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霊感ケータイ  作者: リッキー
来ちゃった
269/450

153.料理指南


彼女たちが部屋から出てきた。

食堂のテーブルの方へ案内される愛紗さん。



「ヒロシ君、

 愛紗さんに朝食を出してあげて。」


キッチンに立っていた僕に、先生が指示をする。


「はい」


美咲さんが、愛紗さん用に残して置いたホットケーキをレンジで温め直し、

鍋に入っているオニオンスープも、コンロで温めた。


テーブルに座る愛紗さん。

まだ、少し、元気が無い感じだった。


「おはようございます。」


僕が挨拶をする。


「おはよう・・

 君が、ヒロシ君?」


挨拶を返す愛紗さん・・


「はい。

 具合は、どうですか?」


「・・・

 まだ、モワンとしてる感じ・・

 疲労も、残ってるのかな・・」



トン・・


「はい!」


テーブルに突然置かれたドリンクの瓶・・

先生が差し出したドリンク剤。

見上げて質問する愛紗さん。


「これは?」


「疲労した時は、これが、一番よ!!」


先生が太鼓判を押す栄養ドリンク・・滋養と強壮に良いらしい。

彼女と千佳ちゃんで学校の除霊をした時は、これが重宝した。


通常のドリンクよりも、少し、グレードが良いらしく、先生が買いたかった服を諦めて、こちらに予算を回したほど高価なモノなのだ。



「そうですよ~。

 それ、効くんです!

 特に、霊力が落ちた時はテキメンですよ!」


彼女が脇から話に首を突っ込んでいる。











「あ、わたし、オニオンスープ、温めるの、手伝うわ。」


先輩が僕の隣のコンロの前に立つ。

すかさず、彼女も・・


「ヒロシ君!何か手伝う事ない?」


「え?じゃあ、お皿、拭いてくれる?」


「うん!」


張り切りだす彼女。

僕を挟んで、彼女と、先輩がキッチンに立つ。



「何か・・

 ハーレム・・

 なの?

 ここ・・・」


ドリンクの蓋を開けながら、愛紗さんが呟く。


「ハ・ハーレム!」


キッと先輩を見つめる彼女。

先輩も、彼女の方を睨む・・・


たじたじの、僕・・・



「先輩!抜け駆けはなしですよ!」


「え?抜け駆けなんて・・

 ヒロシ君の手伝いをしてるだけだけど・・・」


「駄目ですよ!ヒロシ君は、私のモノなんですから!」


「この間、諦めたワケじゃないって・・言っておいたはずだけど・・」


「え~!!

 ワラ人形の件で、反省してるんじゃ・・」


「反省してるわよ!

 でも、昨日は、私の機転でワラ人形の場所を突き止めたんだし・・」


先輩も、負けていない・・

確かに、先輩の頭の回転は、速い。僕だけだったら、あんなに短時間で、ワラ人形の場所は判明できなかっただろう・・

僕やパパが公園に駆けつけていなければ、攻撃が続いていたかもしれない。


「私も、結界を張りましたよ!」


「出来れば、張りたくなかったんでしょ?

 呪いが跳ね返って来るから・・」


「うう~・・・」


先輩に掛かると、口論では彼女もかなわないのかも知れない。

昨晩の、ワラ人形の件と愛紗さんを探し当てた件で、少し先輩の株が上がっている。

強かな先輩・・



 チン


電子レンジが鳴る。







僕が、温まったホットケーキを愛紗さんに差し出す。

先輩も、カップに温めたオニオンスープを入れて、皿の脇に添える。


「ありがとう・・」


「このパンケーキ、美咲さんが作っておいてくれたんですよ。

 美咲スペシャルだって、言ってました。」


「美咲が?」


「オニオンスープも美咲さんから教わったんです。

 美咲さんって、料理、上手いんですね!」


先輩が、美咲さんを褒めている。



「ええ・・

 美咲は、家庭科、得意だったから・・」


「愛紗さん!クリームとメープル、たっぷりありますよ!」


彼女がここぞと言わんばかりに、甘いものを薦めているが・・・



「いえ・・私は、マーガリンとシロップだけで良いわ・・」

苦笑いしている愛紗さん。


「ほう・・通ですな~」


さすがに、甘党スペシャルだけは遠慮した愛紗さんに、すこしガッカリした彼女・・ホイップが空しく冷蔵庫へと戻される。



マーガリンをパンケーキの上に乗せ、メープルシロップをかける。

トロっととけるマーガリン・・


フォークを入れようとした愛紗さんが呟く。


「美咲・・・」


愛紗さんの脳裏に、美咲さんとの想い出が浮かぶ・・・










  ・

  ・

  ・

  ・


ポーンとフライパンを上げて、ホットケーキをひっくり返す美咲さん。


「へ~ん。一丁上がり~。」



中学校の時・・家庭科実習にて・・

ホットケーキを焼いている美咲さんと愛紗さん・・


「すっごーい!やっぱり、美咲って、料理の天才ね~!!」


愛紗さんが感嘆している。


「ま、人間、何かしら取り柄はあるものよ!」


「美咲は、いいお嫁さんになれるよ~。」


「あはは~。それなのよね~。

 この料理の腕を披露できる彼氏が居ないのが・・不覚・・!

