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霊感ケータイ  作者: リッキー
現場
426/450

152.信頼関係



「パパも、美奈子も負傷した・・・

 私を都心から呼び戻したのはいいけれど・・・


 犠牲者を出してまで、

 少年の行方を知りたかったの?


 一歩間違えば、死人が出る・・・」


先輩に問い詰めるお母様。



「私は・・・・

 童子やHijiriと対決しなければ・・・」


苦々しい表情で答える先輩。



「あなたはブレイン・・

 司令塔の役割をしているのよ!


 さっきの霊を無差別に傷つけていたけれど・・・

 逆上して、

 我を失って、

 役割を放棄して・・

 目の前の相手しか見えなくなる!

 

 皆の安全を考えなければならないのに・・

 仲間に危険を侵させて・・


 目的のために手段を選ばない・・・

 皆はあなたの駒じゃないのよ!


 それでは・・

 博士や教頭先生・・

 童子と同じよ!!!


 恨みや憎しみは、

 何も生み出さない!!」


激しく先輩を責めるお母様・・・


「童子や・・博士と・・・同じ・・?


 違う!!

 私は!!!」


反論するが、その言葉を聴こうとしないお母様。




「しばらく、私は、

 あなたの指示から外れます!


 これでは

 命がいくつあっても、

 足りないわ!!」


「陽子さん!」

先輩が叫ぶがその言葉は無視して、先生を呼びつけるお母様。


「雨宮さん!学校までお願いするわ!

 美奈子を連れて帰ります!」


「は・・はい!」


お母様の後を追う先生・・


 バタン!


公園を出て、先生の車が学校を目指して走っていく。



それを見守る僕。

そして、俯いたままの先輩・・・・


「ヒロシ君・・・


 私・・・」








学校・・・


廊下で彼女を介抱している千佳ちゃんと拓夢君・・・

膝に彼女の頭を乗せた状態で、彼女に話しかける・・・


「美奈ちゃん・・・

 痛む?」


「うん・・・


 だいぶ・・

 良くなってきたよ・・・」


千佳ちゃんの手をしっかり握る彼女。


「こんなに・・

 苦しそうになって・・・・


 いつか、

 誰か死んじゃいそうで・・・


 怖いよ・・・」


目に涙を貯めている千佳ちゃん・・・



「千佳ちゃん・・・」

呟く彼女・・・







「私・・・

 先輩が

 信用できない・・・・」


千佳ちゃんがポツリと放った・・・・






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