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霊感ケータイ  作者: リッキー
探索
285/450

11.防犯カメラ



都内のフルーツパーラー店にて・・


「ヒロシから連絡が来たわ!」

陽子が、響子からのメッセージを受け取る。


「弘子さんのアパートに、しばらく身を隠す様にって・・・」

陽子が、今西と弘子さんに伝える。



「え?弘子の所に、2人もか?


 いや・・

 3人???」

今西が、呟く・・

霊である響子も入れれば3人泊めてもらう事となる。




「お兄ちゃん、野宿でもしたら?

 私と、陽子さんで手一杯だよ!」


「あと一人、響子も居るんだよ~!」


「え?響子さん?

 亡くなったはずだけど・・・」







「あはは・・

 弘子さん・・


 実は、響子も来てるのよ・・

 私の横に・・」


笑って、実態をバラす陽子だった・・

笑える事実でもないのだが・・


「え~~????

 ひょっとして、幽霊なんですか~???」



「正確には、幽霊じゃなくて、

 『霊』なんだけどね・・」


「しばらく、霊と一緒に住むんですか~????」


「オレもずっとそうだったんだよ・・・!」


「ちょっと・・待って下さい!」


しばらく考え込んでいる弘子さん・・

さすがに、霊と一緒と言うのも・・・




「わかりました!

 私の所に、しばらく居てください!」



「え~??抵抗ないワケ~??」

その言葉に、驚いている今西・・


「私にとって、響子さんは、

 昔のお兄ちゃんやお姉ちゃん(幸子)の友達以外の何者でもないわ!


 生きていようが、死んでいようが、同じです!」



「あはは・・死んでいようが・・ねぇ・・」

苦笑いしている陽子・・


「仕方ないわよ・・私、死んでいるんだから・・それは事実よ・・」

響子が呟いている。



「あ~!!!オレはいったい・・

 なんたる不運なんだ~!!!」


「お兄ちゃん、怖がりだからね・・

 でも、月刊オカルトの編集者なら、願っても無い機会じゃないの?

 体験をまとめて、記事にでもしたら?」


「余計なお世話だ!!」


かくして、弘子さんのアパートに、今西と陽子、そして響子が隠まる事となった・・・











先生のマンション。


「さて~、今日は、ミナ、お泊りなんです~。」

ニコニコ顔の彼女。


「え?あなた・・泊まるの?」

先輩が、その言葉に反応した。


「もちろんです~。お父さんに断わって来たし~。

 お母さんも襲われたから、その対策も練らなければだし~。

 着替えも持って来てあります~。


 あ~。大変だな~。」


その割には、楽しそうな彼女・・


「もう!

 あなたも、抜け目ないわね!」


「お互い様ですよ~。」



「水島さん、今晩はどうするの?

 泊まっていく?」

先生が聞いている。


「是非!ぜひ、今後の対策もあるから~!!」

父が、嬉しそうにせがんでいるが・・


「この下心見え見え男が~!!!」


「ギャー!!!」


縛り上げられている父・・













「いえ・・

 今日は、帰ります・・

 ちょっと、調べモノもしたいし・・・」


意外な答えの先輩・・


少し、元気が無かった・・

先程のHijiriとの対決で、疲れたのだろうか・・


「水島さん・・」

先生が気を使う・・


「あ・・

 大丈夫です。


 でも・・

 帰りは、ヒロシ君に送ってもらおうかな・・

 襲われるかも知れないから・・」


「先輩・・」




「とか、何とか言って、ヒロシ君を襲うつもりじゃないですか~??」

彼女が突っ込んでいる。


「あなたとは違うわよ!」


「どうだか!」


「まあ、まあ・・

 水島さんも、昨日から、疲れてるだろうから・・

 家でゆっくり休んだ方がいいかもね!


 ヒロシ君。水島さんを送って行ってくれる?」


「はい」




「先生~!

