128.変異
再びアパート・・・
机に向ってうずくまって座っている法子さん・・・
送られてきた脅迫文章を握りしめている。
「誰が・・こんな事を・・・」
思い悩んでいる法子さんの姿を見守っていた千尋さんだったが・・・
「そう、根詰めないで下さい!
私が、
何とかします!!」
千尋さんが解決しようと提案している・・
策があるとでもいうのだろうか?
「何とか?
そんな事が・・
できるの?」
法子さんが不思議に思って聞いてみる・・・・
その問いに自信満々に答える千尋さん。
「簡単です・・・
あなたが、
消えればいいんです・・・」
「え?」
不思議な言葉を呟いた千尋さんに振り向いた法子さん・・・
バチバチバチ!!!
千尋さんが当てがったスタンガンが火花を散らす。
気を失って、その場に倒れこむ法子さん。
「この手紙は・・私が出したんです。
ネットも・・私が書き込んだものに、皆が群がってきた・・・
それも全て・・
私が
あの人と一緒になるため・・・
幸せな家庭をつくるため・・
あなたには
消えてもらいます。
夫の浮気を苦に
自殺するんです。」
法子さんの服を脱がしている千尋さんに、颯太君が駆け寄る。
「お母さん・・どうしたの?」
ワケがわからない颯太君に、千尋さんが微笑む。
「お母さん・・ちょっと苦しいって・・
楽にしてあげましょう!」
「お母さん・・苦しいの?」
「颯太君も・・楽にしてあげるわ・・」
バチ!!
スタンガンを打ち込まれて、気を失う颯太君・・
服を脱がせ、裸にした法子さんを風呂場へ運ぶ千尋さん・・
ポケットに忍ばせていた瓶を開け、気絶している法子さんの口に含ませる。
アルコール度数の高い焼酎の匂いがした。
浴槽に入れて、顔を湯舟の淵すれすれに疼くませ(うずくませ)る・・
ピ・・
給湯器のリモコンのスイッチを入れる。
「オ湯張リヲ開始シマス・・・」
ゴボゴボ・・・
循環口からお湯が沸き出し始める。




