137.放課後
放課後・・・
音楽室に、再びゴーストバスター部のメンバーが集まった。
それぞれの調査に乗り出す前に、皆で集まって、そこから出発しようという事だった。
僕が先輩の事を思いだす。
「あ!そう言えば・・
霊感ケータイを先輩に渡さなきゃ!!」
「そっか・・その話、どうするか、決めなかったね・・
でも、ダメよ!ヒロシ君!!」
彼女が再び、制止する。
やっぱり、ダメだよな・・・
そこへ、先輩が入って来た。
「ヒロシ君!霊感ケータイ、どうするの?」
返事が来ないから、催促しに来たみたい・・・
彼女と先輩の目が合う・・・
「先輩!私が一緒に帰ります!」
「え?方向逆じゃない!!
そこまでする理由があるの?」
「理由?・・
それは~・・
・・・
そうだ!!
帰る途中で、ヒロシ君を襲う気なんじゃないんですか?」
「襲う???
もう!あんたの頭の中は、それしかないの?」
「だって!私、ヒロシ君の彼女なんですから!」
「今は、それどころじゃないのよ!
ニュース、見てないの?」
言い合いになっている先輩と彼女・・
周りのメンバーの入る隙は無い・・・
その時・・
「!!!!!!!!!!!!」
彼女と先輩の口喧嘩が止まった。
「何!!!???
何なの?」
「これ・・一体・・・?」
突然、彼女と先輩が何かに気づいて叫び出した。
「どうしたの?」
僕が聞いてみる。
「う!・・何?これ・・・」
千佳ちゃんが呟いている。
「悲鳴に似てます・・・」
拓夢君が答えている。
僕と先生、沙希ちゃんは呆然としている・・
何が起こっているのか・・
霊感のあるメンバーが異常を訴えていた。
「う!!!!
あああああああ!!!!!!!」
彼女が頭を抱えて叫びだした。
頭を抱えて、うずくまっている。
「ううう・・・」
先輩も苦しそうになっている。
「大丈夫?!!!
望月さん!・・
水島さんも!・・・」
先生が動揺している。
僕と沙希ちゃんで介抱を始める。
何が起こっているんだ???
「拓夢君!
何が起こっているの?」
先生が拓夢君に訊ねた。
「悲鳴に似た・・
音が聞こえるんです!!」
耳を押さえながら、叫んでいる拓夢君。
耳を押さえても聞こえるという事は、脳に直接響いているという事なのだろうか?
「音?
そんなの・・聞こえないけど・・」
沙希ちゃんが不思議がっている。
「霊感が強い人ほど、聞こえるみたいだ!
オレと沙希ちゃんや先生は霊感が無いから・・」
僕が補足する。
僕の介抱している彼女が一番酷かった。
ツインテールで髪止めをしていても、尚、先輩よりも症状が重そうだ。
頭を押さえて、辛い表情をしている。
「これは・・・
あの・・博士が・・・
何かしてる・・・」
彼女が苦しそうに僕に訴えている。
「まさか!・・
消磁??」
先輩が呟く。
博士が延期していたという消磁作業が行われているのだろうか?
僕達が北校舎の地縛霊を全て浄霊して、ストップさせていたのだが・・・・
「隣の校舎から・・
聞こえます・・・
博士の装置の影響なら・・
止めさせないと!!」
拓夢君が叫ぶ。
「望月さんと水島さんは、苦しそうね・・
この校舎から移動させましょう!
ヒロシ君と沙希ちゃんが付き添ってくれる?」
先生が彼女たちを音楽室からの避難を促す。
「はい!」
沙希ちゃんが返事をする。
「拓夢君と千佳ちゃんは動けそう?」
「はい・・何とか・・・」
「隣の校舎の詮索に行きましょう!」
「はい!」
先生と拓夢君、千佳ちゃんの3人で、悲鳴に似た音の詮索に向かう。




