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霊感ケータイ  作者: リッキー
現場
421/450

147.追跡


学校・・


工作室で、僕に必死にしがみつく彼女・・

ワラ人形の攻撃がある度に、彼女が痛みを感じて、苦しがる・・


 コーーーーン!!!


「うが!!!」



「美奈!!」


「ミナちゃん!!」

千佳ちゃんが彼女に寄り添う。


「何とかならないの?!!」

千佳ちゃんが拓夢君に叫ぶが・・


「う・・

 僕・・結界の張り方・・分からないし・・・

 どうすれば・・」


「早く!!

 安全な所に連れて行かないと!!」


安全な所と言っても、結界を作らない限りはどうにもならない・・・


「そうだ!!

 音楽室なら!!

 ミナちゃん!!動ける??」


「う・・


 ダメ・・・」


力が出ない彼女・・疲労もピークに達していた。





 コーーーーン!!!


「うぁ!!」



何度も繰り返し襲うワラ人形の攻撃・・

何処で行われているかも分からず、防ぎようがない・・・


「ヒロシ君!これじゃあ、死んじゃうよ!!」


「ああ!音楽室へ連れて行こう!!」


僕と拓夢君の二人で彼女の肩を担いで、音楽室へ向かう・・


だが、ここは中校舎の2階・・

渡り廊下を渡って、北校舎の3階まで移動しなくてはならないのだ・・


工作室を出て、長い廊下を歩き出す。


「美奈ちゃん・・・ゴメン!!

 私が・・学校で浄霊しようだなんて・・

 誘ったから・・こんな事に・・」


千佳ちゃんが彼女を介抱しながら目に涙を溜めている。



「ハァ・・


   ハァ・・


 千佳ちゃん・・


 の

 せいじゃ・・


 ないよ・・」



「先輩から危険だって・・

 ずっと注意されていたのに!

 私の考えが甘かったのよ!」



「私だって・・・

 勝手に・・

 行動したから・・・」


胸が苦しそうな彼女。


その時・・



 「その通りよ!!!」



後ろから、勝ち気な大人の女性の声がした。







「え?」


振り向く僕達・・

廊下の向こうに・・・


「望月さん!大丈夫??」



「先生!!」


慌てて駆けつけてきた雨宮先生と・・もう一人の女性・・



「お母様・・・」


彼女のお母様が腕組みをして立っていた。

彼女が意外な人物の登場に驚いている。


「自分の勝手な動きで、

 皆を危険な目に合わせているのよ!


 己の未熟さを

 自覚しなさい!!」



「はい・・

 お母様・・


 ごめんなさい・・」


目に涙を溜めている彼女・・



「全く!!

 世話の焼ける!!!」


そう言って、彼女の周りの四方に向けて手刀を打つ彼女のお母様・・


 バシイ!!!!


結界が展開され、彼女が楽になった。

彼女に駆け寄って、胸に手をかざすお母様。


「美奈子!しっかりなさい!!」


「お母様・・

 済みません・・・」



「黙ってなさい!!

 酷い・・傷!」


お母様が気を入れ始める。



「水島さんが、私を呼んでくれたから、良かったものの・・・

 来なければ、大変な事になってたわ!」


「先輩・・が・・?」



「ええ!水島さんは、

 こうなる事を予測してたのよ!」


先輩がお母様を呼んでいたとは・・

何とか彼女も助かった・・・











先輩が自転車で街路を走り抜ける上空。



「パパさん!方向はわかりませんか?!!

 そろそろ、陽子さんが来るころです!!

 ワラ人形の攻撃も終わってしまう!」



パパが衝撃波の来る方向を見定めた。


「あれは、前回の丘の上の公園の方向だ!」



前回と同じ、丘の上の公園の樹林帯にワラ人形を打つ少年が居るというのだろうか・・

目を瞑り、先輩の持つ霊感ケータイへメッセージを送るパパ。



チャラララ・チャラララ



ピッ



メールを受け取る先輩。


「了解です!

 先に行ってて下さい!」





 了解!!


  パパ



丘の上の公園の方へ急行するパパ。

先輩も、そちらへと急ぐ。








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