表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊感ケータイ  作者: リッキー
事件
406/450

132.再び現在 車内で・・


  ・

  ・

  ・




「ふうん・・・

 そんな事があったんだ・・・」


響子が呟く。


都内を走る覆面パトカーの車内・・

野口が運転しながら、話を続けている。



「あれから、オレは転勤を命じられた・・・

 ネットで噂が広がって、あの署には居られなくなったんだ・・

 家族そろって都内に引っ越しを余儀なくされた。


 皮肉なものだよな・・

 今、オレが警視庁に居るのは、あの事件があったからなんて・・・」



「出世したのよ。

 あなたには、それだけの能力があるって、認められていたのよ。」

陽子がフォローを入れる。


 

「千尋さんとはどうなったんだ?」

今西が聞いてくる。



「それがな・・・」

ポケットから写真を取り出して今西に渡す。



「あれから直ぐに故郷から見合い話が来てな・・

 今では一児の母だ。

 来年にはもう一人出来るってさ・・」


お腹の大きくなった千尋さん。

息子さんと旦那さんに囲まれて、笑顔の写真。


「幸せそうじゃない!」


「その写真、俺じゃなくって、法子に送られてきたんだぜ!

 全く・・あれはいったい・・何だったんだか・・!」


前の道路を見つめながら、ぼやく野口・・








助手席に座る樋口という男性に気づく今西。


「でも、こんな話・・

 こんな所でして良かったのか?」


今西や陽子は当事者だったので不都合は無いが、

上司のプライベートの話を平然と明かしていた野口。


「大丈夫です。

 オレ、口、硬いし・・・」


ボソッと答える樋口・・



「ふふ・・

 そいつのデータベースの御蔭で、オレ達一家は助かったんだ!」



「え?

 じゃあ!君は、あのお局様の?」



「弟です・・」


意外な事実に驚いている今西。


野口がポツリと言う・・



「不思議なモノだよ・・

 誰かに助けられて、今のオレたちが生きているんだ。

 つくづく・・そう思うよ。」




「因果応報って事なのよ・・。

 世の中は、見えない力で繋がっている・・」


陽子が付け加える。



「偶然は必然・・

 この世で、無駄なモノは何もない・・


 出会いも別れも・・

 全て、その人の、この世での修行に必要なモノ・・」




「そうだな・・」

うなずく野口・・


「でも、浮気はダメよ!野口君!」



「ああ・・・

 もう、こりごりだよ・・」


呟く野口・・

ハンドルを握り締め、女子高生の自殺した現場へと車を走らせる・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