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霊感ケータイ  作者: リッキー
虚空間の住民達 1
277/450

3.仮想空間


夢と現実の狭間・・


現実の世界と夢の世界・・


現実世界からバーチャル空間に入って繰り広げられる世界がある・・

あたかも、そこに空間が広がっているような、錯覚さえ覚える事もある。


バーチャル空間は、数値だけの空間・・

そこに、世界が広がっているわけでもない。


  虚無の空間・・


だが、

その空間に、一筋の光を求める人達も居る。


生と死を分ける現実世界と霊の世界・・

現実と虚無を分ける現実世界とネット空間・・


その両者に、違いは殆どない。













   バシャ!!



高速道路の入り口。ETCのゲートが勢いよく開く。

何台ものトラックが、ゲートをくぐり、方々へと走っていく。


  夜間定期便。


物流センターが、主要道路の通る郊外の商業地域にあり、そこから近隣の都市や、離れた地方へと荷物を運び出し、次の日の朝には、輸送先の基地へとトラックが到着しているのだ。


我々の生活を支える物資の殆どは、こういった流れで配送されている。


そのトラックの運転を担う長距離運転手・・

連日の夜間の運転は過酷なものである。


1台の定期便トラックが、首都圏を目指して走っていた・・


ハンドルを握る運転手の目線は、前方を見つつ、計器類の並んだコンソールの脇に取り付けられた携帯電話のホルダーをチラっと見ている。


携帯の表示画面には、


    悪霊大戦

  「an-girl-moreアンゴルモア


ケータイゲームの画面が表示されている。

愛紗さんや雨宮先生のやっているゲームである。


「さてさて、明日は、イベント最終日だったな・・

 今日の内に、レア・アイテムを入手しなくちゃ・・・」


おいおい・・運転中にゲームか~??(読者の方々は真似しないでね・・)





「お!シズちゃんから、メッセージか~」



 トモノリ君。

 お互い、

 イベ頑張ろうね(*^^*)/

       シズちゃん



シズちゃん・・・

独身23歳と歳を偽って登録している雨宮先生(推定年齢37歳)のアカウントである・・


「可愛いよな~

 23歳独身か~

 そのうち、リア友になれるかな~」


ハンドルを握りながら、呟くトモノリ君・・


騙されてはいけない・・

相手は中学生の子持ちなのだよ・・


「お、Akiさんからもメッセージか~」



 トモノリ君、

 イベント・レア、親愛度MAXになったので、送りますね。

        Aki


「さてさて、Akiさん用のレアも親愛度上げなきゃな・・」



お互いに、属性の異なるレアを交換しながら、連携してゲームを有効に進めているのだ。

先生とAkiさん、トモノリ君・・お互いに顔を合わせた事もない関係だが、同じ「秘密結社」(=ギルドのようなもの)で知り合った。


白魔術属性のAkiさん、黒魔術属性のトモノリ君に加え、陰陽師属性の先生の3タイプで、協力し合ってイベントを攻略することになったのだ。


仲間意識の様なものが芽生え始めて来ていた。





サービスエリアに入るトモノリ君のトラック。


すでに、駐車場は満員で、入り口付近の道路にも数台のトラックが止まっている。

サービスエリアにて、トラックの中で宿泊する運転手が多いのだ。

丁度、1台のトラックが出て行くところだったので、そこへ入れる事ができた。








駐車して、ホルダーの携帯電話を取り出すトモノリ君。


運転中は、簡単な操作のみで、メッセージを打つことが出来なかった。



 SAにて、休憩中。

 今日は200kmの予定。

 休みながら行きます。

       トモノリ




「秘密結社」の掲示板にメッセージを打ち込む。

仲間からのメッセージが入る。



 お仕事ご苦労様です。



 気をつけてね!



 運転中はinするな!



 寝るなよ~事故るなよ~




深夜、一人で運転するトモノリ君にとって、孤独から解放されるひと時だ。


メッセージを確認して、トラックを降り、トイレへと歩いていくトモノリ君・・

サービスエリアの建物内は、深夜で売店のシャッターが閉まっている。


自動販売機の立ち並ぶ灯りの前で、無口で煙草を吸っている運転手達・・

お互いにドライバーではあるのだが、会話があるわけでもない。


暗闇で、携帯電話の表示を見つめている人も多い・・


近くに人は居るが、お互いに話しをする事も無く、ネット上の遠くの・・顔も見えない人と会話をするおかしな現象が日常となっている。


トモノリ君も同様で、トイレが済めば、自販機で缶コーヒーを買ってトラックに戻るのだった・・










都内から少し離れたベッドタウンのマンション・・

最上階から1階下の一室で、一人、ベットに入って携帯電話を操作している女の人・・


一人暮らしなのだろうか?


いや・・


部屋の片隅のチェアーの上に、小さな仏壇が置いてあり、そこに位牌と男の人の写真が飾ってある。



「はぁ・・・」


写真を見つめて、ため息をついている。


若くして、夫を亡くした未亡人・・

Akiさん・・先生と同じ境遇で、意気投合したという女性・・



「トモノリ君、高速か・・

 大変だな~

 毎晩・・」


秘密結社の掲示板を読んでいたAkiさん・・

メッセージを打ち込む。



 トモノリ君、

 事故らないで、

 気をつけてね

     Aki





 ありがとう!

 気をつけます

    トモノリ



メッセージが直ぐに帰って来る環境下にあった。


昼間は、お互いに仕事があるが、深夜は、そういった拘束が無い。

トモノリ君に関しては、仕事中ではあるが、一人で居る時間の為、inしても分からない利点もあった。




 Akiさん、

 レア送りますね!(*^^*)/

     シズちゃん



「シズちゃん・・凄いね・・この間始めたばかりで、

 まだレベル上がってないのに・・」




 ありがとう!

 こっちも、親愛度上げてる最中です。

      Aki



 了解!

 イベがんばりましょう!

       シズちゃん




仮想空間で、メッセージの行き来が繰り返されている。











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