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霊感ケータイ  作者: リッキー
霊感ケータイ6 中
275/450

1.いつかの事



 カラーン・カラーン


教会の鐘が鳴る。

ある、秋の晴れ晴れとした午後の日差し。


教会の一室。

秋晴れとは打って変わって、少し、暗く、落ち着いた部屋・・


花嫁衣装を着て、ベールを被った一人の女性の元へ、男の人が近づいてくる。


見上げる花嫁・・


「ヒロシ君・・」

その女性が、呼びかける。


相手は、ヒロシ・・大人になって、白いスーツを着ている。


「良い天気になったね・・」


「ええ・・」


明るい窓の外を眺めながら、話を続ける。


「秋になると、想い出すよ・・

 あの頃の事を・・」










「童子との戦いの日々?」


「うん・・

 苦しい戦いだったけど、

 今の僕には、

 眩しいくらいに、

 輝いていた・・


 色んな人と出会った日々・・


 博士や、今西さん・・


 愛紗さん、美咲さん・・


 ゴーストバスター部の仲間たち・・


 そして、


 『霊感ケータイ』・・」



「あの携帯電話は、捨てたのよね・・・」



「ああ・・


 海に投げたよ・・


 生きている人が

 死者と会話をする事なんて、

 あってはいけない事なんだ・・


 あの電話がある限り、

 悲劇が繰り返される・・・


 それに・・」



「あの子?」



「うん・・


 彼女は・・


 もういない・・・」



「ヒロシ君・・」


悲しい視線になっているヒロシに呟く花嫁・・



「ごめん・・

 今日は、こんな話をする日じゃないね・・」



「いえ・・

 私と、ヒロシ君の間には、

 無くてはならない

 大切な人だもの・・


 私も受け入れるわ・・」




「ありがとう・・・



 未来・・」




  ガタ・・



扉が開かれる。



「新郎新婦の入場です!」


電子オルガンのメロディーが静かに流れ出し、二人が式場へと足を踏み入れる。

参列者の見守る中、静かに祭壇へと歩むヒロシと未来・・












  「待って!!!」






  「待って!ヒロシ君!!!」





ヒロシ達の後ろから、叫び声が聞こえる。



だが、場内の人にも、ヒロシ達にも、


その声は届かない様だった・・







 「待って!



  そこにいるのは・・




  ヒロシ君のお嫁に行くのは




  私よ!!




  先輩じゃない!!!」






必死に叫ぶその声に、誰も振り向かない・・



 「待って!!



  ヒロシ君!!




  私よ!



  ミナよ!!



  気づいて!!!」




ヒロシと未来を追いかけるが、追いつかない・・・


手を伸ばしても、どんどん遠ざかっていく・・






 「いや~!!!!!!」






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