123.転機
野口が勤務を終えて、アパートに帰ってくる。
「ただいま~」
「お帰りなさい!」
アパートのドアが閉まる。
「こら~!!」
「ごめん!!」
アハハハ
明るい笑い声がドア越しに聞こえてきた。
その光景を、アパートを挟んだ反対側の道路の電信柱から見ている・・・
千尋さん・・・・
一人、マンションへと家路を急ぐ千尋さん。
もう、辺りは真っ暗になってしまった。
街灯が道路を照らし始めている。
カッ・カッ・カ・カッ・カ・・・
自分の足音が、道路の両脇の塀に反響している。
ポケットに忍ばせたスタンガンに手をかける千尋さん・・・・
カッカッカッカ・・・
少し小走りに道を急ぐ。
すると・・
カカッカカカカカ・・
近づいてくる足音・・
いつもの足音だ!
あのストーカー男なのだろうか??
携帯を握り締める。
いつもなら、ここでメールを打って野口を呼び出す。
だが、
野口を呼ぶことをためらった・・・・
振り向いて、足を止める。
「誰!!??
あなたなの???」
暗闇に向けてスタンガンを構える千尋さん・・・
ち・ひ・ろ・・・・
ち・ひ・ろ・・・・・
不気味な声が聞こえてきた。自分の名前を呼んでいる男の声。
「何よ!!!
こそこそしてないで・・
姿を現しなさい!!」
「オレの
想いが
わかったようだな・・・」
「何?
あなたの気持ち?
あなたと一緒にしないでよ!!!」
「ふふふ・・・」
笑い声が響き渡る。
月刊オカルトにて
新人男性の報告を聞いている今西。
「よっしゃー!よくやった~!」
歓喜に湧く今西。
お局様の情報を手に入れ、スクープ的な取材が可能となった。
山奥の神社
リ~ン
リ~ン
呼び出しの電話のベルが鳴る。
「はい・・・
望月ですが・・
今西君?」
事態は・・・
転機を向かえる・・・・




