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霊感ケータイ  作者: リッキー
作戦
363/450

89.対戦


自転車で学校に向かう途中の僕と彼女。

ペダルをこぎながら、彼女が僕に話してくる。


「ねぇ~。ヒロシ君!」


「何だい?」


「私の居ない間、

 先輩と、何か無かったでしょうね~?」



「え~??

 何かって????

 どんな事?」


僕が軽く質問に質問で返した。

軽くあしらわれて膨れた顔の彼女・・

何か文句がありそうな表情・・


そんな彼女も可愛かった。



「別に!

 何にも無いならいいけどさ~・・」


僕の前を走る彼女。



「何もないよ!」

微笑んで答えた僕・・



「ヒロシ君の、意地悪~!!」


ブーブー言ってる割には嬉しそうな彼女だった。

これから童子との対決が待っているというのに・・

恐怖心の微塵も無い僕達・・


二人なら、どんな困難でも超えられるような気がしていた。


いや・・

実際、色んな事件を乗り越えてきたから・・



そして、

二人の前に、目的地の学校が見えてきた。


「美奈!行くよ!」


「うん!!」












校門をくぐり、校庭へと入って来た僕と彼女の自転車。

校舎の脇に自転車を止めて、先輩の指定した屋上を見上げる。


北側校舎の屋上・・



「見える?」

僕が彼女に聞いた。


「いえ!

 でも、屋上に薄らと霊気がある!」


彼女の話だと、男子生徒が一緒に居るという。


玄関から入り込んで、階段へ向かう僕達。

屋上を目指す。







・・と、その時・・


2階の踊り場へ駆けあがった時、彼女が叫んだ。


「待って!!

 ヒロシ君!!

 霊気よ!!」


「童子か?!!」


立ち止まって、咄嗟に霊感ケータイを作動させた僕。


カメラの映像が表示され、

3階の階段を上がった廊下に、不気味に立ち尽くす大きな霊が映っていた。


熊の姿をした・・

大柄な人物の影・・




前に音楽室に現れた「星熊童子」!




即座に、黒い数珠を構えて対峙する彼女・・




 チャラララ・チャラララ


霊感ケータイが鳴り出す。

スイッチも入れないのに、不気味な声が聞こえてきた。



「ふふふ・・

 よく、私がここだと分かったな・・・」


「星熊童子か!!」


僕が霊感ケータイを通して問いかける。



「その通り・・・」



「男子生徒を開放しろ!

 罪も無い人を巻き込むな!!


 アプリも・・

 いったい、何を企んでいるんだ!!」



僕が星熊童子と対決する。







「威勢の良いボウヤだ・・・

 さすが・・ヤスマサの末裔・・


 そして・・

 望月の君の子孫だ・・」 




「ヒロシ君、会話を切って!

 霊感ケータイで疲労させるのが目的よ!!」

 


「ふふふ・・

 良くお分かりのようで・・」


「ふざけないで!!」

  ビシー!!!!!!


彼女の一撃が星熊童子を襲う。


「ぐ!!」


その攻撃を素手で受け止めたが、童子の拳が溶けている。

シュウシュウと煙と音をたてている拳を見つめる星熊童子。


「まだ・・、

 こんな力が出せるというのか!・・」



「時間稼ぎね!?

 男子生徒を逃がしているのね!!!」


こうやって童子と対峙している間に、屋上にいたはずの男子生徒は逃亡をしている可能性が高い。



「ふふふ・・

 ジワジワと貴様らを追い詰めてやる!

 覚悟しておくのだな!!」


「何を!!」


彼女が次の攻撃を繰り出そうと構えた時・・



 パーーーーーーーーー!!!!


「きゃ!」

彼女が叫び声を上げた。


辺りが眩い光に包まれ、

霊感ケータイも画面が真っ白になって何も見えなくなった。








その光が止んだ時、そこに今まで居た童子の姿は無くなっていた・・・



「ど・・何処へ!!」


辺りをくまなく探査する彼女。


僕は、あるものを探していた。



「これだ!」


廊下の壁の片隅にあるコンセント・・・

先輩が言っていた童子の通路として使っている電気配線の入り口・・・



「コンセント?」


「童子は配線を伝って移動することが出来るって、先輩が言ってたよ・・

 この学校の配線を使って・・」


「待って!童子の霊気が無いわ・・

 この学校には、もう、居ない・・・」



「逃げ足が速いのか!」



「屋上へ行って見ましょう!!」



男子生徒の居たハズの屋上へと駆け上がる僕達・・




だが、




屋上には、食べかけのカップラーメンとポテトチップスの袋があるだけで、既に男子生徒の姿も無かった・・・・

ここに居たという痕跡はつかめたのだが・・



「ち!!逃げられたか!!」


 ガーン!!!

屋上の手摺を強く叩いた僕・・






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