2.いつかの時・・
バ!!!
目が覚めて、飛び起きる・・・
暗い部屋の中、月明かりが障子の隙間から入ってくる。
リリリリリ・・
リリリリリ・・・・
虫の声が庭に響き渡っている。
「夢?」
頭を押さえる・・・
辺りを見ると、布団で寝ていたのだった・・
顔中、脂汗で、しっとりと濡れている。
「どうなされた?望月様?」
「ヤスマサ様・・・」
ヤスマサと望月の君・・二人とも、一糸まとわぬ姿で、寄り添っていた。
布団を寄せて、ヤスマサの胸へ顔をうずめる望月の君・・
肩へ手を添える。
「悪い夢でも、見ておられたのですか?」
「はい・・
遠い未来なのでしょうか・・
異国の様式の婚礼の儀に・・
ヤスマサ様が居られたのです。
ヤスマサ様と言う名前ではなく、
『ヒロシ』という名前でした。
私は
『ミナ』・・」
「ほう・・
遠い未来の夢ですか・・
私達は、
時を経ても
同じ時間を生きて行くのでありましょうか・・
そこで
お互いに近しい仲なのですな・・」
「いえ・・
ヤスマサ様を追いかけようとしても、追いつかぬのでございます・・
お相手は、私ではございませんでした・・」
「さようで・・
ございますか・・・
それは、
悪い夢でありましたな・・」
望月の君の肩を抱き寄せるヤスマサ・・
優しく語りかける。
「大丈夫です。
私は
あなたの
傍から、離れませぬ・・
もう・・
二度と・・・
離れたくない・・」
「ヤスマサ様・・」
ヤスマサの胸で、目を閉じる望月の君・・
互いに抱き合う二人・・
ヤスマサと望月の君・・・
長い時を経て、
その子孫は、
互いに絡み合えはすれど、その血が交わる事は決して無かったという・・・
ヤスマサの子孫であるヒロシ、
望月の君の子孫である美奈子・・
この二人は、代々の関係と同様に、
交わる事が無いのであろうか・・
ヒロシとの結婚を夢見ていた美奈子・・
どこまでが夢で、どこまでが現実なのか・・・
それは、誰にも分からない・・




