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霊感ケータイ  作者: リッキー
探索
333/450

59.調べもの


「それに・・」


ポツリと呟く陽子・・

まだ、何かがあるのだろうか?


「それに?」


「私が、ここへ来たのは、それを言いたかっただけでは無いんです・・」


「それだけでない?」


ここへ来た理由が、昨日の陽子の想いを打ち明けるだけでは無いという・・






「私は・・

 オーラが見れるんです。」



「オーラ?」



オーラ・・


人体(動物も含むが・・)の周りを取り巻く生体エネルギーである。

人間は、身体、幽体、霊体の3要素で構成されていて、3次元空間に実態を持つ身体と「意識」の塊である霊体、それを結ぶインターフェイス的な存在の幽体であるが、オーラはこの幽体が身体よりも外側に溢れたものであると推測される。


健康的で、生体エネルギーに満ちた人は、特にオーラが空間に広がる傾向にあり、個々の「色」を持つという。

夜、暗いときに手を重ねると、重複した部分が明るく浮かびあがる事もあるというが・・作者は未だに見たことは無い。(恥ずかしながら・・)


それにしても、いきなり「オーラ」などという未知の言葉を取り出された小早川だった・・



「あなたのオーラは・・

 今まで、私が見た事も無いオーラだったんです。


 何ていうのか・・

 何でも、包んでくれるような・・


 真っ白な・・オーラだったんです。」




「私の?

 オーラ・・・

 白い色・・」


少し、困ったような表情となった小早川。


「あんなの・・初めてだった・・

 いったい・・


 あなたは、

 何者なのですか?!」


陽子に激しく問われ、どう答えてみようもなかった・・


「何者・・

 と

 言われても・・


 私は、ただ・・

 この寺で、修行をしている身・・


 日頃は仏事の手伝いをしているとしか・・

 言いようがない・・」



「霊感は・・無いのですか?」



「霊感・・

 私は生まれてこの方・・

 幽霊とか、不思議な体験とは、全く無縁ですよ。」



「霊感が無い・・?」


「はい・・」












学校・・


「何で、私が、行かなきゃならないのよ~」


ブツブツ言いながら、響子が例の写真を今西に返しに廊下を歩いて行く。

オカルト同好会の部活の行われている教室へと向かっていた・・


 ガラ・・


「お邪魔しま~す。」


響子が戸を開く。

教室には、一人の眼鏡を掛けた女の子が座って、何やら執筆をしていた。


「はい・・」


「今西君達は、まだですか?」


「部長と副部長は、図書室へ行きました。

 資料を調べてるところです。」


「資料?」


「何でも、妖怪について調べるって言ってました。

 今時、妖怪なんて珍しいですけどね・・」


「妖怪・・」


「あの・・部長たちに用事があるのでしょうか?」


「あ・・、いえ、ちょっと通りかかっただけなの。」


愛想笑いをして教室を立ち去る響子。

不思議に思った女の子・・楓ちゃんだった・・・

再び、机に向かって、何やら書き始める。








図書室・・


今西と幸子が机を挟んで相・対して座り込み、何やら調べている。


「そっちは見つかったか?」


「いえ・・こっちの資料集には載ってないわ・・」


「ふ~ん・・

 夢で見た『妖怪』らしきものなんて、

 なかなか乗ってないよな~。」


ブツブツ言いながら、ページをめくっている今西。


後ろから声を掛けられる。


「今西君・・」


振り向くと、響子が立っていた。


「やあ!一橋じゃないか!」


驚いている今西。


「これ、陽子から預かって来たの・・・」


写真を手渡す響子。



「お~!昨日のスクープ写真じゃないか~。」


歓喜の声を上げて、写真をむさぼり見る今西。


「どれどれ?出来はどう?」


幸子が寄って、覗き込む。


「う~ん・・・

 心霊写真は・・・

 なさそうだな・・・」


黒いバックの写真を何枚か見ながら、残念な感じの今西。


「でも、良く、撮れてるじゃない!

 浄霊の儀式の感じが・・」


「まぁ・・そう言った意味では、記録写真としては上出来かな~」


「私達の様子がわかって、良い写真じゃないかって、思うわ。

 陽子も褒めてたわよ!」


「え~?あの陽子がぁ?」


半信半疑の今西。


「うん、記者を目指してるだけあるって・・」


「へぇ・・いつもは、ごちゃごちゃ文句ばかりだと思ってたけどね~」


「本当は、仲間になりたいのよ。

 私もそうだけど・・」



「何か、不都合な事があるの?」


幸子が聞いてみる。



「それは・・・

 ・・・

 色々と・・あるの・・・」


何かワケありな感じで話を濁す響子・・










「ところで、何を調べてたの?

 部員の子が『妖怪』を調べてるって言ってたんだけど・・」


響子が話題を変える。

目を合わせる今西と幸子。


「幸子が、昨日、夢を見たんだ。」


「夢?」


「ええ・・妖怪に追われている夢・・」


幸子が答える。



「追われていた?」


「あの妖怪が言っていたの・・

 古の都に蔓延った妖怪の末裔だって・・・」



「古の?!!!」


その言葉に反応した響子。

昼休みに陽子から聞かされていた話とそっくりだった・・

そんなに一致する事もあるのだろうか・・



「普段は、『妖怪』なんてナンセンスだって思ってたから、ノーマークだったけど、

 図書室に、色々と調べると資料があったんだよね・・」


今西が資料を見せてくれる。


『妖怪学全集』と『平安絵巻』・・


響子がペラペラとページをめくっていると、目についた見出しがあった・・・




  酒呑童子と四天王




「なになに?酒呑童子?」


今西が覗いて来る。


「京の都を脅かした、日本中期最悪の鬼・・・」


幸子が興味を示す。



そして・・・



「この、四天王・・なのかも・・私を追ってきたのは・・・」





「童子・・


 四天王・・・」


呟く響子・・







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