 先輩の肩もつんですか~?」


「あはは・・望月さんには、スペシャルなスィートを作るわよ!」


「え~?ホントですか~??」


甘いものに釣られる彼女・・

それでいいのか~???











僕と先輩が先生のマンションを出る。


「お邪魔様でした。」

ペコリとお辞儀をした先輩。


「気をつけてね!」


「未来ちゃん・・また来てね~。」


「このオヤジが~!この期に及んで~!!」



「あ・・先輩・・」


彼女が呼び止める。

どうしたのだろう?という表情の先輩・・


「お母様達の事・・守ってくれて・・ありがとうございました・・」


「望月さん・・」


「先輩が居なかったら・・どうなってたか・・

 それに・・私も・・」


昨晩のワラ人形の件もある・・


「これで、御相子よ!」

微笑んで、颯爽と玄関を出る先輩・・











エレベーターに乗る先輩と僕・・

二人だけの空間となる・・


髪の毛から、甘酸っぱい匂いがした。

先生のいつも使っているシャンプーの匂い・・


僕と先輩の目が合った。

ニコッと微笑む先輩。


「楽しかった・・

 先生の家・・」


「そ・・そうですか?」


楽しかった?大変な事ばかりの様だったけど・・

そう言った後、上を向いて一点を見つめている先輩・・


何を見ているのだろう?


エレベータの階数の表示板の横・・

黒い板が貼ってある・・


「これよ・・・」


「え?」


「防犯カメラが内蔵されている・・」


「これが?」


エレベーターが1階に着いて、扉がスーっと開く。

一歩踏み出して、周りを眺める先輩。

やはり、上の方を見る・・


「あれね・・」


エントランスホールの自動ドアの脇・・

天井に黒いドーム型の機械が据え付けてあった。


「あれも、防犯カメラよ・・

 コンビニとかでも、良く見かけるけど・・」


「あれが・・

 防犯カメラ・・?」


さっきまで、都内で展開されていた母とHijiriの逃走劇・・

監視に使われていた防犯カメラや監視カメラが、都心から離れた僕たちの町にも点在していた・・


いや・・

僕たちの周りはいつの間にか防犯カメラだらけになっていて、

いつ監視されていても不思議ではない状況下にあったのだ・・


そう思ったら、急に恐ろしくなった・・





「もう・・

 この社会に・・

 プライベートなんて、無いのよ・・


 『防犯』の名目で、常に誰かに監視されてる・・

 私とヒロシ君が、一緒に居て、

 何をしたかなんて・・

 直ぐに分かっちゃうのよ・・


 例えば・・」


先輩の顔が僕に近づく・・


「え?」


 チュ・・


僕の頬に口づけした先輩・・



「こんな所・・

 誰かに見られていても

 不思議じゃないのよ・・


 Hijiriが見ているかもね・・」


少し、微笑んだ先輩・・

振り向いて、道路の方へ歩いて行った・・









マンションを出る・・


ずっと家の中だったから分からなかったけれど、もう日は西に傾いていた。


「ちょっと行きたい所があるの・・」


行きたい所?どこなんだろう?

僕は、先輩の言うままに後を着いて行った・・


その道中のコンビニや駐車場、銀行や道路に設置されている無人カメラを説明された・・


「あれが、みんなネットに繋がっているんですか?」


「全部ではないわ・・

 中には社内のコンピューターに直に繋がっているのもある・・


 でも、

 セキュリティーの物は・・ネットを介して、管制センターや警備会社に繋がっている・・」


「防犯カメラの無い所って、無いんですか?」


「山の奥とか・・よね・・

 逆に、無いと、犯罪が起きてもわからないわ・・


 今西さん達の隠れていたガードなんて、変質者に襲われやすい所よ・・」



犯罪から守るために設置されている防犯カメラ・・

犯罪は防げても、その分、プライベートは薄くなるのか・・


絶えず、監視することは、犯罪も個人も全てを監視する事に他ならない・・




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