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霊感ケータイ  作者: リッキー
事件
401/450

127.現場で


都内の、とあるマンション・・・・

前の賃借人が自殺して、新たな入居者が暮らしているのだが、時々、不気味な物音に悩まされていると言う・・


今西と陽子、あの文系新人が取材に入っていた。

お局様のノート・パソコンを借りて、手当たり次第に調査を行っているのだ。


「どうかな?・・霊視の結果は・・?」

今西が陽子に訊ねる。


「そうね・・

 ここで、自殺したみたいね・・」


「わかるの?!」


「ええ・・。」


霊視を続ける陽子。






「ある女の人をストーカーして、

 裁判沙汰になったみたいね・・・

 職も追われて、ここで引きこもり同然だったみたい・・


 いたたまれなくなって・・


 睡眠薬を飲んで・・


 お風呂へ向かった・・・」


陽子が颯爽と脱衣に向かって歩き出す。

まるで、そこでの出来事を見てきたように説明する。


今西と新入社員がそれに続く。

固唾を呑んで見守る住人・・・



ピ・・



給湯器のリモコンのスイッチを押す。



 「オ湯張リヲ・開始シマス・・」




ゴボゴゴ・・・・


音声と共にお湯が循環口から溢れ出てくる。



「これは!」

その状況に目を見張る今西。



「入水自殺よ・・


 睡眠中に自動的にお湯が張られて・・

 あの世へ行ける・・・」



死因の説明をする陽子・・


「すごい!

 ここに書いてある通りですよ!!」


新入社員がお局様から借りてきたノートパソコンに表示されている通りの事を再現している陽子だった。


陽子には、事前に見せていなかったのは想像に足りる。








「誰も居ない部屋で、一人で考え事をしていると、

 段々、負の思考になっていくのよ・・


 低級霊や浮遊霊と波長が合うと、

 どんどん、そちらの方へ吸い寄せられていく・・


 類は友を呼び・・

 思考も普通では無くなっていく・・・」



「負の思考?」



「ええ・・

 妬みや嫉妬・・怒り・・憤り・・悲しみ・・

 そんな想いが満ち溢れて行く。


 この世に生きていても、

 しょうがない・・


 そんな想いを持った霊が、この都会に蔓延って(はびこって)いるのよ。」



都会に無数にいる低級霊・・

その波長に同調した時、死の世界へと引き込まれるという・・・



「ここに、自殺した人の霊が居るのか?」



「いえ・・

 ここには居ないわ!」



「じゃあ、何でわかるんだ?」



「この部屋にある記憶・・


 オーラみたいなものを読み取っているのよ・・

 本人の霊に直接コンタクトを取る時もあるけど・・


 『モノ』にも記憶が宿るのよ。

『思念波』って言うんだけど・・」



陽子や霊能者が「霊視」をするのは、そういう作業らしい・・



「それにしても、

 ストーカーか・・

 どっかで聞いた話だな・・」

今西が首をかしげる。


「ちょっと、お局のデータを見せてくれるか?」


「はい・・」



その画面を見て、呆然ぼうぜんとする今西・・




「おい・・・野口に連絡しろ!」


「は・・はい!」












自殺が起きたと言うマンションに呼び出された野口。


「どうしたんだ?今西?」


お局から得たリストを見せられる野口。


「ここは、自殺の現場だと言うことだったが、

 この人物に覚えは無いか?」


「え?」


そして、その自殺したと言う人物の名前を見て、驚いた。



「こいつは!

 ストーカー男!!」


千尋さんから渡された名刺の名前だ。

更に千尋さんの被害届の名前とも一致している。



「ストーカー?」

新入社員が訊ねる。


「この間の合コンで、一緒に幹事をしていた女の子が居ただろ?

 あの子を、付けねらっていた犯人だよ!!」


「でも、

 ここで3ヶ月前に亡くなってますよ!」


「3ヶ月前?」


千尋さんが足音で悩まされ、野口に助けを求めていたずっと前に死んでいるのだ。



「じゃあ・・

 誰が、千尋さんの後を追っていたんだ?


 第三者なのか???


 でも・・

 千尋さんの名前も呼んでいたって・・・・」


謎に包まれる千尋さんを襲っていた足音や声の真相とは・・?






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