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霊感ケータイ  作者: リッキー
現場
411/450

137.放課後



放課後・・・


音楽室に、再びゴーストバスター部のメンバーが集まった。

それぞれの調査に乗り出す前に、皆で集まって、そこから出発しようという事だった。


僕が先輩の事を思いだす。


「あ!そう言えば・・

 霊感ケータイを先輩に渡さなきゃ!!」


「そっか・・その話、どうするか、決めなかったね・・

 でも、ダメよ!ヒロシ君!!」


彼女が再び、制止する。

やっぱり、ダメだよな・・・


そこへ、先輩が入って来た。



「ヒロシ君!霊感ケータイ、どうするの?」


返事が来ないから、催促しに来たみたい・・・


彼女と先輩の目が合う・・・


「先輩!私が一緒に帰ります!」


「え?方向逆じゃない!!

 そこまでする理由があるの?」


「理由?・・

 それは~・・

 ・・・

 そうだ!!

 帰る途中で、ヒロシ君を襲う気なんじゃないんですか?」


「襲う???

 もう!あんたの頭の中は、それしかないの?」


「だって!私、ヒロシ君の彼女なんですから!」


「今は、それどころじゃないのよ!

 ニュース、見てないの?」



言い合いになっている先輩と彼女・・

周りのメンバーの入る隙は無い・・・




その時・・



「!!!!!!!!!!!!」


彼女と先輩の口喧嘩が止まった。



「何!!!???

 何なの?」



「これ・・一体・・・?」



突然、彼女と先輩が何かに気づいて叫び出した。




「どうしたの?」

僕が聞いてみる。



「う!・・何?これ・・・」

千佳ちゃんが呟いている。


「悲鳴に似てます・・・」

拓夢君が答えている。



僕と先生、沙希ちゃんは呆然としている・・

何が起こっているのか・・


霊感のあるメンバーが異常を訴えていた。



「う!!!!

 あああああああ!!!!!!!」


彼女が頭を抱えて叫びだした。

頭を抱えて、うずくまっている。



「ううう・・・」


先輩も苦しそうになっている。



「大丈夫?!!!

 望月さん!・・


 水島さんも!・・・」


先生が動揺している。


僕と沙希ちゃんで介抱を始める。



何が起こっているんだ???










「拓夢君!

 何が起こっているの?」


先生が拓夢君に訊ねた。


「悲鳴に似た・・

 音が聞こえるんです!!」


耳を押さえながら、叫んでいる拓夢君。

耳を押さえても聞こえるという事は、脳に直接響いているという事なのだろうか?



「音?

 そんなの・・聞こえないけど・・」


沙希ちゃんが不思議がっている。



「霊感が強い人ほど、聞こえるみたいだ!

 オレと沙希ちゃんや先生は霊感が無いから・・」


僕が補足する。

僕の介抱している彼女が一番酷かった。


ツインテールで髪止めをしていても、尚、先輩よりも症状が重そうだ。

頭を押さえて、辛い表情をしている。



「これは・・・


 あの・・博士が・・・

 何かしてる・・・」


彼女が苦しそうに僕に訴えている。


「まさか!・・

 消磁??」


先輩が呟く。

博士が延期していたという消磁作業が行われているのだろうか?

僕達が北校舎の地縛霊を全て浄霊して、ストップさせていたのだが・・・・



「隣の校舎から・・

 聞こえます・・・


 博士の装置の影響なら・・

 止めさせないと!!」


拓夢君が叫ぶ。


「望月さんと水島さんは、苦しそうね・・

 この校舎から移動させましょう!


 ヒロシ君と沙希ちゃんが付き添ってくれる?」


先生が彼女たちを音楽室からの避難を促す。


「はい!」


沙希ちゃんが返事をする。



「拓夢君と千佳ちゃんは動けそう?」


「はい・・何とか・・・」


「隣の校舎の詮索に行きましょう!」


「はい!」



先生と拓夢君、千佳ちゃんの3人で、悲鳴に似た音の詮索に向かう。




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