 クラスにはロクな男居ないし・・」


「大丈夫!美咲ならいい彼氏できるよ!」


「男は、料理じゃ寄って来ないからな~」


パンケーキを皿に移して呟いている美咲さん。


「私なんか、こんなよ!」


裏返すと、焦げているパンケーキを見せる愛紗さん。


「ありゃ・・

 こりゃ、ダメじゃ~・・

 剛君には見せられない代物だわ・・」


「はぁ・・これじゃ・・いいお嫁さんになれないよね・・」


ため息をもらす愛紗さん。



「そうだね・・

 愛紗、昔から、料理は下手だからね・・」


「あぁ~・・こんなの剛君に出せないよ~。

 美咲が羨ましい!」


「それは、こっちのセリフよ!

 こっちは、生まれてこの方、彼氏の「か」の字もないんだから!! 」


料理が得意でも彼氏の居ない美咲さん。

剛君が居ても、料理のままならない愛紗さん・・・


どっちがいいのやら・・・








「ねぇ!今度、料理教えてよ!」

美咲さんに迫る愛紗さん。


「え?私が??」


「うん!私、このままじゃ、剛君について行けない!」


「え?付いていく?」


「この間、コンクールで入賞したでしょ?剛君、音大に行くって、決意したのよ!」


「え?あんたも音大へ行くの?」



「いや・・私の腕じゃ、ムリよ!

 どっかの女子大とか・・就職でもして、追いかけるの・・」



「えええ??同棲するの~??」



「こら~!!!声が大きい!」


美咲さんの口を塞ぐ愛紗さん。

周りの女子が、こちらを向いている。



「あはは~。どうせい・・・どうせ~だから~

 本格的な料理でもしようよ~。」


「う・・うん・・」


ごまかす美咲さんと愛紗さん。

なんとか、周りの女子の視線から免れた。


「はぁ~・・危ない・・・


 ま、

 同棲まではムリだけどさ・・近くのアパートとか借りたいな・・」


「東京暮らしか~・・あこがれるな~」



「だからさ・・料理くらいは、ちゃんとやりたいのよ・・・」



「ふ~ん・・

 よっしゃ!この美咲が一肌脱いでしんぜよう!」


「美咲!」


「かわいい親友の為だ!」


美咲さんの家で、料理を教わる事となった愛紗さん・・・











美咲さんの家。

キッチンで美咲さんから料理の手ほどきを受けている愛紗さん。


「いい?二人暮らしだと、あんまり材料は要らないのよ。

 スーパーでたくさん買って来たって、余らせて、腐るだけだからね・・

 1/2とか1/4とかのがあるから、そういうのを買うのよ。」


「ふーん・・」


まな板を前に、包丁で玉ねぎを切っている愛紗さん。

脇で、美咲さんが説明している。


「う~、玉ねぎは目に染みるね・・・」

涙をこらえて、玉ねぎを切っている愛紗さん。


「今時、玉ねぎ切って、涙流す人が居るとはね~・・・

 上から、切ろうとするからダメなのよ!

 ちょっと貸して!」


愛紗さんと交代する美咲さん。


「二人分だと、1/8くらいかな・・

 まず、二つに割るでしょ?」

新たな玉ねぎを、半分にスパッと、切る美咲さん。慣れている感じだ。


「これを、4等分にして、切り口にラップをして、残しておく・・・

 あと、切り方だけど、包丁の先っちょを使うのよ。」


「刃先?」


まな板に、包丁の先端をあてがって、スッとスライドさせて、切っていく美咲さん。


「スライスってところかな・・

 こうすれば、繊維を痛めないで、サラっと切れるのよ。」


「へぇ~」


「上から、力任せに切ろうとすれば、押されて、中身が飛び出るでしょ?

 あれで、臭いの成分が飛んで出てくるのよ。」


「そうか・・包丁も使いようね・・」


「切るものによって、包丁の各部分を使い分けるのよ。

 次は、ダシね・・」


包丁の使い方から教わっている愛紗さん・・





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