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霊感ケータイ  作者: リッキー
伊吹丸
82/450

12.東方征伐

途中省略・・


ここからは、物語のスピードを速める為、中間ストーリーを幾つか省略させていただきます。

尚、中間エピソードは「6」の随所に散りばめられています。


中間エピソード


「玄海の章」

 「6」下巻「屍操術」


「望月の君の章」

 「6」上巻「転機(望月の君の回想部分)」


を御参照ください。









帝の一行が熊野より戻り、半年が過ぎようとしていた。

都は相変わらず「もののけ」が蔓延り、伊吹丸やヤスマサによる「妖怪退治」が繰り返された。


そんな中、関東にて、地方豪族の勢力が無視できなくなる事態となる。


その鎮圧のために、ヤスマサに白羽の矢が当たった・・・

都での「もののけ退治」が評価されたのだ。





ヤスマサの邸内・・

月明かりの中、池にかかる橋の上に、ヤスマサとイクシマが話をしている。


「ヤスマサ様・・ 東方へ行かれるとか・・」



「うむ・・ 1万の軍勢を率いての行軍じゃ・・」




「それは・・ 出世したのでございますか・・」


「そうじゃな・・ワシも越後の一豪族から、帝の軍を任せられるようになったのじゃやな・・」



「ヤスマサ様・・ どうかご無事で!」



「うむ・・ イクシマ・・」



「はい・・」



「これを、伊吹丸に渡しておいてくれ・・」

愛用の笛が手渡される。


「ヤスマサ様・・・」


「もう・・そなたにも会えぬやも知れぬ・・


ワシに何かあった時は・・


和泉も頼むと・・伝えてくれ・・」



「はい・・」



「イクシマ・・・」



「はい・・」



「そなたとは・・幼き頃からの付き合いだったのう・・」


「さようでございますな・・」

月を眺めるイクシマ。



月を眺めるイクシマが、愛おしいと思ったヤスマサ・・


「そなたも、綺麗な女子おなごになったな・・・」


「ヤスマサ様・・・」


肩を抱き寄せるヤスマサ・・

ヤスマサのされるがままに、身を任せるイクシマ。


次の日、ヤスマサは1万の兵を率いて、東方へと進軍する。




  ・

  ・

  ・

  ・


「は!」


パシ!!


庭の中央に置かれた石がはじかれる。

「念」を飛ばす訓練をしている翔子ちゃん。


「もう少しじゃな・・・」


「なかなか上手く行きませんね・・」


「焦る事は無い・・「念」を集中することも大事じゃ!」


「集中ですか・・」


「あの石を思い浮かべ、それが、粉々になる事を心の中で思うのじゃ!」


「イメージってやつですか?」


「イメージ・・よくわからんが、そのような事じゃ!」



「やってみます!」



「う~ん・・」


石が粉々になるイメージをする翔子ちゃん。


「は!」


パキン!!!


