を増大して対抗しているようだが、やはり龍人化によるパワーアップをとげたサイ生徒会長には一歩及ばないようだ。



「トウコンモミジ発動!!」


 ビユウゥゥゥ~!!


「何!?」



 そこで光とともに大風が吹き荒れ、サイ生徒会長を舞台隅まで吹き飛ばす。


 そしてアリスちゃんから膨大な魔力が溢れ出す。

 アリスちゃんの筋肉量が増し、身長は2メートルを超える。

 その膨大な魔力で、目も赤く輝き始める。



「リンネお姉さまの力をここで使うのは本意でありませんが、この勝負・・・負けるわけにはいきませんので!!」


「何だあれは!?」


「巨大化したぞ!!」


「魔王!?」



 そのアリスちゃんの様子に、生徒達が次々と驚愕の声を上げる。



「まさか本当に魔王化までするとは!?」



 その魔王のように変貌したアリスちゃんに、サイ生徒会長が突撃する。



 バキン!! ドカ~ン!!


「ぬお!!」



 しかしただ2発の蹴りのみで、サイ生徒会長は再び舞台隅に吹き飛ばされる。



「ぬ! パワーで某のこの状態を凌駕するのか!? だが其方がそうくるのならば某にも考えがあるぞ!!」


 メキメキメキ!!


「止せサイ!! この会場を破壊する気か!?」



 その様子にパテカトル学園長が静止を呼びかけるが、サイ生徒会長は止まる様子もない。


 そしてそこには、体長6メートルほどの、緑色のドラゴンが立ち尽くしていた。


 やはりサイ生徒会長の正体は、ドラゴンだったのだ。



「ひいぃぃ!!」


「何だあれは!?」


「ドラゴンだ!!」


 

 その様子に会場中が阿鼻叫喚となる。


 だがその様子を見たアリスちゃんは怯む様子もなく、狂暴な笑顔を浮かべる。



 バキン!! ドドド~ン!! ドカーン!!



 そしてここにスーパーバトルが勃発する。

 もはやそこに技術などという言葉は存在するのだろうか?


 お互い取っ組み合い、投げ飛ばし合い、まるで怪獣同士のプロレスでも見ているかのようだ。


 身長はドラゴンのサイ生徒会長が上だが、パワーは同じくらいのようだ。


 もはやお互いの武器など、割り箸くらいにしか見えない。


 木剣を持った手で殴り、長棒を投げつける。


 ただサイ生徒会長が危険な噛みつき攻撃をするものの、アリスちゃんには理性が残っているようで、危険な魔法は使わないようにしているようだ。


 ただそれでも、地面はえぐれ、建物は崩壊する。


 これは止めないとやばいやつだよね・・・・



「サイ・チョウシュウを失格とする!!」



 そのパテカトル学園長の声で、ようやく2体の怪物が動きを止める。



『な、なぜです父上!?』


「お前は噛みつきなどという危険な手段を使った!! それ以前に禁止しているドラゴンの姿での戦闘を、この試合で行ったのだ!!」


『し、しかし父上! 先に怪物になったのはあちらであって・・・』


「いや・・・・あれはまだぎりぎり人間である!! それに危険な魔法は一切使っておらなんだわ!!」



 どうやらパテカトル学園長の基準では、まだあの状態のアリスちゃんはぎりぎり人間であるようだ。


 そしてその言葉に、ようやく自分の失態を思い返すサイ生徒会長。



「勝者! アリスフィア・イーテルニル!」



 そのサイ生徒会長がうなだれると、パテカトル学園長がアリスちゃんの勝ちを宣言する。



「うおおおおおお!!」



 そして勝どきを上げる、魔王のようなアリスちゃん。


 お姉ちゃんそんなアリスちゃんは見たくありません!



「「わあああああ!!」」


「すげえぞ魔王!!」


「かっこいい!!」



 そしてそのアリスちゃんの勝どきに、遠巻きに見ていた生徒達も歓声を上げる。

 しかし上空に急に影が差し込むと、その声援もピタッと止む。


 これは何かやばそうなのが来たね・・・?



『やってくれましたわね貴方達!!』



 そしてしばらくすると上空から、全長20メートルはあろう黒く巨大なドラゴンが飛んで来たのだ。


【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


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