18.祝!ゴーストバスター部!!
朝の日差しが目に入り、目覚めた・・
宿直室に布団が敷かれ、寝かせられていたらしい。
どれくらい、寝ていたのだろう?
横を向くと、彼女が寄り添って寝ていた。
僕は、あの一連の事件が終わったとほっとした・・
彼女は前の悪霊退治の時よりも力が半減していた。
翔子ちゃんが来てくれなかったらどうなっていたか・・
「あ、ヒロシくん!目が覚めた?」
先生の声がする。
「先生・・」
その声とともに彼女も目覚める。
寝ぼけ眼で、目をこすりながら
「あ・・ヒロシくん・・」
「二人とも、頑張ったね!!」
彼女と目を合わせる。お互いに無事を確認し、にこっとする。
「あ、今、朝食にするから!千佳ちゃ~ん、パン焼けた~?」
「ハ~イ!」
「準備は万端ですヨ!」
校長先生も、手伝っているようである。
先生が、食卓の準備に加わる。
宿直室に二人残されている。
「ああ・・・退治できたんだね・・」
「ウン・・何とかね・・」
彼女は一瞬、嬉しそうな顔をしたが、少し物思いにふけっている顔になった・・
力が半減した事を悩んでいるのだろうか?
「翔子ちゃんも、だいぶ修行してるみたいじゃない!!」
「そうね!・・私も負けられない!!」
そう言うと、スッと立ち上がり、食卓の方へ勇んで歩いていく彼女・・何かまずい事言ったのかな??
何が負けられないのだろう??
僕も、食卓の方へと向かう・・
みんなが机に座っている。
「いっただきまーす!」
「いや~・・君たちの活躍で、この合宿所も再開できるよ!」
「悪霊を退治してくれたんですものね・・」
「スゴイね~・・私・・ただ見てるしかできなかった!」
「でも、翔子ちゃんが来なかったら、どうなってたか・・」
彼女がポツリと言う・・
「そうね・・元気で何よりだったわ・・」
う~ん・・亡くなった人に「元気」とかはないんだけどね~・・
「校長先生!これで、晴れて部活として認めてもらえますよね!」
先生が、切り出す。
「そうですね・・認めることとしましょうか!」
「ヤッター!!」
一同喜ぶ・・
でも・・何かを忘れているような気がする・・・
「あのさ・・あの悪霊が取り込んだ霊が開放されたってことは・・」
「あ~!!!!」
一同が、思い出したように叫ぶ・・
そう・・開放された霊は、元通りこの合宿所にいるのだ・・
思い悩んで自殺した生徒や、お風呂で水死した生徒の霊が・・
みんなが、目を合わせる・・
「どうする?」
「ど・・どうしよう?」
「校長先生・・一番大変な事は解決したので・・あとは・・」
先生が交渉するが・・
「はっはっは・・・残りの霊もお願いしたいのですが・・・部活の認可はその後ということで・・」
上手く丸め込まれた僕たちだった・・
「え~~~??!!」
それから一週間、この合宿所に残って除霊をしまくった僕たちだった・・・・・
教務室
会議が行われていた・・前回の面々である・・
校長先生が説明している。
「・・・ということで、このゴースト・バスター部を認めることとなりました」
その報告に指をくわえている教頭先生・・
自信満々で満面の笑顔の雨宮先生だった・・
これで、晴れて、部活動として認められた僕たちだったが、「四天王」の存在が気になる・・
いずれ対決する日が来るのだろうか・・