石が粉々になる・・


「やった~!!」


「うむ・・上出来じゃ!」



集中しすぎて、疲れが出てきた翔子ちゃん・・少し休む事にした。

お茶を飲みながら話す二人。







「でも、ヤスマサ様って望月の君と両想いだったんじゃないんですか?」


「そうじゃな・・」


「この頃って、色んな人と恋愛するのが普通だったんですか?」


「恋愛というか・・ ピー をすることも、かなり自由じゃった・・縛りは無かったのう・・」


「子供、出来まくりですね・・」


「子は国の宝じゃ・・


この頃は、子供が生まれても病気や飢えで成人するまで育つほうが稀だったのじゃ・・」


「現代は、医療が発達して、病気で死ぬことも少なくなりました・・」


「夢のような世界じゃのう・・」


「そうですね・・飢えで死ぬということも殆どないし・・」


「われ等の時代からは、考えられない事じゃ」


「そんな幸せな時代に生まれても、不幸に感じる人が多いんです・・」



「全く・・身勝手な者達よのう・・・」


そびえる山を見ながら、話し込む二人だった・・・


  ・

  ・

  ・

  ・



帝に謁見している関白と大納言。



「ヤスマサも、次々に手柄を立てておられるようじゃな・・」

茨木の君がヤスマサを褒める。



「この上無い栄誉にござります。」

大納言が答える。


「大納言殿も鼻が高いところじゃのう・・」

関白も褒めている。



ヤスマサが東方遠征に出向いて、半年・・三河から駿河にかけて、進軍する際に、有力な反対勢力をことごとく打ち砕いて行ったのだった。



「じゃが・・・」

関白が暗い表情になる。


「如何した?」



「関東より東方の豪族達が小田原へと結集しておるとの噂が広がっております・・」



「小田原とな・・」



「その数、5万とも・・」


ヤスマサの率いる兵は1万・・既にそれまでに兵を消費し、8千に満たなくなっている。

そんな状況でもくじけずに進軍をするヤスマサの勇猛果敢さに、皆関心を寄せていたのだった。


「関白殿・・ そろそろヤスマサに援軍を送らねばならぬのでは?」



「兵も疲れてきているでしょう・・」


「東方征伐を本格的にするには、更なる増強が必要です・・より強力な兵力が・・」


「関白殿・・」


「は?」


「そなたの、頼光殿の出番では?」

大納言が進言する。



「はぁ・・ 相手が5万ともなれば・・・」


「8万ではどうかな?」


「都の兵士を、皆かき集めねばなりますまい・・・それだけの力は・・・」


「頼光殿ならば、できるでしょうな・・」


「帝・・如何なものか・・」

関白が帝に問いただす・・


「東方へ出向くに、大軍を率いるとな・・」

茨木の君が、その申し開きに答える・・


「御意・・」


少し、考える茨木の君・・

「わかった!頼光に東方征伐の権限を任せよう!」


「ありがたき幸せにございます!」


頼光の采配の元、都の兵が、ことごとく招集された。

東方征伐に沸きあがる都・・


様々な思惑が交差する・・


運命の時が近づいていた・・・・


  ・

  ・

  ・

  ・





修羅の奥地・・「幽閉場」と呼ばれる翔子ちゃんが飛ばされてきた場所より、遥か遠方・・


シュン!  シュン!!


バサ!!


二つの影が木々の間を飛び交う・・


不気味な気を放って、何かを求めてさ迷っている・・・


「兄者!まだ、この先か?」


「いや・・この辺りかも知れぬ!」



「間違いない!!この『気』だ!!」


「捜し求めて、修羅をどれだけさ迷ったか・・・・」



木の枝に取り付いて、辺りを探る・・



「向こうの方角だ!」


翔子ちゃんの小屋の方向を指す・・


「フフフ・・ あの時の屈辱・・ やっと、晴らすことが出来る!」


「待ちに待った時が参りますな!」


黒い影・・・


「熊童子」と「虎熊童子」・・・その姿があった・・・

翔子ちゃんが、修羅で修行をしている噂を聞きつけたのだろうか・・・


その目的ははっきりしないまでも、

この二人の童子は、修行をしている小屋の方へと向かっていった・・

翔子ちゃんの身に危機が迫る・・





そんな事も知らず、小屋の周辺で修行をしている翔子ちゃんと伊吹丸。


シュン!   シャッ!!


庭の周辺の木々の枝に飛び移りながら、お互いに間合いを取っている二人・・・


「は!」


ビシ!!


翔子ちゃんの乗っている枝が、折れる。

だが、次の枝に飛び移る。


「ふん!」


「なかなか、やるようになったな!」


俊敏な動きを身に着けている翔子ちゃん・・

山の頂上に上ってから、身が軽くなって、動きもかろやかになっているようだった・・


「師匠様!まだまだ!!」


サ!!


「ほう・・ワシの動きについて来れるか・・・」



どうやら、『鬼ごっこ』をしているようだ。

伊吹丸が逃げ、翔子ちゃんが追っている・・


枝を飛び移りながら、身を交わす伊吹丸。


「ははは!まだまだじゃな!!」


シュン!!


「うむ?」


後ろに回りこまれた・・


「はい!タッチです!!」


肩をポンとたたく翔子ちゃん・・


「つかまってしまったな!」


「今度は、師匠様が鬼ですよ!!」



再び鬼ごっこが始まる・・・

修行なんだか・・・遊んでるんだか・・・・






「あはは!師匠様・・やっぱり早いな~・・」


「ふふ・・さすがのワシも少々疲れたぞ・・小屋で休むとするか!」



「はい!お茶の準備をしますね!!」




お茶の支度をしながら、話す翔子ちゃん。


「でも、ヤスマサ様も、すごい出世ですね!」


「1万の軍勢で、あれだけ進むのも容易ではない・・」


「帝を守る、伊吹丸様、軍を率いるヤスマサ様・・二人の活躍が楽しみです!」



「うむ・・そのような日がくれば・・楽しかったじゃろうな・・」


「え?」









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